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読書と映画と観劇と

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円卓*西加奈子

entaku.jpg琴子は口が悪くて偏屈で硬派の 『孤独になりたい』 小学3年生。三つ子の姉、両親祖父母の7人に愛されて暮らす公団住宅は孤独とはまるで無縁。同級生の貧乏も金持ちも難民も在日も体の病気も心の病も、子どもの世界の問題はより直接的でより繊細だった。新たな命の誕生や夏休みの出来事を経て成長する琴子を、ユーモラスに温かく描く。 『別冊文藝春秋』 掲載を単行本化。
(西加奈子)1977年テヘラン生まれ大阪育ち。関西大学法学部卒業。『通天閣』 で織田作之助賞受賞。主な著書に 『あおい』  『さくら』  『うつくしい人』  『きりこについて』 など。


何が円卓か。と言うと、狭い公団に暮らす琴子一家のうちの居間にでーんとあるのが、潰れた中華料理屋でかつて回っていた円卓。その円卓の上を毎日グルグルおかずやらしょう油やらが回っているのが琴子のうち。琴子ことこっこはそんな毎日がイヤでしょうがなく、孤独を追い求める日々。だけどそこがトンチンカンな関西人の小学生、 『うるさいぼけ』 を連発しつつ激しすぎる自意識を時に持て余しつつ、その人生美学を追究しようとする生き方は、小学生ながらまさにハードボイルド。ぶっ飛ばし過ぎ(笑)。

そんなこっこを温かく見守る家族も、こっこに言わせればどうしようもない奴らで、唯一おじいちゃんだけは教養人なので尊敬してやってもよい、そうです。何じゃその自意識過剰ぶりは。何かと  『うるさいぼけ』 とかますこっこに 『こっこはほんま、可愛いなぁ』 と言う三つ子の姉達。

評価:(5つ満点)
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再会の食卓

aparttoge.png上海で暮らす玉娥のもとに届いた一通の手紙。そこにはかつて生き別れた夫 燕生が40数年ぶりに台湾から帰ってくると記されていた。しかし玉娥には既に新しい夫 善民と家族がいた。戸惑いながらも燕生を食事に招き精一杯もてなす一家だったが。2010年度ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。原題:APART TOGETHER。

台湾映画です。英語のタイトルと一緒に表示された中国語のタイトルは 団圓 。 昨年度から中国語レッスンを再開している私、先生からいただいた最新の辞書もあるのでうちに帰り早速辞書を引きました。

まず 『団』 。なんとこの字は繁体字(台湾で使われている漢字)のため、私が習っている共通語(北京語)の辞書には、ない文字だったのです!では簡体字(中国で使われている文字)ではこの 『団』 はどんな字になるのか。…ここで先生に電話しちゃダメ、頑張って探します。
 『団』 の画数は6。恐らくこの画数より大きくなることはないと思われます、そのための簡体字。そこでくにがまえの漢字を片っ端から見てみることに。幸いこの前のレッスンから辞典の引き方の勉強が始まりました。部首で引くやり方を先生に教わり初めて知ったと言ってしまう私…学生時代一体どうやって辞書を引いていたのか?

評価:(5つ満点)

ジェノサイド*高野和明

genocide.jpg急死したはずの父親から送られてきたメール。創薬化学専攻の大学院生 研人はその遺書を手掛かりに父の遺した私設実験室に辿り着く。一方、傭兵のイエーガーはアフリカの地で 『人類全体に奉仕する仕事』 を請け負うが、その作戦には人類の存亡がかかっていた。『野性時代』 連載を単行本化。
(高野和明)1964年東京都生まれ。ロサンゼルス・シティカレッジ中退。帰国後脚本家となる。『13階段』 で江戸川乱歩賞を受賞。主な著書に 『グレイヴディッガー』 『幽霊人命救助隊』 など。


直木賞候補作。ちょうど選考期間にあたっていたこの時期、もう直木賞は間違いなくもらった~!と思っていたのにぃっ。これが賞をもらわなければ選考委員の方々は一体何を読んでいたのか?と1人盛り上がる私。久々に夢中で読みました、PCを起動するわずかな時間もページを繰る始末。車に乗せていたらきっと赤信号の時も読んだに違いない…読了して良かったです。

