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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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聖女の救済*東野圭吾

kyusai.jpg男が自宅で毒殺された時、離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。毒物混入方法は不明のまま、草薙は美貌の妻に魅かれるが故に真理から遠ざかってしまう。先輩の様子に不安を抱く後輩 内海はガリレオこと湯川に相談するが、湯川が推理した事件の真相は現実にはあり得ない『虚数解』 だと言うのだった。完全犯罪に挑むガリレオと草薙に絡む後輩の女刑事、内海薫が初登場。ドラマの見すぎ。
(東野圭吾)1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。主な著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。

今回も大トリック。そのトリックについて相談を受けた湯川はその解答は 『虚数解』 理論的にあり得ても実際はあり得ないトリックだと言う。
正直虚数とは大げさだけど、今回は事件の犯人は既に読者に提示されているにも関わらず、草薙や内海、湯川同様読者にもそのトリックが分からない。謎解きは進んでいくが、草薙が容疑者に惚れてしまったりドラマシリーズで既出の内海薫刑事が初登場したりとサービス満点なのはいいんだけど…。

映像化(ドラマ、映画)の印象がどうしてもぬぐえず、湯川=福山という図式から逃れられない。アルマーニの靴を履いている福山が頭に浮かんでしまい、正直困りました…。初めて読んだ 『予知夢』 の湯川のイメージは、オシャレ好きだけどそれがイマイチ似合ってない変人、だったのに福山じゃアルマーニの靴バッチリ似合っちゃうでしょ。

内海もドラマのイメージと変えたいのかもしれないけど、 『女の直感』 がウリの割に彼女の私生活が全然見えて来ないので、女刑事としての現実感が薄いです。殺人のトリックについても、なぜあのように複雑なトリックを組んだのか?犯人は完全犯罪を狙っていたのか否か、それすらもイマイチつかめず犯人は本当はどうしたかったのだろう?

しかしながら東野氏得意の 『人と人の稀有なつながり』 は今回も十分面白く、エンタメとして湯川シリーズは安定感はあります。

評価:(5つ満点)
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SLOWBASEの森 手づくり市

treehouse.jpg本物のツリーハウスがここに
最近H市でもアーティスティックな活動をなさる方が増えつつあります。そのうちの1つがここSLOWBASEの森。オブジェ作家の方を中心としたアーティスト集団の方々が大人の秘密基地、ツリーハウスを作ってしまったところです。

春夏秋冬と年4回、市内の手作り作家による出店で 『手作り市』 を開催、その際6軒あるツリーハウスを公開するそうです。このツリーハウスは文字通り 『木の上の家』 。少年少女の夢の隠れ家を大人になった今、実現してしまったのがこのSLOWBASEの森なんです。

こういうことをやりたいと思っていてもなかなかできないものですが、それをあえてやってしまう主催者の皆さんの心意気、そしてそれを自分たちだけで楽しまず市民に公開してくれる気前の良さ、とっても嬉しいです。ツリーハウスをしっかり拝見して来ました、高い木の上に色々なタイプのツリーハウス、行きは良い良いなんですが帰りは怖い!降りるの怖い!一番高いツリーハウスからは第2王子をおんぶして降りてきましたよ…さすがに私の歳ではキツイです、今度は絶対第1王子を連れてこなきゃ。

手作り市に出店されている方々も地元の手作り作家さん達がメインで、以前から気になっていた手作りジャムのお店や焼き物窯、自然食品のお店などこちらも魅力満載でした。その中に藍染めの方がいらしたのですが、なんと以前仕事でご一緒した方!定年退職された後、以前から趣味であった藍染めを本格的に始め裂織や布小物を作っていらっしゃるとか。素敵な小物のうち私はマイ箸入れをいただいてきました。そして何よりも嬉しかったのは、退職されたその方がとっても生き生きとなさっていること。仕事がなくなって退屈、なんて言葉とは全く縁がなさそうでした。

冬の手作り市は寒さとの戦いで出店者の方々もお客さんも大変そうでしたが、この企画は素晴らしいです。友人ファミリーとご一緒しましたが春にもまた来ようねと約束しました。一市民としてSLOWBASEの森、応援しています!

WALL・E ウォーリー

fe5f1de1.jpegWALL・E 地球型ゴミ配置積載運搬機
小さい子向けのアニメーションかと思っていましたがそうでもなかったです。

5年という予定で宇宙旅行へでかけそのまま700年宇宙をさまよっていた人類。太りすぎて自力で歩けず、働きもせずテニスすら代わりにロボットがやっている世界で、地球に残されたゴミを片付けながらその生活の残骸であるオモチャや部品を集めているウォーリー。ビデオで観た映画で手をつなぐ人間に憧れており、突然現れた新型ロボット、イヴと 『手をつなぎたい』 というウォーリーの気持ちが自然に伝わってきます。

その後ウォーリーはイヴを追いかけ宇宙の旅へ…漂流中の人類と出会いついに人類を救う救世主となる!のか?
第2王子も十分楽しみましたが小~中学生にも適ではないでしょうか、オススメします。

