
日本アカデミー賞受賞凱旋公開!特別料金1000円!とあれば行くしかないでしょう。行ってみました。なかなかの盛況ぶりでした。
昭和30年代。こんなに
『昔』 を感じさせる風景ばかりだったのでしょうか?街並みも都内を走る都電も、歩いている人々の服が洋服でなければ大正時代のようです。そして何と言っても建設途中の東京タワーの圧倒的な存在感。CGでしょうが見事な存在感です。
『途中』 なんですもの。
原作マンガを長年(…15年)読んできた私から見ても、よく出来ているなぁと思います。設定を原作と微妙に変えているところも面白い。鈴木オートの鈴木さんは原作では温厚な人だし、従業員の六さんは男の人で妹さんとアパートで暮らしており、鈴木オートには通いで来てます。
茶川先生の駄菓子屋は鈴木オートの向かいじゃないし、茶川先生は原作では初老のおじいさんです。確かに少年雑誌向けに冒険小説も書いてますが、それだけでは食べていけないのでH系雑誌にH系小説も書いており、もちろんそのことは同居の淳之介くんには内緒。ペンネームももちろん違います、そのH系小説の原稿を届けに行く時の茶川先生の怪しい変装がやたらにおかしいし。
今回の映画では思わぬ配役で楽しめます、鈴木オートのすぐ 『キレる』 熱血社長に堤真一、まだ若くて恋もする茶川先生に吉岡秀隆、いつも 『いい人』 役の多い小日向文世が嫌味な役を演じているのも面白い。そして昭和30年代の子ども達を演じきった一平君、淳之介君の演技も見事です。
惜しむらくは、鈴木オートの奥さんの薬師丸ひろ子が少し上品すぎること、あとタバコ屋のオバちゃんのもたいまさこの活かしどころがあまりないところかな。自転車で疾走し、新しモノ好きでコーラを飲むオバちゃん、もっと出て欲しかったな。
とにかくセットがスゴイ。それだけでも一見の価値アリ、です。当時の風俗と流行、そして原作の様々なエピソードを上手く組み合わせた、見事な映画です。
評価:




(5つ満点)
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