忍者ブログ

DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

我が家の問題*奥田英朗

wagaya.jpg完璧すぎる妻のせいで帰宅拒否症になった夫。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。『小説すばる』 掲載を単行本化。
(奥田英朗)1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て作家に。『邪魔』 で大藪春彦賞、『空中ブランコ』 で第131回直木賞、『家日和』 で柴田錬三郎賞、『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。主な著書に 『イン・ザ・プール』 『ガール』 『サウスバウンド』  など。
(収録作品)甘い生活/ハズバンド/絵里のエイプリル/夫とUFO/里帰り/妻とマラソン


コンセプトとして 『家日和』 続編だそうです。フツーの家族のフツーの問題、決して楽観的な答えが待っているわけでもなく実に現実的な展開が待っています。あまりに現実的すぎて正直おもしろくない。

両親の離婚に悩む高校生、夫の精神不安定に悩む妻。誰もが悩んでいるのですが答えは自分で見つけるしかないこと。どれもそういうラストで終わるわけですが、奥田英朗の毒のある小説が好きな私としては、物足りないです。

評価:(5つ満点)

奥田英朗 『家日和』  2008/02/04
PR

大人のためのおはなし会

otona.pngふだん子ども達にしているお話を大人の方に楽しんでいただく会です
私達ストーリーテリングの会KFでは、今年初めて 『大人のためのおはなし会』 を開催しました。普段は図書館や小学校、保育園で行っているお話を、広く大人の方にも知っていただき楽しんでいただくのが目的です。ストーリーテリングって何?こういうことなんだ!という方がお一人でも増えてくださり、更には私もやってみようかな…という方が来てくれないかと!という思いで開催しました。

図書館の集会室でやれたら一番良かったのですが、図書館は飲食厳禁なので第一部と第二部の間の休憩時間にお茶が出せないんです。長丁場だしお客さんにお茶を一杯出したい、という思いから、図書館隣の公民館をお借りすることになりました。

公民館を借りに行ったとき、色々と会の沿革やら活動内容やらを詳しく聞かれて、もしや怪しまれているのか私達?と一緒に行った代表と密かに青くなっていたら、そうではなく私達の活動が公共の役に立っているということがよく分かったので、使用料は減免(無料)にします、とのお話でした。なんだ良かった(笑)。でも公民館は 『使ったものは必ず元通りに戻す!』 ということを50ぺんくらい言われて(ウソ)、私は最初の状態をデジカメに撮りましたよ、もう。イスの積み上げ方とか机の積み上げ方とか!これで大丈夫だろう。

そんな裏事情はさておき、当日までポスターを作って市内の図書館3館と近郊の1館に貼ってもらったり、一緒に小さなチラシを置かせてもらったり、コミュニティセンターや公民館にも貼らせてもらったり、これまでになく広報活動頑張りました。こんなにチラシ配って果たして本当にお客さん来るわけ…と思いつつも、メンバーもみんなお友達やお知り合いにたくさんチラシと共に声がけした結果。

なんと、当日お客さん50名近く入りました!うれしーい♪もしかしてふたを開けてもやっぱり20人くらいじゃ…と密かに思っていた私は、本当に嬉しかったです。

かつてH市で一緒にお話を勉強していた先輩方、お引っ越しされて札幌、盛岡、埼玉と分かれた方々が3人来てくださいました。レベルの高い本物のお話を皆さんに届けられたこと、本当に良かったです。1時間ずつの第一部と第二部という設定だったので、途中の休憩で帰る方が多いかもしれない、と思っていたのですがほとんどの方がそのまま残ってくださいました。短い休憩時間にお茶とチョコレートを出せたのも良かったです。

聞きに来てくれた私の小学校の読み聞かせ仲間でもある友人の皆さんも、とても喜んでくださいました。特にいただいた3つの感想に、会員一同感動してしまいました。

大人のためにわざわざプログラムを組んでくれたの?
とても楽しく、時間があっという間に過ぎた。
苦労して覚えているという感じが全くしないお話だった。


この最後の 『苦労して覚えている』 にも関わらず、それを感じさせない素晴らしい語り手、という私の先輩方!その様子を見せる(聴かせる)ことができて、本当に良かったです。私はほら、毎回非常に苦労して覚えているもんだから…。それを語り手に見せちゃダメなんですよ!

