忍者ブログ

DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

レッドクリフ Part2

redclif2.gif曹操の元へ男装して潜入していた孫権の妹・尚香は、疫病で亡くなった兵士たちの死体が船に積まれ連合軍のいる対岸へ流されていく光景を目撃する。死体に触れた連合軍の兵士から次々と疫病が感染し、曹操の非情なやり方に周ユをはじめ連合軍は憤りを感じ、劉備軍は自軍の兵と民のために撤退を決意するが孔明はただひとり戦地に残るのだった。死線を越えたかけひき繰り広げられる頭脳戦。孔明の秘策、周ユの戦略、小喬の決断。それぞれの命運は赤壁へ。

Part1よりもずっと満足でした、尚香の活躍などは絵物語だけれど、それも映画だからアリかな、という感じです。こうした歴史スペクタクル物ではこれまで男性が主に活躍していたけれど、今回このレッドクリフでは尚香と周ユの妻 小喬(絶世の美女!)の活躍が重要なポイントを占めているところがちょっと新鮮でした。

あとはひたすらに戦闘シーンが多くややゲンナリしますが、スケールの大きいセットや殺陣、いずれもやはりエンタメとして香港映画の存在感は大きいことを再確認させてくれた作品でした。

評価:(5つ満点)
PR

三四郎はそれから門を出た*三浦しをん

sanshiro.jpgそれでも本から離れられない。筋金入りの活字中毒者かつオタク、三浦しをんの秘密の日常を詰め込んだ、初のブックガイド&カルチャーエッセイ集。 『Gag Bank』 『朝日新聞』 『anan』などの掲載に加え書き下ろし。
(三浦しをん)1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。『まほろ駅前多田便利軒』 で直木賞受賞。主な著書に 『私が語りはじめた彼は』 『しをんのしおり』 『光』  など。 

三浦しをんのエッセイはかなり私好み。ということで本書も十二分に堪能できました。ファッション誌のエッセイ、全国紙連載のYA向け読書案内、それぞれ読者層が違っても炸裂するしをん節!しをんさんと仲良しという弟さんとのやりとりもバッチリ読めます。このオタクぶり、いいなぁ。

読書案内にある本で私が気になるものをピックアップ。

フジモトマサル 『ダンスがすんだ 猫の恋が終わるとき』 新潮社
若き外科医は不思議な猫に恋する。 「この娘、どこの娘?」 「美しいこの娘、医師苦痛」  恋と革命は現実の壁を越え、物語は始めから終わりまで回文で綴られる。全篇笑いと涙のイラストでせつなく魅了する回文絵本。
ひそかに回文について研究している(?)私、この本は要チェック!しをんちゃんも回文が好きだったのか…やはり共通する何かが!?

哀川翔 『翔、曰く』 ぴあ
「肩書きなんていらない」 「仕事は来た順。だってそれが誠意でしょ」 「信じることをはしょっちゃいけない」 哀しい川を翔ぶ一億人の兄貴からの言葉攻め。1984~2003年までの全発言がここに! 
翔兄イのお言葉集。しをんちゃんが感動したのは 『家族は、族。族の掟は絶対。』 というルール…要するに晩ご飯は家族で揃って食べるべし。というのが族の掟。しをんちゃんならずとも兄イの言葉には、泣けそうです。

乙一 『くつしたをかくせ!』 講談社
夜になると大人たちは、おびえながら子ども達に言った。「サンタがくるぞ!」 大昔クリスマスは恐ろしいものだと考えられていました。すべての人に平等に与えられる祝福を描く、あたたかなクリスマスの物語。英文併記。
乙一作のちょっと意味不明らしき絵本。気になりますね…。

寺山修司 『不良少女入門』 大和書房
わたしが娼婦になったなら いつでもドアーは開けて置く 海から燕が来るように。触れるもの全てを詩に変えた天才 寺山修司の多面的世界。詩とエッセイから今も色褪せないその魅力をさぐる一冊。 
そしてしをんちゃんもやはりテラヤマが好きだった…私とやっぱり、同じじゃん!

よい文章を書くには、よい読み手になることです。と中学校の国語の先生も言ってました。あまりなるほどなと思えない方なのですが(失礼!!)この一言には納得しました。よい書き手への一歩はよい読み手となること。そして今日も日々読書に研鑽するのでありました。

私もちょっとオタクかも…という自覚のあるアナタに、三浦しをんを強くオススメします。

評価:(5つ満点)

入学式

nyugaku.JPG1人で通学できるかな
いよいよ第2王子も小学校入学の日を迎えました。早いものだ…と言いたいですがようやくここまで来た!という感慨の方が深いですね。まだまだ1人で通学が怪しく、さらに信号もよく分かっていないことが分かり心配すぎる第2王子、しばらくはお隣の小5のお兄ちゃんが毎朝一緒に登校してくれることになりホッとしてます。
※第1王子は登校途中に小学校があるというのに付き添いを拒否し私の怒りを買っております…