ちなみにウォーリーとは
Waste Allocation Load Lifter Earth-Class
ゴミ 配置 積載 運搬機 地球型
だそうです、なるほど(公式HPより)。

評価:(5つ満点)

氷雨心中*乃南アサ

hisame.jpg手仕事を営む職人たちの心に灯ったのは仕事に対する念であった。それはやがて殺意に増殖し冷たい惨劇を招く。線香、着物の染色、杜氏、宝飾、能面、提灯など、それぞれの職人の静謐な世界を舞台に描いた6作品。
(乃南アサ)のなみあさ。1960年東京都生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務等を経て作家活動に入る。『幸福な朝食』 で日本推理サスペンス大賞優秀作、『凍える牙』 で直木賞を受賞。主な著書に 『涙』 『鍵』 『しゃぼん玉』 など。
(収録作品)青い手/鈍色の春/氷雨心中/こころとかして/泥眼/おし津提灯

『青い手』 がベスト。家業の線香作りのことでからかわれ、父親が初めから自分にはいないことに引け目を感じている少年が主人公。やがて彼自身も母と祖父母を手伝い家業を継ぐ自覚に目覚め、秘伝の香の 『材料』 を手に入れることを決心する。

家業を継ぎ主人となった少年は幼馴染みと結婚するが、妻である彼女から告げられた、少年の日の思い出で、彼は初めて後悔することになるのだろうか。深い余韻を残す物語。

その次は 『泥眼』 かな。梨木香歩 『からくりからくさ』 にも能面が出てきたな。
いずれも伝統的な手工芸を通じ、それに込められた人の想い、怨念を描いた作品集。乃南氏得意の 『余韻の残るラスト』 を目一杯感じられる作品集。

評価:(5つ満点)

だんだん

dandan.pngマナカナ再び。
NHK朝ドラの 『だんだん』 にこの秋ハマりまくりでした。今年前半の 『瞳』 も良かったです、今年の朝ドラは当たりですね。

祇園の置屋で暮らす舞妓ののぞみ(夢花)の日々の暮らしが毎回非常に興味深く、楽しめます。姉さん芸妓と一緒に毎日お稽古に通い、早い晩ご飯を食べてお座敷は夜12時頃まで。芸の道に精進、お客さんへ真心を込めて精進。毎日がかなりハードです。

加えて実母でありながら姉芸妓でもある母を 『花雪さん姉さん』 と呼ばなくてはならないこと、厳しい置屋のおかあさんに逐一行動を見張られてることなど、ストレス溜まらないのか?と思ってしまうのですが、それはあくまでも祇園の外から見た勝手な見解。それが日常だったのぞみがめぐみと出会ったことで自分を振り返り、ついにその深い因習から飛び出してしまう、という大胆な展開。

何不自由なく明るく育っためぐみも、実母と思っていたお母ちゃんは育ての母であり、生みの母は全く知らない人だったことが分かるあたり、複雑な心境の表現は見応えありましたね。弟はそれが原因で一瞬グレるしお父ちゃんは若気の至りだったボクシングを再開するしで展開はジェットコースター。

姉妹の父親役の吉田栄作がこれまた、役者として一枚も二枚もむけており、すっごく存在感があります。彼の成長した役者ぶりを見るだけでも、このドラマ十分の価値があります(笑)。

その他ライブハウスのマスターにMr.オクレ、レコード会社の部長にとんでとんで…(夢想花)の円広志、ボイストレーナーに森公美ちゃんなど、脇を固める俳優陣も個性派揃いで見どころありです。マナカナの2人は歌手としてデビューするという設定のために、歌のレッスンに始まりギターのレッスン、夢花として舞や所作のお稽古も相当積んできたはず。そういう本物を作ろうという意識が高い俳優陣の、作品作りへの情熱が感じられる骨のあるドラマに仕上がってます。

この先おそらくこうなるんだろうな~という展開が見えていても、歌に姉妹愛に友情に恋に、情熱を傾けるめぐみとのぞみ、そして周囲の人々の関わりは見逃せません。デビュー後2人の仲は初めて険悪になるらしい…その辺はかなり見ものです(笑)。

毛糸玉を買って*乃南アサ

yomyom9.png心配症の芭子と能天気な綾香。一回りも年の違う仲の良い友人である2人には、他人に言えない過去があった。世間の目に怯えつつもいつかは自分たちも陽のあたる場所で生きて行きたいと、人生を模索する日々。刑務所帰りの2人を描く、『いつか陽のあたる場所で』 続編。yomyom9号掲載。
(乃南アサ)のなみあさ。1960年東京都生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務等を経て作家活動に入る。『幸福な朝食』 で日本推理サスペンス大賞優秀作、『凍える牙』 で直木賞を受賞。主な著書に 『涙』 『鍵』 『しゃぼん玉』 など。

