このおはなしを最初に選んだきっかけ。
メンバーが例会のおはなし実習で披露してくれ、私も覚えたい、と思ったのも理由ですが、第1王子が小さい頃この絵本が大好きだったのです。私自身はこの本の魅力がそれほど分からなかったのですが第1王子に頼まれて何度も何度も読みました。彼の心に響くものがあったのでしょう。
それで良く知っているし覚えやすいかなと…しかしそれとおはなしを覚えて自分のものにする、というのは別問題でした…初めてということでかなり苦労して覚えた、思い出のおはなしとなりました。
更に練習中は3回も!メンバーの前で披露させてもらったのですが(みなさん本当に何度も聞いてもらってスミマセン)、その時このおはなしに対して私がすごく誤解していたことが分かったのです。
私は、からす達が
『じゃ、中へ入れることはできんなあ。おまえ、おれのなかまじゃないからなあ。』
という箇所は意地悪で言っているのだとずっと思っていたのですが、そうではなかった!
メンバーの指摘によれば、からす達がこすずめの休ませて欲しい、という申し出を断ったのは決して意地悪からではなく 『仲間ではない』 つまり 『同じ種ではない』 という自然界の法則によるもので、むしろからす達は仲間ではないので自分の巣には入れてあげられなくて気の毒である、ということを言っているのだそうです。
これは、かなり目からウロコでした。
『AKMさんのからす達、意地悪に聞こえてたけどそういう風に解釈してたからなんだねぇ』
とみんなに言われて、すごくたくさん気付きがありました。
おはなしを覚えるのは決して 【丸暗記】 ではなく、 【おはなしを自分の中に取り込む】 ことです。
そして自分も語る場において、聞き手となる子ども達と 【一緒に楽しむ】 こと。それが一番の目的です。
だから子ども達との解釈の違いが大きすぎてはいけないし、私が語ることで私の間違った解釈を押し付けてはいけないのです。もちろん物語の解釈は人それぞれなので私が感じた通りに話すのも1つの表現でいいとは思うのですが、それはもっともっとたくさんおはなしを語れるようになって経験を積んでから、できることではないでしょうか。
初めてのおはなし、ストーリーテリング。まだまだ始まったばかりです。