2階以上は完全に大人の利用者のための閲覧室です。第一資料室は日本とアジア諸国で刊行された児童書、第二資料室はアジア諸国を除く外国で刊行された児童書の閲覧室で、いずれも18歳以上のみ閲覧可能です。初めての利用の場合はいずれかの部屋で利用者カードを作ります。身分証明書などは求められません、あっさり発行されます。そのカードを閲覧室入口の司書さんに預け、番号札をもらいそれを胸に付けて閲覧します。初めてだと言うと司書さんが一通り書架の中身を説明してくれました。アフリカ諸国の絵本など、見たこともない文字の絵本もたくさんあり、興味を誘います。日本人作家の絵本で外国で発行されたものも一堂に並んでいました、 『おふろだいすき』 (松岡享子 作、林明子 絵)がたくさんありました、韓国語中国語アラビア語ヘブライ語みたいなの??実に興味深いです。
といつまでも見ていたかったのですが、早速リファレンスです。リファレンス(問い合わせ業務)はいずれの資料室にいる司書さんも気軽に応じてくれます。
私はこの頃ストーリーテリングで出会う 『髪・長い髪』 に関するお話、絵本を収集し始めました。どうも古今東西、人の【髪】に関する思い入れは強いようなのです。 『ラプンツェル』 から始まり現代の絵本 『まあちゃんのながいかみ』 (たかどのほうこ 作絵)まで、人はなぜ髪、長い髪に惹かれるのか?
というような話をしたら…みるみる辞典を引き色々出してくれました。グリムなどの昔話の辞典にはドイツ語のもありますけど、と言われドイツ語はちょっと…読めません。ということで英語の辞典の部分をコピーしてもらいました。日本語の辞典ならともかくこうした英語の辞典にはなかなか行き着きません、やはり来て良かった聞いて良かったリファレンス。OPAC(オンライン検索システム)も一緒に教えてもらい、もうバッチリ?こうして見ても私が思っていた以上にはお話、絵本は見つかりませんでした。第二資料室の司書さんがかなり熱心に探してくれて、その後第一資料室にいた私を追いかけてきてまた追加の情報を教えてくれたり。司書魂も同時に見て非常に気分が良くなりました、やはりプロの仕事ぶりを拝見するのほど心地よいことはございません。
3階は【本のミュージアム】として資料展示室です。ここは天井も高く広い部屋で、ここが児童閲覧室であれば最適なのに、と思うのですがやはり3階という立地条件がNGなのでしょう。しかし国会図書館では蔵書は同時に博物館的資料でもあるわけですので、こうした展示室があることは必要であり望ましいと言えます。今回は 『チェコへの扉』 チェコとスロヴァキアの児童書が展示されていました。企画展は年2回ほどあるようです。
駆け足で見てリファレンスもしてもらって、1階カフェテリアでお昼です。残念ながらここは充実していない…仕方ないのかもしれませんがもう少し、ここにも魅力があれば完璧でございます。ほとんどが資料検索に来る大人の利用者であることを考えていただけば、カフェテリアの内容ももう少し工夫できるのでは?どうでしょう。などと考えているうちに図書館ツアーの時間になりました。
国際子ども図書館ホームページによると、大人向けツアーが火・木午後に設定されています。ちょうど火曜日、こりゃ行くしかないでしょう。しっかり事前電話申込みをしておきました。ツアーは20名ほどぞろぞろと、館内を説明してもらいながら歩きます。およそ1時間です。1階子どものへやから始まり世界を知るへや、階段(写真右)を上り2階の第一、第二資料室を見て書庫へ行きます。ツアーでなければ見られないのは書庫、ということで書庫を見たい方はぜひツアーへ。書庫は省スペースのため6階層になっています。1階分しか見ませんでしたが案外狭いです。ここに国会図書館蔵書の児童関連書が全部あるわけ?とちょっとビックリ。こんなに狭くちゃすぐいっぱいになるのでは…と心配していたら書庫で質問タイムになり早速同じ疑問を質問された方がいました。
帝国図書館時代から増設の予定があったそうで、図書館裏の芸大側の土地が空いているそうです。そこに 『予算がつけば』 増設をする予定となっているとか。しかし今はどこも厳しい台所事情ですのでどうなるかは…だそうですが。児童閲覧室も広くして欲しいけどなぁ。こんな狭い児童閲覧室でも子ども達はたくさん本を楽しんでいます。そして司書さん達が子ども達のリクエストに応じていつでもすぐに読み聞かせをしてくれているのです、これは素晴らしい。図書館として司書のあるべき姿です!司書が利用者(子ども達)の読み聞かせの希望に応じる、これより優先すべき司書の仕事があるでしょうか?優先すべきを優先している、ここのプロフェッショナルぶりにますます満足です。
お話会、小さい子どものためのわらべうたの会もやっているそうです。大人向けのツアーではありませんが子ども向けツアーではお話会をプログラムに組んでいるそうです、私も聞きたいわ。駆け足で3時間ほどいましたが、全然時間は足りません。ぜひ1日計画で来館されることをお勧めします、その際は調べることをリストアップと、絶版になった絵本のリストアップをお忘れなく。私もしっかり絶版絵本を見てきました。コピーは著作権保護により内容の半分しかできませんので厳選してコピーしてくださいね。