帰りは保育園併設の学童に通うことも決まっており、しばらくはこの歩道橋も1人で歩くことはないのですが、入学式終了後早速練習です。やはり歩行者信号がないところは車両用の信号を見る!ということが分かっていない第2王子、頼むから事故だけはありませんように、無事カエルを祈っております。

歩道橋も楽しくて仕方ない

ダイイング・アイ*東野圭吾

dyingeye.jpgバーテンダーの俺は時々記憶が曖昧になる。自分が死亡事故を起こしていたことを知らされ、その事実に愕然とする。なぜそんな重要な記憶が失われているのか。俺の記憶は蘇るのか?事故を巡る関係者達が徐々におかしな動きを見せ始める…何かの策略にはまってしまったのだろうか?ミステリーかホラーか、最後まで予断を許さない異色作。
(東野圭吾)1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。主な著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。

設定といい展開といい趣向としてはなかなか面白いけれども…やや読者サービス的な表現が多すぎるのとトリックの仕掛けがちょっとイマイチな感じ。一種の狂気を描きたかったのかもしれないけど、その狂気とはどこから来るものなのだろう?

いい感じであるにも関わらずついトリックばかりに意識が行ってしまい、登場人物らの心の動きといったものがやはり見えてこない。主人公はじめみんながみんな、そんなに嫌世的な人ばかりじゃないと思うのですが…。主人公が妙にギラギラして 『いなさすぎ』 というか、この世に未練がなさすぎで、もっと欲を出して欲しいと思ってしまう。

評価:(5つ満点)

オリンピックの身代金*奥田英朗

olympic.jpg昭和39年夏、オリンピック開催に沸きかえる東京で警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届く。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、1人の東大生が捜査線上に浮かぶ。 戦後急速に経済復興を遂げた時代を背景に、日本社会が持つ格差という病魔への激しい警鐘を描く。
(奥田英朗)1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て作家に。『邪魔』 で大藪春彦賞、『空中ブランコ』 で第131回直木賞、『家日和』 で柴田錬三郎賞、本作で吉川英治文学賞を受賞。主な著書に 『イン・ザ・プール』 『ガール』 『サウスバウンド』  など。

奥田英朗の新境地。と巷で話題の通りの骨太作品。久々に1ページ上下2段組の本を読み、ページが進まない進まない。1冊ですが分厚い上下巻のボリュームがあり十分堪能できます。

この頃の小説は、実は犯人はコイツでした!的な、ラストで大ドンデンというモノばかり読んでいたので、初めから犯人とその周囲について丁寧に追っていく本作は新鮮でした。久々に小説らしい小説で大ドンデン物にはない充足感があります。

昭和39年、『もはや戦後ではない』 と謳われ東京オリンピック前夜の異常な好景気の中、なお色濃く残る敗戦の爪痕が痛々しく表現されています。地方と中央の歴然たる格差、人柱のように働かされ、ヒロポンと呼ばれていた覚せい剤を常習していた出稼ぎ人夫達、東大を中心とする学生運動の堕落した実態、それらすべてを大学院生しかも東大という特権階級に身を置いている自分を通じて島崎は、何を見て何を探ろうとしていたのでしょう。果たして一連の事件はすべて島崎個人に原因があるのだろうか?

ここまで考えるとすぐに思い浮かぶのは、現代の格差社会が生んだ現代のテロリスト達。記憶に新しいのは秋葉原無差別殺傷事件。犯人個人の問題としようとする動きと格差社会が生んだ弊害だとした動き。どちらが正しいとも間違っているとも言い切れない、この 『時代』 が生んだとしか言えない大事件。誰もが幸せを求める時代に、それを求めても与えられない人々がいる、その事実が、重い。そしてその昭和39年(1964)から半世紀近くたった現代でも全く事実が変わっていないことが非常に、重い。

冒頭、島崎が郷里の村の女に頼まれて出稼ぎに行ったまま行方不明になった彼女の夫を訪ねるシーンで、つくづく幸せって何なのだと打ちのめされる。家族と幸せに暮らす、たったそれだけの幸せさえも望んでも叶えられなかった時代。豊かさが目に見えるようになったとは言えいつの時代もその時代を生き抜こうとする強い意志がなければ生き抜けないのだろうか?島崎はその意志が弱かったということなのだろうか?
そうではないと思う、ただ他人の幸せの上に自分の幸せがあることを知ってしまった以上、知らぬフリができなくなったということなのだろうか。

工事現場の飯場での人夫同士のいさかいを見て、島崎は嘆く。自分達をこんな生活に押し込んだ社会体制に対する不満ではなく、同じ底辺にいる者同士が不毛に争う姿を見て、心底嘆く。これも人夫達が単に世の中を 『知らない』 からなのだろうか?

