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国際子ども図書館

kodomolib01.jpgわが国初の国立の児童書専門図書館
国際子ども図書館は内外の児童書とその関連資料に関する図書館サービスを国際的な連携の下に行う児童書のナショナルセンターです。2000年1月1日に国立国会図書館の支部図書館として設立され、同年5月5日に部分開館し2002年5月5日に全面開館しました。1906年に創建された帝国図書館の建物を再生し利用しています。 『子どもの本は世界をつなぎ、未来を拓く』 という理念に基づき、子どもの読書環境・情報提供環境の整備のための活動を行っています。(国際子ども図書館パンフレットより)

開館2002年より6年も経ってしまった。ようやくずっと行きたいと思っていた国際子ども図書館へ行って来ました。国会図書館の分館である本図書館は、日本初の児童書専門図書館とのこと。その蔵書はもちろん国会図書館蔵ですから間違いなくわが国最大の蔵書数を誇るはずです。

真夏の上野公園を国立博物館方面へ歩き、左手の芸大方面へ歩くと隣に見えてきます。明治39年に帝国図書館として建設、その後昭和4年に増設された歴史的建造物でもある本館。その芸術性にも圧倒されます(写真左上) 。こんな古い建物をどうやって使っているのか…と思いきや、古い建造物に沿って新しい部分を増設、そこにエレベーターや空調管理バッチリの書庫を備えたというわけです(写真左中) 。古い建物の雰囲気を壊さず必要な設備を増設する。日本の技術バンザイです。

国会図書館という性格上、児童書専門とはいえ利用対象者はやはり大人がメインなのか、と思ってしまうのが【子どものへや】児童閲覧室の狭さ(写真左下) 。狭いスペースを目一杯使おうとしている努力はよく伝わってくるのですが、いかんせん書架と書架の間が狭すぎて大人が通り抜けるのがやっと。開架冊数もざっと見て一般の市立図書館の児童書コーナーよりやや少ない、という雰囲気です。残念ながら子どもが調べ学習などをするには開架が足りない、というレベルです。

しかしこれは仕方がないことなのかも。というのもまずこの建物自体が歴史的建造物、つまり文化遺産であるため勝手に改装できないこと。1階の部屋はいずれも狭いこと。3階の部屋は広くて閲覧室として最適だが、利用者である子ども達にとって3階まで毎回上がるのは煩わしいこと。などが、1階のこの部屋を児童閲覧室にした理由なのでしょう。せめて隣の小部屋を【世界を知るへや】として世界の地理、歴史、民俗をテーマにした資料を開架している、というだけでも評価できるのではないでしょうか。

国際子ども図書館ホームページ

2階以上は完全に大人の利用者のための閲覧室です。第一資料室は日本とアジア諸国で刊行された児童書、第二資料室はアジア諸国を除く外国で刊行された児童書の閲覧室で、いずれも18歳以上のみ閲覧可能です。初めての利用の場合はいずれかの部屋で利用者カードを作ります。身分証明書などは求められません、あっさり発行されます。そのカードを閲覧室入口の司書さんに預け、番号札をもらいそれを胸に付けて閲覧します。初めてだと言うと司書さんが一通り書架の中身を説明してくれました。アフリカ諸国の絵本など、見たこともない文字の絵本もたくさんあり、興味を誘います。日本人作家の絵本で外国で発行されたものも一堂に並んでいました、 『おふろだいすき』 (松岡享子 作、林明子 絵)がたくさんありました、韓国語中国語アラビア語ヘブライ語みたいなの??実に興味深いです。

といつまでも見ていたかったのですが、早速リファレンスです。リファレンス(問い合わせ業務)はいずれの資料室にいる司書さんも気軽に応じてくれます。
私はこの頃ストーリーテリングで出会う 『髪・長い髪』 に関するお話、絵本を収集し始めました。どうも古今東西、人の【髪】に関する思い入れは強いようなのです。 『ラプンツェル』 から始まり現代の絵本 『まあちゃんのながいかみ』 (たかどのほうこ 作絵)まで、人はなぜ髪、長い髪に惹かれるのか?