日本で創薬(薬の開発)を学ぶ大学院生の研人と、アメリカ人で現在はアフリカで活動してる傭兵のイェーガー。この全く異なる環境の2人の物語が入れ替わり進行しますが、一体どこで交わるのか、がすごく巧くて面白いです。久々にスケールの大きいエンターテイメントに出会いました。

近未来ファンタジーでありながら、大国の正義という名の欺瞞、難病治療、そして人類の進化!! という壮大なテーマを全て盛り込み、見事に伏線を回収して着地させたプロットはもう、さすが。映画のような展開でした(映画化は残念ながら映像的にムリでしょう)。

評価:(やっぱりエンタメがお好き)
 

ピエタ*大島真寿美

pieta.jpg18世紀爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』 の作曲家ヴィヴァルディは孤児たちを養育するピエタ慈善院で 『合奏・合唱の娘たち』 を指導していた。ある日ピエタで育った教え子の1人、エミーリアのもとにヴィヴァルディの訃報が届く。
(大島真寿美)1962年愛知県生まれ。南山短期大学卒業。『春の手品師』 で文学界新人賞受賞。主な著書に 『ビターシュガー』 『三人姉妹』 など。

巷ですっごく評判が高い本作ですが、私にはあんまり響かなかったかな。主人公エミーリアの気持ちに最後まで入り込めず、ずっと傍観者だったのでエミーリアが悩むピエタ慈善院の困窮ぶりとか、ピエタに捨てられた子どもだった私、という心許なさ、ピエタへの愛着、すべてあんまり伝わらなかった。なんだかキレイ過ぎる感じ。

貪欲であったのはヴィヴァルディ先生だけで、後の登場人物らは冷めているというかイマイチ情熱に足りない感じ。設定も人物らもそれぞれに趣向をこらしてあるのですが、共感も同情もできず、イマイチ楽しめませんでした。残念。

評価:(5つ満点)

スーパーエイト

super8.png1980年代のアメリカ。米軍の秘密施設エリア51から何かが運び出された。輸送中の列車事故により車両が破壊、積荷は消えてしまう。その様子を偶然にも8mmカメラで撮影してしまった少年達がいた。陸軍はカメラの存在に気づき町中の捜索を開始する。やがて町では奇妙な出来事が次々と起こり、行方不明者が続出する。

ET、グーニーズを彷彿とさせる懐かしいアメリカン・グラフティ。時代は1980年代、ウォークマンが出たての頃!8mmカメラっていうのも新鮮。スーパー8は少年達が出品する映画フェスティバルのこと。エンドロールではその出品作品が流れますのでお見逃しなく。

内容は超がつくほどのスタンダード、テーマはやはり多くのアメリカ映画にある 『アメリカの父親は強い』 でありましょうか。つまり内容には斬新さ、オリジナリティはあんまりないけど、観ていて安心というか、いつものやつ。という感じで、楽しめました。
『何か』 とは本当にこちらが誠意を持って話をすれば、理解し合えるものなのでしょうか?

評価:(1つオマケ)

おとうさんはフランス人

todoufuken.png都道府県かるた買いました
2王子も元気に新しい学校、クラスで頑張っております、だいぶ新生活に慣れてきたようです。

都道府県かるた
第2王子は3年生になり生活科→社会科+理科と一気に学習内容が増えてもう大変。ではありますがどちらも意欲的に取り組んでいる様子です。

指導要領が変わり、脱ゆとりということで学習内容が一気に増えたような気がします。宿題の量が2年生の時と比べて4倍になった感じ(我が家感覚比)。週末はいいのですが第1王子がピアノで帰りが遅くなる水曜日などは宿題を見てやるだけで結構なストレス…。とも言っていられずハハも頑張ってます。

さて社会科では地図記号や都道府県について勉強しています。まだ3年生のうちは地元自治体の勉強が主ですが、47都道府県を覚えたいと言っていたので本屋でこのかるたを買ってきました。しかし、これでいいのか…?という読み札の内容。
『形から都道府県を覚えさせる工夫をしてます』 だからって 『犬の形の福井県』 とかってどうなんですか? 『千葉県の 半分は半島 それ本当?』 ってのも、なんなんだー(笑)。