今回は大人が聴いても楽しめるように、プログラムもみんなが語りたいお話を提出した後、プログラム担当がとても頑張ってくれました。音楽の演奏と同じく、お話のプログラム作成もやはり技術が必要なんです。私にはとても…。でも一人で行くおはなし会にはお話と絵本の組合せ、プログラムを組めなきゃなりません。今回は大人が対象、ということでみんないつも以上に緊張しましたが、出てくださった3人のゲストの方々も、初めてのお客さんばかりなのに皆さんお話に対してとても温かいお気持ちで接してくださり、本当に語りやすかった、よいおはなし会だったと絶賛していただきました。

本当に、お客さんあってのおはなし会なんだと実感できた一日でした。私も成長したとみんなに褒められ、褒められるくらいだから実にまだまだ初心者なのですが、それでも褒められてとても嬉しい一日でした。お話、が大人の方の心にも確実に届くことを、みんなで実感した一日でした。おいでいただいた皆様、本当にありがとうございました。遠方の皆さん、そのうち私のおはなし会も聴いてくださいね。

人質の朗読会*小川洋子

hitojiti.jpg外国の治安が不安定なある国でテロ組織に人質とされた日本人観光客らが、それぞれの人生を物語として語り始めた。その物語が語り尽くされたとき彼らの運命は。『中央公論』 掲載を単行本化。
(小川洋子)1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 『揚羽蝶が壊れる時』 で海燕新人文学賞、『妊娠カレンダー』 で芥川賞、『博士の愛した数式』 で読売文学賞、本屋大賞、『ミーナの行進』 で谷崎潤一郎賞を受賞。主な著書に 『ブラフマンの埋葬』 『薬指の標本』 など。
(収録作品)杖/やまびこビスケット/B談話室/冬眠中のヤマネ/コンソメスープ名人 /槍投げの青年/死んだおばあさん/花束/ハキリアリ


ただの変わった話を集めた奇譚集だったら、読もうという気にはならなかったかも。千夜一夜物語のように、それぞれの物語に大枠を作るだけでこんなに個々の物語が魅力的になるとは。とある紛争地帯でテロ組織の人質となった日本人観光客8人。彼らが1話ずつ自分の人生を語り始めた。

短編は9編入っているのですが、最後は人質達を見守っていた軍部の人の物語、という設定になってます。私が好きなのはそれを含む 『B談話室』 『死んだおばあさん』 『ハキリアリ』 ですね。

物語を語ることとはすなわち、生きることである。というメッセージだと感じました。想定も爽やかです。この装丁の人、今流行ってますね。

評価:(5つ満点)

うさぎドロップ

usagi.jpg亡き祖父の隠し子である6歳の女の子りんを育てることになってしまった27歳独身のダイキチ。保育園探しから始まり、多忙を極めた営業部の仕事も配置換えを申し出ることになる。それでもりんとの毎日を選んだダイキチ、2人の間には徐々にかけがえのない絆が育まれていく。そんな中りんが保育園から失踪する事件が起こる。

松ケンとマナちゃんは存在感アリアリでそれはよかったのですが、いかんせんストーリーに工夫がなさすぎ、あまりに単純な展開で面白くありませんでした…。様々な育児の困難はダイキチの頑張りひとつで片付けているし、本当ならもっともっと周囲のヘルプがあるのではないでしょうか?

設定もあまりにご都合主義というか…ダイキチは横浜市在住という設定なのに、なぜか一軒家に住んでます。イケメンなのに彼女もいないし。そして、管理職にまで就いている営業職なのに、保育園の送迎に間に合わないという理由で工場の配送係に異動を申し出て許可される。実際にはちょっと考えられないことの連続というか、そこはマンガだから?

保育園のお友達ママに香里奈さんを置いて、ちょっとギャグ的展開をしているのはいいのですが、それも若干チグハグ?全体に展開が平坦な作りで残念です、原作はもう少しストーリーが複雑なのかな?2人の主役の魅力だけでなんとか映画になった感じ。まだ少し小さいマナちゃん本当に可愛いです。

評価:(変な髪型でも松ケンはやっぱりカッコイイ)

伝える力*池上彰

tutaeru.jpg『話す』  『書く』 『聞く』 能力が仕事を変える!相づちを打ったり、返事をしたり、目をジッと見たり、あるいは反対に目をそらしたり。基本であるにもかかわらず意外と難しいコミュニケーションのとり方。現代のビジネスパーソンに不可欠な 『伝える力』 を高める極意を紹介。
(池上彰)1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業。ジャーナリスト。信州大学特任教授。NHKで記者やキャスターを歴任後フリーランスとして活躍。著書に 『知らないと恥をかく世界の大問題』 など。


正直、何だか中途半端な印象…と思っていたらあとがきにあった言い訳です。もともと雑誌に短期連載したものを、いきなりまとめて本にするからと言われて断り切れず、やられました。とのことでした。ご本人に言い訳させるほどの内容、なるほど(笑)。話し言葉でずっと書いてあり、どこかポイントなのかイマイチつかみにくい訳がここでようやく分かりました。エッセイととればいいのかもしれないけどせっかくの内容なのにそのまま推敲せず載せちゃって、かなりもったいないような気がします。

私の気に入ったポイントを抜き出してみました。いつもこういうことを意識しながらコミュニケーションをとれればいいのでしょうが、なかなかそう行かないのが人生です。

プライドの高い人は成長しない
成長するには無駄なプライドを捨てよ!聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥。ですね。