芭子ちゃんが三度帰って来ました。前回失業してから元気のなかった芭子が今回は冒頭から楽しそう。というのもやっと芭子は自分の仕事と言えるものを見つけたような気がするのです。ようやく人生が充実しかけてきたところへ、お騒がせ巡査 高木の一言が芭子を激しく動揺させます。

高木の自分への一言が、自分の前科を責めるものだと思い込む芭子。綾香同様読者も、いくら高木巡査がおバカさんだからってそんなことを知ったとしても直接芭子に言うはずがない、と思いつつ物語は進んで行きます。

自立を目指す芭子と綾香の姿を通じ、毎回彼女たち、特に頼りない芭子が成長していく様を見ることができるのが何より嬉しいです。不自然でなく劇的でなく、ごく自然な形でその成長を読ませてくれる本シリーズ、さすがです。

犬に服を着せるのは私も反対でしたが、芭子の
『弱い小型犬には保温、保護になり犬も喜ぶ』
『犬に邪魔にならない服でさらに飼い主も喜ぶ』
という意見になるほどなぁと思いました。

評価:(5つ満点)

黒の狩人*大沢在昌

kurokariudo.jpg中国人を狙った惨殺事件が相次いで都内で発生する。手がかりは被害者のバラバラ死体のわきの下に残された 『五岳聖山』 の刺青だけ。捜査は混迷し新宿署の刑事 佐江は、捜査補助員として毛と名乗る謎の中国人とコンビを組まされる。公安の思惑が働く中、外務省のエリート職員 由紀も加わり3人は事件の真相に迫ろうとする。やがて中国人連続殺人事件を中国政府による反政府主義者の処刑と考えた公安は、事件の解決よりも中国国家安全部の情報を得ることを最優先とし佐江たちを翻弄し、事件は日中黒社会をも巻き込んだ大抗争へと発展してゆく。日刊ゲンダイ連載を単行本化。
(大沢在昌)1956年名古屋市生まれ。慶応義塾大学法学部中退。『感傷の街角』 で小説推理新人賞を受賞しデビュー。『深夜曲馬団』 で日本冒険小説協会最優秀短編賞、 『新宿鮫』 で日本推理作家協会賞長篇賞、吉川英治文学新人賞、「新宿鮫 無間人形」で第110回直木賞、 『心では重すぎる』 で日本冒険小説協会大賞、『パンドラ・アイランド』 で柴田錬三郎賞を受賞。


『砂の狩人』 から数年。あの時ただ一人生き残った新宿組対の刑事、佐江に勅命が下る。
腹は出てるし熟年離婚されるし、全く冴えない風貌の佐江が今回のヒーロー。

今回のヒーローも決してカッコよくはないが、信念を持ちそれを決して曲げることなくそれに基づき行動する。情報を揃えた上で他人に惑わされることなく、自らの判断で行動しその行動に責任を持つヒーロー。その行動には通りすぎなほど筋が通っている!

今回のヒーロー佐江はヒロイン(っていうかマドンナ?)といい仲にはなりませんが、トリック、裏切り、それぞれの思惑と真意の交錯が見事な構成で、今回も大変満足でした。

評価:(5つ満点)

銀河鉄道999

animax999.jpg西暦2221年。機械の身体を持ってさえいれば、 1000年、2000年生き続ける事が出来るようになった時代。機械の身体を買えるのは金持ちだけ。機械の身体を買えない貧しい人々は超近未来都市メガロポリスから追い立てられ悲惨な暮らしを送っていた。 ある日貧しい人々の間にこんな噂が流れ出した。 『この宇宙にタダで機械人間になれる星がある。その星へ行くには銀河超特急999に乗ればいい。』  (アニマックスHPより)

ついに始まりました銀河鉄道999、満を持してアニマックスに登場です。毎週土曜日夜6時から一挙2話放送!この日をどんなに待ち望んだことか…(大げさすぎる)。

ということで最初は毎週土曜日必ず観ようとしていたのですが、夜6時はちょうどご飯時、なかなか見られるものじゃありません。そこで毎週ビデオ録画をしていたのですが、今度はだんだんと先週分を見ないうちに今週分の録画が来てしまいました。さて困った…と思っていたら。

ついにアニマックスはやってくれました、録画用6時間一挙放送!6時間ぶっ通しの銀河鉄道999ですよ!ということでしっかりHDD録画をすることができました。これで老後の楽しみはバッチリだ!

これまで劇場版しか見せたことがなかったうちの2王子にも、やっと999を見せることができます。子どもにはよいものを伝えたい。それがオタク向けアニメであっても…。
ということでうちの王子達もバッチリ999にハマり、母と一緒に楽しむ毎日です。

改めて999には至言が多いっ。
メーテルが言う。 『貴方は、何をしに宇宙へ出るの。』
アンタレスが言う。 『撃たれる前に、撃て。相手が命乞いをしても、心を鬼にして撃て。』

時間は、夢を、裏切らないのでありました。
この調子で最終話まで6時間ごとに録画を撮り続けます。

評価:(子育てにはよいアニメをお勧めします)

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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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