マボロシの鳥*太田光

maborosi.jpg舞台芸人の一瞬の輝きを1羽の鳥に託した表題作。父との不和に悩む娘、イジメにあう男子生徒の葛藤、人類の行く末、そして神の意志まで。芸人 太田光が持てる芸のすべてを注いで描き尽くした初めての小説集。
(太田光)1965年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部中退。お笑いタレント、漫才師、エッセイスト。田中裕二と 『爆笑問題』 結成。著書に 『パラレルな世紀への跳躍』 他多数。
(収録作品)荊の姫/タイムカプセル/人類諸君!/ネズミ/魔女/マボロシの鳥/冬の人形/奇跡の雪/地球発… 
 
『パラレルな世紀への跳躍』 が、ものすごーく良かったのですよ!太田さん天才か、とまで思った私。初の小説ということですごい期待していました。その期待がやや大きすぎたけど、テーマは 『みんな、誰かとつながっている。』 という非常に明確で分かりやすいものだとすぐに伝わったので、それはいいかな。

私は 『荊の姫』 のようなオーソドックスなスタイルのものが好きですね。『マボロシの鳥』 はちょっと長すぎるかも。この本にインスパイヤ、じゃなくて触発されて、影絵作家の藤城清治氏が作った作品が、絵本 『マボロシの鳥』 。3000円もする高級絵本ですが、ちらっと見た限りやっぱりいい!欲しーい!ですがなかなか手が出ないですね。

太田さんも雑誌ダ・ヴィンチ誌上で 『自分が思っていたほどこの本売れなくて不満だったけど(どこまで本気?笑)、藤城さんが絵本にしたいと言ってくださってそれが実現できたこと、それがこの小説への何よりの評価と受け止めている』 というようなこと言ってました。
ehonmabo.jpg自分の本を絶賛してくれ、それに作品(影絵)を付けたいと言ってくれた人がいる。しかもその人が影絵第一人者の藤城さんですし。この絵本の原画展も全国巡回であるのですが、どこかで見られたらなぁ。

図書館に入ったらゆっくりじっくり見せてもらうことにします。
小説の次回作にも期待。

絵本 マボロシの鳥(藤城清治 影絵/太田光 原作・文) 
 
評価:(5つ満点)

パラレルな世紀への跳躍*太田光 2011/02/01

月下の恋人*浅田次郎

gekka.jpg恋人と別れるつもりで出掛けた海辺の旅館で起こった奇跡を描いた表題作。昭和を舞台にアパートの隣の部屋に住む駄目ヤクザを描いた 『風蕭蕭』 。11の短編を収録。
(浅田次郎)1951年東京都生まれ。日本ペンクラブ理事、日本文芸家協会理事。『地下鉄に乗って』 で吉川英治文学新人賞、『鉄道員』 で直木賞、『壬生義士伝』 で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』 で中央公論文芸賞、『中原の虹』 で吉川英治文学賞を受賞。主な著書に 『蒼穹の昴』 『中原の虹』 など。
(収録作品)情夜/告白/適当なアルバイト/風蕭蕭/忘れじの宿/黒い森/回転扉/同じ棲/あなたに会いたい/月下の恋人/冬の旅


ちらっとお話ししましたが私、この春から読書会なるものに入会しました。読書会とは→読書好きが集まって、毎月決められた課題本(テーマ本)を読み、例会時にその感想を発表しあう。という本さえあればお金もかからず本の楽しさを仲間と共有できる、楽しい会。なはずなのですが…。

読書会のことは追々。で6月のテーマ本がこちら。浅田次郎か…自分なら絶対に手に取らないだろうなこういう本。という本との出会いも大切だ、と例会に向けて読んだのですが。
つまらんです。なんというか、ジェネレーションギャップですかこれは。作者の意図が私にはぜーんぜん伝わらないのです…。ともかく感想行きます。

11もの短編集でありながら全体的にイマイチ。謎かけが非常に多く、しかも解答がないまま終わるのでその後想像しようにもしようがなく、フラストレーションが溜まります。謎かけもいいのですがせめてもう少し結論に至るヒントを書き記して欲しいものです。

評価:(5つ満点)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
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車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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