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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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こうふく みどりの*西加奈子

midorino.jpg緑は14歳、子ども以上女未満。初恋はもう少し。話を聞くのが上手なおばあちゃんは自分の夫は失踪中。全く頼りないお母さんはかつて妻子ある男性を愛し緑を出産、その後は緑を連れて実家へ戻りふらふらしている。そんな緑のうちに謎の中年女性が訪ねてくるが。人の縁の不思議さと愛しさを描く。
(西加奈子)1977年テヘラン生まれ大阪育ち。関西大学法学部卒業。『通天閣』 で織田作之助賞受賞。主な著書に 『あおい』  『さくら』  『きいろいゾウ』  『きりこについて』 など。

緑、おばあちゃん、シゲおじさんを刺したムネダさんの奥さん、おかあさん(茜)、従姉の藍ちゃん、その娘の桃ちゃん。不器用な思春期真っ盛りの中学生、緑を取り巻く状況は決して 『普通』 とは言えないけど、それでもいいんじゃないだろうか。幸福幸福と追い求めなくても幸福かもしれないし、そう思えることがもしや幸福なのかもしれないし。のんびりしたストーリーのように見えてその実ショッキングな出来事も用意されており、なかなかな構成上手。でもそういうのもあるよね、と納得してしまう、もしかしてその納得することが幸福なのだろうか?

おかあさんも、藍ちゃんも、桃ちゃんも、そしてみどりもおばあちゃんも。女ばかりの一家もただ幸福なのかもしれない。 『こうふく あかの』 よりは幸福が分かりやすいです。
それにしてもこの 『こうふく あかの』  『こうふく みどりの』  シリーズで描かれているように、アントニオ猪木ってやっぱりスゴイ存在なんだなぁと改めて感心してしまいました(笑)。その影響力が、すごすぎる!


評価:(5つ満点)

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アイーダチケット獲得

aida.png劇団四季のアイーダついに東京へ
劇団四季でアイーダが始まって早数年、関西公演から始まり一体いつ東京へ来るんだ…と思い早数年、ついにやっと!10月から東京公演が決定しました!この日待ち望んだエンタメ同好会諸氏と共に早速チケット取りですが、ここで1つ問題が。

問題と言うほどでもないのですが、当初エンタメ会員4人全員で観る予定でしたがちょうど10月に結婚式の予定が入りました。会員全員参加の結婚式、もちろん私もお呼びいただいていくつもりでしたがそうなると同じ秋に結婚式と観劇で2回上京ということに。日程的にも金銭的にもなかなか厳しく…と思っていたら会員が 『一緒でもいいけど』 そうか結婚式の翌日に観ればいいのか!

その後なかなか会員全員の都合が合わず、結局私は結婚式の翌日に単独観劇ということになりました。私は映画も一人で行きますし大人なので問題ないのですよ。ただ観終わった後エンタメ会員とあーでもないこーでもないと談義する時間がないのがちょっと寂しいけど。

ということで今回大変だったのは、やはり2回に分けてチケット取りがあるということ。発売当日はひどい時は2時間近くオンライン販売サイトにもチケットデスク(電話)にもつながらないので、今回も長丁場を覚悟しておりました。しかし今回は割とスムーズ!友人達は8列目並び、私はなんと4列目が取れました!!かぶりつきで観て、泣いてきます。久々の東京での大掛かりな観劇、楽しみです。

整形前夜*穂村弘

seikei.jpg世界は無数の前夜に満ちている。ノーマ・ジーンがマリリン・モンローに変わるその前夜。期待と恐怖と孤独がひとつの予感に溶けあったその前夜。記憶や日常についての文章と、言葉や本についての文章をまとめた鬼才 穂村弘のエッセイ集。
(穂村弘)1962年北海道札幌市生まれ。上智大学英文学科卒業。歌人、翻訳家、エッセイスト。『短歌の友人』 で伊藤整文学賞、『楽しい一日』 で短歌研究賞を受賞。主な著書に 『シンジケート』 『短歌という爆弾』 『もうおうちへかえりましょう』 『本当はちがうんだ日記』 など。

トンデモ歌人(笑)ホムラさん。その不器用なホムラさんが女性誌(FRAU)で読者向けにコラムを書いてたなんて…。いやホムラさんの不器用ぶりももしかして演出なのか?

『本の雑誌』 初出のコラムはホムラさんのオタクぶり100%で面白い。それによれば 『驚異、を表現できるから歌人』 だというホムラさんは語る、短い一句に言葉をいかにこめるかが歌人なのだ。そこで 『思いがけない』 言葉同士の組合せが名句を作る、なるほど。言葉のミスマッチがすなわち歌になるのだと言う、コレはいいポイントだ。

『共感と驚異』 の章は必読。こういう文章を高校の現国で読ませればいいのに。読者とは 『小説に共感を求め、詩歌に驚異を求めている』 のだそうだ、なるほど!詩歌に求められているのは、ワンダーなのだ!驚異を求める感覚が最も増大するのは思春期である、だからホムラさんはいつまでも少年の心(※のようにやたら恥ずかしがりで自意識過剰)なんだ!それは歌人 寺山修司もだ!

