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リトル・バイ・リトル*島本理生

img20050821.jpg高校を卒業したばかりの『私』は2度離婚した母と父親違いの小2の妹との3人暮らし。1つ年下のキックボクサーである少年と知り合った『私』は彼との距離を少しずつ縮めていく。複雑な環境ながらも心温まる家庭を基盤に、少年との交際が日常の中で進行する様子を静かに描いた作品。第128回芥川賞候補作。

表紙はユウちゃんかな。課題作家 島本理生。当たりました。
本作は彼女が19歳の時の作品で芥川賞候補となりました。大きな声じゃ言えないですが今年の受賞2作品より良かったとも言える作品です。私の好みですね。

あとがきで島本氏は 『生きるために必要な【明るさ】を書きたかった』 と書いています。本作はその明るさを前面に出すことができた作品と思うのです。

主人公ふみを巡る環境は決して楽観できるものではなく、大学受験目前に2度目の離婚をした母と家計を助けるためにふみは受験を先送りしアルバイトと家事の日々に入ります。それでもあまり気にしていない様子のふみと能天気な母。そして愛らしい妹ユウちゃん。3人の日常が綴られているのですが、ここがいいと思うのです。

評価:(5つ満点)

本来高校生位の十代の女の子はどんなに背伸びをしてもその生活の基盤はやはり家庭にあると思うのです。家庭の有り様でその少女の生活スタイルや価値観が大幅に決まると思います。だからその生活基盤である家庭の記述がほとんどない小説に私は違和感(虚構)を感じるのだと思います。

本作ではふみの毎日の生活がきちんと描かれています。アルバイトをし家事をし時々習字の先生の所へ通う日々。時々思い出す実父との日々、義父との日々。その合間に友達以上恋人未満の周と会う回数が増えて来る。本当にまっすぐな周の性格も嫌味がなく、周の友人や風変わりな姉との関わりも効果的に書かれています。

困難な状況にあろうとも、母もふみもユウちゃんも明るい。19歳の希望に溢れた小説です。すぐ読めますのでぜひご一読を。

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