不倫相手の生まれたばかりの子どもを衝動的に誘拐してしまった希和子。幼い命を育てることを決意した彼女はただひたすらに母となる道を歩み続ける。二人が引き離されるまでと、その後両親の元に戻った 『誘拐犯に育てられた子ども』 である恵理菜の邂逅により、それぞれの心を描き出す。原作 角田光代。
久々に連続ドラマを見ました、録画していたのを一気見ですけど。
原作は角田光代 『八日目の蝉』 。この本を読み涙した人は多いはず…と読了直後は思いましたが、どうも涙するのは子育てを経験した女性が多いようです。確かに偏りのある視点と言えなくもない。しかしながら子育てというのはそういう偏見に満ちているものなのですよ(なんちゃって)。
ということで本作。ドラマでは視点が一貫して誘拐犯である母、希和子で描かれているため、原作とは異なりどうしても希和子に感情移入してしまいますね。それが気にくわない、という意見も多数拝見しました。しかしいいんじゃないでしょうか、子育ては偏見に満ちているものですから(またかい)。
キャストについては、友人は岸谷五朗が泣ける~いい~と言っていましたが私は断然、坂井真紀です。坂井真紀は映画 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』 でも素晴らしい演技でした。女優として素晴らしいです。また、希和子がこんなに長い期間逃げ切れた理由として大きなものの1つ、エンジェルホームという怪しげな宗教団体の寄宿舎があるのですが、あの描き方もいいです、映像で見るとますます興味深いです。
来年は誘拐された子どもである恵理菜の視点で描かれた映画も公開されるそうで、そちらも楽しみです。
評価:(5つ満点)
八日目の蝉*角田光代 2008/03/27