…としばしまた本書で盛り上がってしまいました。時々詩歌が読みたくなる私の感覚はまだ若い(思春期に近い)ってことなんですね、うんうん。

本書でも紹介されている私の好きな大村陽子氏の一句。ホムラさんと感覚が似ていることが嬉しいやら悲しい(!)やら(笑)。

枕木の数ほどの日を生きてきて愛する人に出会はぬ不思議 大村陽子

さらにいくつ枕木を超えればいいのだらう。ということで本書もオタクのアナタは必読です。

評価:(5つ満点)

神去なあなあ日常*三浦しをん

kamusari.jpg高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。チェーンソー片手に山仕事を始めるが、先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来に悩まされる日々。さらに村には秘密があったのだ。厳しい状況に置かれた林業を生業とする村の人々のひたむきさとそこで成長する若者を描く。
(三浦しをん)1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。『まほろ駅前多田便利軒』 で直木賞受賞。主な著書に 『しをんのしおり』 『光』 『三四郎はそれから門を出た』 など。

林業という身近でない話題を選んだのがまず面白い。従事する人々が山を、神様を大切にしている様子、本当にあった神隠し、など主人公 勇気が少しずつ山の暮らしを知り村へ溶け込んでくる様子が伝わってくる。三浦しをんはやっぱりこういうYA向けっぽいのがうまいな。

山で生き、山に生かされそれに感謝してる人々の様子、排他的な様子、その村人が徐々によそ者の勇気に心を開いていく様子もいい。やや夢物語過ぎるけどそれもいいでしょう。ヒルやダニや花粉の話、毎日同じ特大おにぎり弁当(たまにコロッケ入り!)などの細かい描写も良かった。

普段街で暮らす私達が知らない林業という世界とそこで暮らす人々について、実によく調べてあると思う。そこの切り口を都会で育った軟弱ナンパ青少年にしたちゃうところがやっぱり、三浦しをんだなぁ。えっとこの本でもBL要素はあったのかなかったのか?(笑)

 評価:(5つ満点)

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則*本田直之

mendo55.jpg面倒くさいことは放っておくと雪だるま式に増えてしまう。そうならないための逆転の発想術とは? 面倒くさがりやの人のための55の法則を考え方/日常生活/仕事に分けて紹介。55の項目をチェックすれば面倒くさがりやでも人生困らない?
(本田直之)サンダーバード国際経営大学院経営学修士修得。レバレッジコンサルティング代表取締役社長兼CEO。日本ファイナンシャルアカデミー取締役。主な著書に 『レバレッジ時間術』 『なまけもののあなたがうまくいく57の法則』 『「デキる人」の脳 読むだけでこの効果!』 など。 


面倒くさがりなんですよ、私。という人は非常に多いと思われます。だからこういう題の本を出すと売れるだろう、という目測は非常にアタリだと思われます。ということで私も図書館で借りました(つまり買ってないけど、笑)。

 九九を覚えておくと後々一生楽なように、面倒くさがりはその面倒を回避するため少しの面倒をやっておくべきという指南書、その考え方は確かになるほど的なところが非常に多いです。例えば予約できるモノは全て予約する。レストラン、映画、なんでも。それがスケジューリングになる>慌てずにすむ>よりよいサービスが受けられることにつながる、とのこと。全くだわ…。で私がチェックした項目は以下です。

やる気を下げない
結局損するのは自分だけ。やる気は維持するよう心がける。
変えられないものに執着しない
渋滞などは自分の力ではどうにもできない、それに対してイライラしない。その時間をいかに有効活用すべきかを考える。
 
評価:(5つ満点)

疑心 隠蔽捜査3*今野敏

gisin.jpg警察庁キャリアでありながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。相変わらずの変人署長として日々の任務に当たっているが異例の抜擢で米大統領訪日の方面警備本部長の任を受ける。上層部の陰謀を疑う彼の元に飛び込んできたのは大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だった。警視庁から派遣されてきた美貌の女性キャリア、空港封鎖を主張する米シークレットサービス、情報が入り乱れる警備本部で竜崎の決断は。隠蔽捜査シリーズ第3作。
(今野敏)1955年北海道生まれ。上智大学卒業。『怪物が街にやってくる』 で問題小説新人賞を受賞しデビュー。『隠蔽捜査』 で吉川英治文学新人賞、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。TBSドラマ 『ハンチョウ~神南署安積班~』 の原作シリーズなど著書多数。

変人警察キャリア(笑)の竜崎がまたまた帰ってきました。そして今回彼が悩むのは…なんと 『恋心』 !歩く唐変木その竜崎が恋、しかも片思い!40男の純情が描かれていてちょっと怖いです(笑)。しかもその持て余した恋心を禅問答で乗り越えちゃう辺り、やっぱり相当の変人ぶりです(笑)。ちなみに雑誌連載時は 『乱雲』 という題だったそうで、単行本化にあたり改題されたそうですが、どっちかと言えば 『乱心』 じゃないでしょうかね?(笑)

