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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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戦争童話集*野坂昭如

sensou.jpg8月15日をテーマに野坂昭如が描く戦争にまつわる童話集。童話の形を通して戦争を捉え、平和を考える。
(野坂昭如)のさかあきゆき。1930年神奈川県生まれ。作家、歌手、作詞家、タレント、政治家。CMソングの作詞家などを経て作家に。『火垂るの墓』 『アメリカひじき』 の2作で直木賞、『同心円』 で吉川英治文学賞受賞。著書多数。
(収録作品)小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話/青いオウムと瘦せた男の子の話/干からびた象と象使いの話/凧になったお母さん/年老いた雌狼と女の子の話/赤とんぼと、あぶら虫/ソルジャーズ・ファミリー/ぼくの防空壕/八月の風船/馬と兵士/捕虜と女の子/焼跡の、お菓子の木


読書会8月テーマ本。正直なところ私ならぜったい手に取らない一冊。貴重な読書体験でした。野坂昭如は 『火垂るの墓』 の原作者ですね。今回この本を読んだことで知りました。この方は経歴もさることながら骨太な生き方を貫いてます。

戦争、という狂気に巻き込まれる市井の人々、特に子ども達に焦点を合わせています。8/15という全てから解放された日にもたらされる、戦争という無常観。読むのが辛かったです。 『八月の風船』 『焼け跡のお菓子の木』 が良かったかな。でも全般にきつくて、しんどかったとしか言えません。

評価:(5つ満点)
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カヌー川下り

canue01.jpg屈斜路湖から釧路川へ
夏休みレポート第三弾は、ワガママを言って観光客気分のカヌー川下りをさせてもらいました。本当は一人5000円のところを父が無理言って(!)二人で5000円にしてもらったそうです…ガイドのお兄さん本当にすみません。

しかしこれは本当に楽しかったです!1時間があっという間でした。カヌーってこんなに楽しいのか。と新たな発見でした。

canue34.jpg屈斜路湖から出発。もちろんライフジャケット着込んでます。ガイドさんは 『今まで落ちた人はいませんから、もし落ちたら第一号として写真を撮りますよ』 と言って安心させてくれましたが、第2王子は最後まで第一号になったらどうしようと思っていたそうです。

釧路川は屈斜路湖近くは非常に浅く、すごく透き通ってます。清水にしか自生しないクレソンがたくさん川底に生え、光合成によってあぶくがブクブクしてました。小さなお魚がいます、見えますか?

 canue15.jpg清流に住む青いザリガニを発見!絶対捕まえろ、というガイドの兄さんの命令に背けず、必死にタモをたぐる第2王子。ここは本物のジャングルクルーズです。ここを体験しちゃうとちょっとTDLじゃ物足りないです。

釧路川はこのまま川幅を広げ、釧路湿原まで続きます。大学生らしき3人組とガイドのオジさんが私達をあっという間に追い越して行きました。ビバークしながら3日間かけて釧路まで行くそうです。

 疲れ切った第2王子と満足の私。また乗ろうね!ガイドのお兄さんありがとうございました。次回はあんまり値切りせずに乗りますのでまたお願いします。
 

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ヒュウガ・ウィルス*村上龍

hyuga.jpgアンダーグラウンド/UGの取材を切望していたCNN記者コウリーはUG細菌戦特殊部隊への同行を求められる機会を得た。彼らの目的は九州にある超高級リゾート、ビッグ・バン付近の村で発生した奇妙な殺人ウィルス、ヒュウガ・ウィルスの発生源を壊滅させる任務だった。報道記者としてUGのゲリラ兵士と行動を共にするコウリーだったが。 『五分後の世界』 続編。
(村上龍)1952年長崎県生まれ。武蔵野美術大学中退。 『限りなく透明に近いブルー』 で群像新人賞、芥川賞、『コインロッカー・ベイビーズ』 で野間文芸新人賞、 『村上龍映画小説集』 で平林たい子文学賞、『インザ・ミソスープ』 で読売文学賞小説賞、『共生虫』 で谷崎潤一郎賞受賞。主な著書に 『69 sixty nine』 『ラッフルズホテル』  『トパーズ』 『半島を出よ』 『歌うクジラ』 など。


そして五分後の世界の続編です。私はこっちが好きですね、更に巧くできています。普通続編はつまらないものですが、村上氏は本当にスゴイです。視点を今度はアメリカのジャーナリストとしたのがいいですね、現代に生きる私達の視点にすごく近いです。

アメリカCNNの記者コウリーは好奇心からUG(アンダーグラウンド:日本政府を指す)の兵士らのミッションを同行取材することとなる。このアメリカ側が使用するUGという呼称、もちろん国連軍UNのもじりですね。UN対UG。そしてUN側であるコウリーを利用しようとするUG側。コウリーから見たUG兵士達の凄まじさがまた、リアルです。