緩やかな演繹法を用いよ
演繹法
(えんえきほう)とは帰納法の逆で、問題の答えを推論する際に一般的原理(正しいと分かっていること)からそれぞれの事柄を推論する手法を言います。と書いてきてもう分からなくなってきた(笑)。帰納法(きのうほう)は個々の事実から一般的原理を推論する手法で、よく 数学の証明でやりましたね数学的帰納法。それぞれの事実があるのでこういう定理ができあがります、という証明方法です。

物事は演繹法で進めるのがよいが、厳密な演繹法ではなく緩やかにやるのがよい。常に 『仮説』 を元に取材をする。仮説という自分なりのビジョンがないと取材の方向性が見えてこないので仮説を立てることが大切である。というのが池上さんの理論。

評価:(忘れないようにしたい内容ですがきっと忘れる)

おしまいのデート*瀬尾まいこ

osimai.jpg親の離婚後に会う孫と祖父、元不良の教え子と定年間近の老教師、捨て犬を見つけたOLと大学生。この世はいろんなデートで溢れてる。待ち合わせのワクワクする気持ちや別れる時の切なさを描く。『小説すばる』 掲載を単行本化。
(瀬尾まいこ)1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。『卵の緒』 で坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー、『幸福な食卓』 で吉川英治文学新人賞、『戸村飯店青春100連発』 で坪田譲治文学賞を受賞。著書に 『図書館の神様』 『優しい音楽』 『強運の持ち主』 など。
(収録作品)おしまいのデート/ランクアップ丼/ファーストラブ/ドッグシェア/デートまでの道のり


瀬尾まいこはほのぼのがウリと分かっているのですが、最近毒のある小説ばかり読んできたのでちょっと物足りないです(笑)。 『ファーストラブ』 が良かったかな。前作 『僕の明日を照らして』 がテーマ虐待という厳しい内容だったので、瀬尾さんはやはりこういうほのぼの系がいいかも、です。

評価:(5つ満点)

スピカ 羽海野チカ初期短編集

supica.jpg『ハチミツとクローバー』 連載初期と同時期となる2000年から2004年に発表した短編6作を収録。
(羽海野チカ)うみのちか。東京都生まれ。東京都立工芸高等学校デザイン科卒業。デザイナー、イラストレーターを経て漫画家に。  『ハチミツとクローバー』 で講談社漫画賞を受賞。『3月のライオン』 連載中。
(収録作品)冬のキリン/スピカ/ミドリの仔犬/はなのゆりかご/夕陽キャンディー/イノセンスを待ちながら


羽海野さんは画が丁寧でいいですね。今回は短編集、『スピカ』 がとても良かったです。羽海野さんの描く女の子達は本当に可愛くて、見てて楽しいです。『ハチクロ』 『3月のライオン』 に引き続き、羽海野さんの作品はもっともっと見たいです。

評価:(5つ満点)

海洋天堂

kaiyou.jpg水族館に勤める心誠は自閉症の息子 大福を男手ひとつで育ててきた。しかし自分が余命僅かだと知り入水心中を思い立つ。泳ぎのうまい大福に助けられた心誠は大福のために残りの時間を使うことを決意し、彼が入居する施設を探し生きる術を一つずつ教えていく。父が最期に息子に教えたかったことは。主演 ジェット・リーは無報酬で出演を熱望。青島を舞台に美しい映像に包まれた父子の物語。音楽:久石譲。

誰もが認めるNo.1 アクションスター、ジェット・リーが初老の普通の父親を演じる!というだけで注目作ですが、ジェット・リーはこの脚本の素晴らしさにノーギャラで出演すると言ったとか。本当か?

父親の苦悩、愛情、周囲への感謝の念。すべてを演じきったジェット・リーに、ただただ拍手です。彼の視点がしっかりと定まっており、今回も見事な存在感だったので見終わってから気付きましたが、息子 大福を演じた文章(ウェン・ジャン)という俳優さんも、素晴らしい演技でした。

大福と心誠親子を見守る隣人の柴、水族館の人々、旅回りのサーカス一座の女の子 鈴鈴、といった周囲の人との触れ合いの描き方も素晴らしいです。児童擁護施設や病院など様々なところを巡り最後に大福が暮らせる 『家』 を探す手伝いをしてくれた、かつての大福の先生など、素晴らしい人に囲まれて大福と心誠が迎える、最期の時。

青島の美しい景色と美しい人々。派手さが目立つ中国の映画ですがこういうものももっと見せて欲しいですね。

評価:(やはりジェット・リー)
カウンター
ツイッター始めました
今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
ブログ内検索
最新コメント
[10/14 菜摘]
[10/12 さつき]
[05/08 菜摘]
[05/08 小琴]
[03/19 菜摘]
アクセス解析

Copyright © DaisyAKM Archives : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]