竜崎が惚れてしまう警察庁美人キャリアや竜崎を 『シンヤ』 と呼びたがる(フレンドリー、笑)アメリカのシークレットサービス、そして今回もはみ出しノンキャリ刑事 戸高が大活躍です。竜崎と戸高のコンビはまだまだ続きます。今回の恋愛経験により竜崎自身、また伊丹や戸高との関係が今後どう変わっていくかも楽しみです。今回はやや平凡だったので次回のシリーズ新作には期待してます。

評価:(5つ満点)

はじまり。ナツイチ

natuiti2009.jpg夏の一冊 集英社文庫
ずいぶん更新をサボっている間に各社夏の文庫本フェアが始まってしまいました。今年も各社のオマケに釣られ積読(つんどく)文庫本が増えてゆくのでしょう…。ともあれ最初の一冊は集英社文庫

第1王子の昨年度の 『読書』 と呼べる読書は、夏休みの読書感想文用だった 小川洋子『博士の愛した数式』 のみでした!一年に一冊しか読まないでよく生きていられるもんだ…とゴハンよりも愛よりも、本のみで生きている私には、実に信じがたいことでありますが、彼は一冊しか読んでません。職権濫用(?)で先日学校図書館利用者DBを見たところ、図書室の貸出記録も【0:ゼロ】 。中学校の図書室利用は0冊…ということで今年もムリヤリ、読書感想文用として 三崎亜記 『となり町戦争』 を選択いたしました。

見事にこれが集英社文庫、ありがとう集英社さん。ということで早速オマケをゲット!集英社文庫は数年前から店頭でストラップをもれなくプレゼント、というシステムに変わり一冊で必ずその場でもらえるプレゼントとして、かなりポイント高いです。

夏休み終盤にはまた第1王子との感想文書きの戦いが待っている…そこで私も一応再読しておくか。とチラッと見たらなんと!
<文庫版特別書き下ろし>別章
というのがあるじゃないですか!これだから文庫のチェックも見逃せないのです!文庫版で大幅に改稿する作家もいるし、こういうオマケ章がついてくることもあるし!しかしこのとなり町戦争の別章情報は知らなかった、まだまだ甘いな私の情報収集力(反省)。

natuiti02.png別章だけを読み進めたい気持ちを抑え、この夏は 『となり町戦争』 で感想文制覇を目指します。
(って例年感想文で賞をもらっているとか、そういうことは全くありません…ムリヤリ書かせているだけですがそのくらいしないと第1王子は全く文章を書かない子どもなのです…)

今年もハチさんのストラップ→




スラムドッグ$ミリオネア

slumdog.gifクイズミリオネアでスラム街出身の無学の青年が全問正解を成し遂げる。なぜスラム育ちの彼がクイズの答えを知っていたのか?詐欺を疑うテレビ局から通報を受けて警察へ連れて行かれ厳しい拷問を受けるジャマール。しかし彼にはクイズに正解を出さざるを得ない壮絶な過去があったのだ。青年ジャマールの生い立ちからそこに至るまでの道のりをクイズミリオネアの設問1問ごとに追っていく。2009年アカデミー賞8部門受賞作。

構成、脚本の見事さにはひたすら拍手。非常に巧い構成の作品。冒頭からジャマールは警察で拷問を受けている、クイズで全問正解しただけなのに!電気ショックにもかけられ人権無視のインド警察に最初からショックを受ける。

物語はクイズ一問ごとに進む、果てしなく続くスラム、貧困、暴力。美しい青い空とその下に広がるスラムの対比が痛々しい。イスラム教徒への暴力から逃げたサリームとジャマールの兄弟が飛び乗った長距離列車の中でたくましく商売をしてお金を稼ぐ様子や、列車を降りた先にあったタージ・マハルで生きるためにやったインチキガイド、ホームレスの子ども達を食い物にするチンピラ達との攻防、どの社会ででもジャマールはひたすら生き抜いてきた。決してあきらめないその生命力はどこから来るのだろう?そして徐一問ごとに明らかになっていく、ジャマールの生き様とクイズの問題に正答できた理由、この構成がひたすら巧すぎる!!

それにしてもクイズミリオネアの音楽もセットもライフラインも、みんな同じなんだねー。ラストのライフラインの箇所は設定が巧すぎだけど、それもアリだなと思わせてくれるラストシーン、いいと思います。インドが舞台ということはあまり意識しなかったけどエンドロールで出演者みんながいきなり踊り始めました、ここはやっぱりインド映画だった(笑)。映画で話されている英語もイギリス訛りのインド英語、となかなか興味深かったです。


評価:(5つ満点)
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今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
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木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
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かぎ針編み プール
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