UG兵士は…トロッコ列車で移動中15分あれば必ず眠る。脳を休めることが兵士の必須条件。私も見習って15分あれば眠ることにします(笑)。彼らの敵に対する容赦のない攻撃手法、まさに殺戮のプロ。しかし、UG(地下)に暮らす彼らは飛行機は飛ばせないという!何とかしてパイロットを調達して飛行機に乗るのですが、この辺の描写も井の中の蛙だと表現したいのか。

ラストまで次から次へと訪れる危機、展開は最後の最後まで驚かされます。人間、極限状態に生きているとこうなるという村上氏の想像力がとにかくすごいです。これぞ、作家です。夏休みにふさわしい、刺激的な読書体験でした。a-tanaさん、貸してくれてありがとう。

評価:(UGと見るとビクッとします)

ノロッコ号

norokko01.jpg釧路発ノロッコ号
夏休みレポート第二弾。釧路に遊びに行き、釧路駅から塘路(とうろ)駅まで、釧網線で走っている観光列車ノロッコ号に乗ることになりました。父は車の移動、母と第2王子と私の3人で乗車です。

第2王子ブログ用に目を隠す?

ノロッコ号はディーゼル車です。というか釧網線はディーゼル車かな?もちろん単線です。窓がなく、外が大きく見渡せます。ディズニーランドの汽車ぽっぽみたいな感じです。風が結構吹いてきて涼しく、夏じゃないともちろん楽しめません。

釧路駅を発車し、列車はしばらく釧路湿原を走ります。湿原はほんっとうに何もないです、遠くに水門が見えます。釧路湿原駅に着くと結構の人が降りました。展望台があるそうです。

釧路川が並行して流れており、カヌー下りの人達がいました。私達もカヌーに乗るぞ。列車は塘路駅にあっという間に着きました。結構人が乗っていたんだな。

観光列車に乗るなんて、観光客気分も楽しいです。
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五分後の世界*村上龍

gofungo.jpg箱根でジョギングをしていたはずの小田桐はふと気がつくとどこだか解らない場所を集団で行進していた。そこは5分のずれで現れた 『もう一つの日本』 だった。 『もう一つの日本』 は地下に建設され人口はたった26万人に激減していたが、民族の誇りを失わず駐留している連合国軍を相手に第二次世界大戦終結後もゲリラ戦を繰り広げていたのだ。
(村上龍)1952年長崎県生まれ。武蔵野美術大学中退。 『限りなく透明に近いブルー』 で群像新人賞、芥川賞、『コインロッカー・ベイビーズ』 で野間文芸新人賞、 『村上龍映画小説集』 で平林たい子文学賞、『インザ・ミソスープ』 で読売文学賞小説賞、『共生虫』 で谷崎潤一郎賞受賞。主な著書に 『69 sixty nine』 『ラッフルズホテル』  『トパーズ』 『半島を出よ』 『歌うクジラ』 など。


村上龍 『歌うクジラ』 読んだ? 『半島を出よ』 は強烈だったよね、という話をしていて、本作は読んだ?と聞かれ、まだ。と言ったら是非読んでね。と貸していただきました、ありがとうございます。
97年村上氏に自身の最高傑作と言わしめた本作。強烈なんてもんじゃなく、激烈でした

あらすじにある通り。現代を生きていた小田桐はある日突然 『もう一つの日本』 に飛ばされます。パラレルワールドです。そこではまだ第2次大戦が続いていて、日本は国土のほとんどに原爆を落とされ居住地を地下に移動し、文字通りアンダーグラウンド生活をしていた。そこに活動するゲリラ兵士達は誠に優秀で、携帯型端末(iPad状)を駆使し、国連軍相手にあちこちでゲリラ奇襲攻撃を仕掛け、世界のゲリラから尊敬される立場にあった。もうここまでで相当背筋が寒くなってきますね。日本軍兵士はキューバ革命などにも助っ人で登場、兵力・兵法の輸出をしております。ここまで書いちゃって村上さんだいじょうぶう…といういつものセリフを吐く私。

この恐ろしい世界を、現代に生きていた小田桐の視点で描いたところがまず巧いです。彼から見るアンダーグラウンドの異常さ、彼ら兵士の持つ 『民族の誇りと信念』 の恐ろしさ、極端なまでのナショナリズム。毎回言いますが村上氏の綿密な設定には本当に感嘆させられます、戦争が続いていればこの世界が 『有り得る未来』 だったかもしれないのです。

そして、絶対に行きたくない(生きたくない)世界でもあります。その世界に迷い込んでしまった小田桐、壮絶な戦闘に幾度も巻き込まれ、ラスト彼の採った選択は。小田桐のアンダーグラウンドにおける未来が気になります。最近平和ボケしているな、と思った方にオススメ。世界のどこかでは私達の目や耳に届かないだけで、アンダーグラウンドが存在しているのかもしれません。

評価:(強烈!)

