生きる単位は百万円
深い。ひょんなことで人は社会の見えない落とし穴に落ちてしまう。姉 鈴子と弟 拓也の2人の兄弟愛、互いを思いあう気持ちが素晴らしい。同じ家に暮らしていた頃は姉をののしってばかりいた弟が本当は自分に甘えたいことを知っている姉、姉が家を出てから2人が交わす手紙、そのやりとりは鈴子の放浪と共に続いていく。
『ややこしい人間関係から逃げるため』 百万円貯まるたびに住処を変える鈴子。3つめの逗留先である地方都市で、最もややこしい人間関係の一つと言える
【恋愛】を見つけてしまいそれにハマりこむ鈴子。幸せな日々が続くがやがて鈴子は恋人の裏切りを知る。その地を去る日、裏切ったはずの恋人が実は…というラストも素晴らしい。
この地方都市、大宮っぽいなーと思っていたらエンドロールでやはり大宮だった。こうして見るといいところだなぁ。映画の設定ではもう少し東京から離れた地方都市、ということになってます。
2つめの逗留先の山村も良かった。村の人々の、排他的で責任を他所に押し付けようとする激しい悪意。素朴を装いながら村の外に対して激しいまでの怒りをぶつける村人の描き方にリアリティを感じましたね。
全編を通じ蒼井優の演技力、表現力が素晴らしい。細い身体ながら骨太な存在感。ピエール瀧、森山未来も必見。またこういう映画観たい。
評価:





(大満足。)
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