というような話をしたら…みるみる辞典を引き色々出してくれました。グリムなどの昔話の辞典にはドイツ語のもありますけど、と言われドイツ語はちょっと…読めません。ということで英語の辞典の部分をコピーしてもらいました。日本語の辞典ならともかくこうした英語の辞典にはなかなか行き着きません、やはり来て良かった聞いて良かったリファレンス。OPAC(オンライン検索システム)も一緒に教えてもらい、もうバッチリ?こうして見ても私が思っていた以上にはお話、絵本は見つかりませんでした。第二資料室の司書さんがかなり熱心に探してくれて、その後第一資料室にいた私を追いかけてきてまた追加の情報を教えてくれたり。司書魂も同時に見て非常に気分が良くなりました、やはりプロの仕事ぶりを拝見するのほど心地よいことはございません。

3階は【本のミュージアム】として資料展示室です。ここは天井も高く広い部屋で、ここが児童閲覧室であれば最適なのに、と思うのですがやはり3階という立地条件がNGなのでしょう。しかし国会図書館では蔵書は同時に博物館的資料でもあるわけですので、こうした展示室があることは必要であり望ましいと言えます。今回は 『チェコへの扉』 チェコとスロヴァキアの児童書が展示されていました。企画展は年2回ほどあるようです。

kodomolib02.jpg駆け足で見てリファレンスもしてもらって、1階カフェテリアでお昼です。残念ながらここは充実していない…仕方ないのかもしれませんがもう少し、ここにも魅力があれば完璧でございます。ほとんどが資料検索に来る大人の利用者であることを考えていただけば、カフェテリアの内容ももう少し工夫できるのでは?どうでしょう。などと考えているうちに図書館ツアーの時間になりました。

国際子ども図書館ホームページによると、大人向けツアーが火・木午後に設定されています。ちょうど火曜日、こりゃ行くしかないでしょう。しっかり事前電話申込みをしておきました。ツアーは20名ほどぞろぞろと、館内を説明してもらいながら歩きます。およそ1時間です。1階子どものへやから始まり世界を知るへや、階段(写真右)を上り2階の第一、第二資料室を見て書庫へ行きます。ツアーでなければ見られないのは書庫、ということで書庫を見たい方はぜひツアーへ。書庫は省スペースのため6階層になっています。1階分しか見ませんでしたが案外狭いです。ここに国会図書館蔵書の児童関連書が全部あるわけ?とちょっとビックリ。こんなに狭くちゃすぐいっぱいになるのでは…と心配していたら書庫で質問タイムになり早速同じ疑問を質問された方がいました。

帝国図書館時代から増設の予定があったそうで、図書館裏の芸大側の土地が空いているそうです。そこに 『予算がつけば』 増設をする予定となっているとか。しかし今はどこも厳しい台所事情ですのでどうなるかは…だそうですが。児童閲覧室も広くして欲しいけどなぁ。こんな狭い児童閲覧室でも子ども達はたくさん本を楽しんでいます。そして司書さん達が子ども達のリクエストに応じていつでもすぐに読み聞かせをしてくれているのです、これは素晴らしい。図書館として司書のあるべき姿です!司書が利用者(子ども達)の読み聞かせの希望に応じる、これより優先すべき司書の仕事があるでしょうか?優先すべきを優先している、ここのプロフェッショナルぶりにますます満足です。

お話会、小さい子どものためのわらべうたの会もやっているそうです。大人向けのツアーではありませんが子ども向けツアーではお話会をプログラムに組んでいるそうです、私も聞きたいわ。駆け足で3時間ほどいましたが、全然時間は足りません。ぜひ1日計画で来館されることをお勧めします、その際は調べることをリストアップと、絶版になった絵本のリストアップをお忘れなく。私もしっかり絶版絵本を見てきました。コピーは著作権保護により内容の半分しかできませんので厳選してコピーしてくださいね。

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誕生日:
1972/02/16
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