60年代から数えて約半世紀。時代は良くなったか?それとも格差はこれからも依然として存在し続けるのだろうか。幸せはどこにあるのか、考えが止まらない小説である。ぜひご一読を。

評価:(必読。)

さよなら僕たちの保育園

hoikuen02.JPG6年保育(5年と10ヶ月)
長い長い間お世話になった保育園、いよいよ今日で卒園です。卒園式は14日に終わっているのですが登園は31日までOKという保育園、本当にありがたいですね。このカバンには1歳もも組の頃から5年もお世話になりました。5年も使った割には割合キレイ、まだ使えそうだ(笑)。この黄色いビニールの袋も何度うちと園を往復したでしょうね…。様々な作品をうちへ送り届けて6年、よく頑張りました。

hoikuen01.JPG同様にこのお便りファイル、端っこがもうボロボロで何度もテープで補強してもらってますが、0歳こもも組時代からよく頑張ってお便りを運んでくれました。そしてお便り帳。先生からの連絡、家庭からの連絡、常に大量に書き綴る私のため、例年2冊目に突入していたのですが、年中ばら組から消費が1冊になり 『だいぶしっかりしてきて書くことも少なくなったんだなぁ』 としみじみしたのを思い出しました。このお便り帳は、第1王子の保育園時代から私のお宝です。大事に、とっておきます。

長かった園生活、本当に長かったはずなのですが思えばあっという間でした。特に2人目だからかもしれないけど。無事にここまで大きくなったのも本当に保育園のおかげです、感謝の気持ちを忘れずにこれからも大きく育って欲しいものです。

ヤッターマン

yatterman.gif謎の秘宝ドクロストーンを求めて暗躍するドロンボー一味に対し、正義の味方ヤッターマンが立ち上がる!ヤッターマンがいる限り、この世に悪は栄えない!メカと身体能力を駆使しヤッターマン1号2号は今日も世界平和のためにドロンボー一味と戦うのだった。タツノコプロの人気アニメの実写版。現代ならではのギャグも満載。

第2王子のリクエストで観て来ました。CG駆使の作品ですが、本当に今はその技術が素晴らしくなり、ヤッターマン変身シーンなどアニメと全く同じく再現できてます。

話題の深キョンドロンジョですが、やはり若すぎる印象です。私のイメージのドロンジョが30代半ばなんですけど、もしかして原作の設定ではドロンジョはまだ20代なのだろうか?と深キョンを見て考えてしまいました。それなら深キョンでOKなのかも?ボヤッキー生瀬さんとトンズラーケンコバはハマり役のため、とっても可愛いヤッターマン2号がかすんでしまい目立たない…2号とっても可愛いです。

ヤッターワン搭乗時いつも1号2号がサイドの手すりにずーーーっとぶら下がっているだけで空を飛んでいるのを見て、常々すごい背筋力だと感心してましたが、実写でもそのシーン強調されてました。途中半分眠りこけながら落ちそうになる1号2号…ヤッターワンの中に席を作ればいいのにねぇ。

ヤッターワンが高速に乗る際 『ETCカードを挿入しました』 ってシーンで私は一人大ウケしてしまいましたが、そういう現代ならではのギャグをもっと盛り込んでも良かったですね。

評価:(第2王子は大満足)

ラインマーカーズ*穂村弘

linemarkers.jpg体温計 くわえて窓に額つけ  「ゆひら」 とさわぐ 雪のことかよ
歌人 穂村弘が贈る、甘くて痛く、優しくて怖い想い。既刊の歌集と未収録作品から400首を選び書き下ろしを加えたベスト歌集。
(穂村弘)1962年北海道札幌市生まれ。上智大学英文学科卒業。歌人、翻訳家、エッセイスト。主な著書に 『シンジケート』 『短歌という爆弾』 『もうおうちへかえりましょう』 『本当はちがうんだ日記』 など。

俵万智氏と同世代の歌人、穂村弘氏のベスト歌集。穂村さんは人事課長をやりながら歌人であるという、そのライフスタイルも現代を代表する歌人です。金原瑞人のYA向け読書案内でも推薦のこの一冊、その読書案内によれば俵万智 『サラダ記念日』 が**万部売れたのであればこちらも**部売れてもおかしくない内容、とあり私も買ったわけです。

極度に恋愛恐怖症(?)、対人恐怖症(??)のホムラさんが贈る短歌、詩の数々はやはりキョーレツです。
ホットカルピスを飲んでいた顔見知りの女が、急に私に向って 「カルピス飲むと白くておろおろした変なものが、口からでない?」 と、いった。私はとても驚いて、「でる。」 と反射的に答えながら、この女と付き合おうと決めていた。(穂村弘「ごーふる」より)
という詩の一節など、ちょっと素晴らしすぎるっ。と私もおろおろしたものが出そうなほど興奮(笑)。

短歌なんてどうやって作ればいいのさ、という中高生から短歌って自分でも作ったっけ、と思いだす大人の方まで、すべての世代の方にオススメします。歌集を読んでホムラワールドに一緒に浸りましょう。オタクの世界は案外貴方の世界と近いかもしれませんっ。

評価:(5つ満点)
カウンター
ツイッター始めました
今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
ブログ内検索
最新コメント
[10/14 菜摘]
[10/12 さつき]
[05/08 菜摘]
[05/08 小琴]
[03/19 菜摘]
アクセス解析

Copyright © DaisyAKM Archives : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]