ドラえもんわくわくスカイパーク

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ドラえもんのひみつ道具をテーマに各種アトラクションを体験できるゾーン、ドラえもん関連グッズのショップやカフェ、ドラえもんのコミックや関連書籍を自由に閲覧できるライブラリー、ワークショップ、フリー遊具ゾーンから成る新千歳空港内のテーマパーク。2011年7月オープン。

両親は北海道の片田舎(すみません)に住んでおり、そこへ行くのは実に遠いので毎年はとても行けません。3年前(と思い込んでいた)行ったときは2王子を連れてH市から苫小牧市までフェリー、その後電車で札幌 丘珠空港まで移動、飛行機で釧路空港まで、という長丁場をやり過ごし、大荷物を抱え、荷物係の第1王子がいなかったらとてもたどり着けませんでした。今年は第2王子と二人旅、荷物移動もさることながらあのフェリーの揺れの恐怖に耐えられない私は一番楽な方法、空路のみを選びました。費用が一番かかりますがね…。

で、ずっと3年前と思っていたのですが第2王子は2年前に来たと言います。いや違うよ、第2王子の勘違いだよと言っても絶対ぼくは1年生の時だった。と言い張る第2王子。ホント頑固だよね、ママが3年前って言ってんだから3年前じゃないの。とずっと旅行中思っていたのですが…帰ってきて写真を整理していたら、前回の北海道行きの写真は 【2年前の2009年のフォルダ】 に収まっておりました!…いかに、人の話を聞かないか、私の頑迷ぶりが分かりますね。ホント大丈夫か私…2年前かどうかももはや分からず。

という長い前置きはさておき、新千歳空港経由です。同空港は7月に大幅リニューアルを果たし、ショッピングモールも拡大!買い物意欲満々の私、このドラえもんパークも親子で楽しみにしておりました。テーマパーク!というとすわTDLか、という気がしますが、そんな大掛かりな物じゃなかったです(笑)。デパートの中の催事場みたいな雰囲気でした。入場料を払いその上スタンプラリー帳(500円)まで買わされ商売上手。あちこちに撮影スポットがあり、トリックアート展みたいな感じでした。
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ネズミに食べられたりとりよせバッグされたり。うっかり飛行機に乗り遅れても責任は負いません』 という趣旨の言葉が書いてありました。フライトのご案内はしてもらえませんのでお次のフライトがある方はご注意。オープンしたてということで入場制限があり、久々に行列に並びました。やっぱり札幌は都会だな。ロイズチョコレートやぬいぐるみのシュタイフのエリアもあり、全部見ていくとヘトヘトになりそうです。お土産も必死になり購入し、早くも旅の疲れ(笑)。欲張りすぎないようご注意。
 

ドラゴン桜*三田紀房

doragon.jpg元暴走族の駆出し弁護士 桜木建二は経営破綻状態となった落ちこぼれ高校、私立龍山高等学校の経営改善のため進学実績それも東大の合格者数を上げることを提案する。東大合格のための特進クラスを開設し受験指導に大きな実績を上げつつも様々な事情で表舞台から消えていた個性溢れる教師を集めるが。講談社 『モーニング』 連載(2003~2007)を単行本化、全21巻。講談社漫画賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
(三田紀房)1958年岩手県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。主な作品に 『クロカン』  『マネーの拳』  『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』  など。


夏休みに入った7月のある夕方、家の電話が鳴りました。 『HR中学校のI谷です』 おおIやん(とうちでは呼んでいた)。 『第1王子の母です』 と言うとIやん、『はい、知ってます。』  何言っとんじゃーと爆笑しそうになりつつも、卒業した第1王子に一体何のご用事ですか、また長渕剛のピアノセッションの依頼か、と思っていたら。

『おかあさん、ドラゴン桜もう読んじゃいましたか?夏休みに入ったから貸せるんですけど。』

評価:(だんだんと画もうまくなるのが面白いです)

刑事のまなざし*薬丸岳

manazasi.jpg事件の解決に挑む一人の刑事。彼には最愛の娘を奪われた過去があった。天職とも言える仕事を捨ててまで彼が刑事の道を選んだ理由は。刑事 夏目の姿を犯人らの視点から描く。『小説現代』 掲載に書き下ろしを加えて単行本化。
(薬丸岳)1969年兵庫県生まれ。駒沢大学高等学校卒業。 『天使のナイフ』 で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。著書に 『闇の底』 『虚無』 『悪党』 。
(収録作品)オムライス/黒い履歴/ハートレス/傷痕/プライド/休日/刑事のまなざし


相変わらず見事な薬丸岳の連作短編集。各章で主人公を変えながら刑事 夏目の姿を見事に描き出しています。見た目温厚で刑事にはとても見えない夏目、彼の前職が少年刑務所の矯正指導官であったこと、そしてなぜその天職とも言える仕事を捨てて彼が刑事になったのか。彼を変えた事件とその事件の犯人までも主人公に据えた最終章は、ホントに見事としか言いようがありません。

夏目のように、犯人を憎むことではなく理解し、そして赦そうと思えるようになるまでにはどうすればいいのでしょうか。薬丸岳の凄さは、決して夏目が特別な人間ではなく私達一人ひとりも同じように考えて行かなくてはいけないのだ、ということを小説という形で訴えることができることだと、いつも思います。

いつも、読み終わった後心にズシンと響きながらも、清々しさを感じさせてくれます。必読です。

評価:(やっぱり満点)
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今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
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車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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