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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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ヒトラーのはじめたゲーム*ウォーレン

hajimeta.jpgポーランドに住んでいたユダヤ人少年のジャック。12歳の時ポーランドがナチスドイツに占領される。その数年後わずか15歳の時にジャックは家族と別れ強制収容所に送られた。劣悪な環境の中で厳しい労働を強いられるジャック。生と死が常に隣り合わせでいつ何時死んでもおかしくない環境の中、ジャックはアーロンという仲間から 『ここで起こることはすべてゲームだと思え』 と言われる。ジャックは 『たった一つのミスが死を意味する』 ゲームを行うことにした、『ナチスより長く生きる』 そのために。
(アンドレア・ウォーレン)アメリカの女性ノンフィクション作家。雑誌編集者、新聞記者などを経て若い人たちに向けて歴史をテーマとしたノンフィクション作品の執筆を行う。

自ら意識を 『これはゲームなんだ』 とそらさなければとても生き抜けなかった、ジャック少年の物語。過酷過ぎる強制収容所の生活を生き抜いた彼の気力は、生きて家族と再会することだった。という事実に本当に泣かされる。わずか15歳で家族と引き離され、労働力としてあちこちの強制収容所を転々とさせられたジャック。行く先々での過酷な労働と生活。戦後70年近くが経過しても決して風化することのない恐ろしいホロコーストの記憶とその事実。

素晴らしいことを行うのが人なら、恐ろしいことを行うのもまた人である。という事実は常に忘れてはならない。

評価:(全てのYAと全ての大人達に)

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啓蟄

tanpopo.png春がきた
雨水からついに啓蟄となりました。春はすぐそこです。ここのところ14日に来る保育園卒園式とその次の日の卒園を祝う会(祝賀会)の準備でしっちゃかめっちゃかです。保育園は皆さん働くママなので本当ーに時間がないのですよ。ということで年度末ということで仕事がほとんどない私が率先して資料を作成したりそれを皆さんへ配布したりこまごまとした買い物に行ったりしてます。今夜は先生方への招待状を作らねば…ホント間に合うのか?

2月は毎年私にとって辛い月です。恐らく日照時間が少ないので体調が悪くなるのだろうと思います(???)。その2月を乗り切る方法として毎年、読書量と映画観賞量を増やすことにしました。そして今年もバッチリ、月間映画観賞数は5本というものすごい記録を樹立!やったー

と楽しく過ごしていただけではなく、今月もちょっとした事件がありました。
春からの希望勤務先へ採用面接へ行き、結果、落ちました。久々に、結構落ち込みました。声をかけてくださった方や既にそこに勤めていて推薦してくれた友人には合わせる顔もなく。

しかし皆さんは 『勤務先が希望じゃなかったから仕方ない』 とかいろいろ励ましてくれました。落ち込んでいるところへちょうど学生時代の友人から電話もあり、ちょっと泣きごとも言えました。何より一緒に面接を受けた友人の 『縁がなかったのよ』 その心強い一言が、沁みます。

正直受かる気マンマンだったので、その態度が一番悪かったのだと思います。すっかり春からの青写真を描いていただけに落ち込みましたが、これもいい勉強でした。毎回このように妙に自信を持っているところに限って採用されないことが多いです、自分の慢心に反省です…。

また精進したいと思います。
でも一ついいこともありました。落ちると思っていた通信大学の試験が、2つとも合格!! しかも成績はどちらも 『優』 !! 年度末だからサービスとか?ともかくこれで試験は終了したのであとはレポートを出すのみだ!

【2月できたこと】
読書6冊
映画観賞5本(月間最高記録樹立)
隣県M市へ講演会
通信大学試験→終了!
歯医者通院(私、第1王子、第2王子)
市民英会話

英雄の書*宮部みゆき

eiyuu.jpgお兄ちゃんが人を刺すなんて。 『英雄』 に取り憑かれた兄を救うため、友理子は物語の世界へと旅立った。異界で旅をする友理子に従う従者の僧侶と、戦士である 『狼』 。旅の行く先には何があるのか、友理子は兄の魂を救えるのか。ついに 『英雄』 と対峙した時、友理子はおぞましい真実を知る。英雄の書とは一体何なのか。宮部みゆきのファンタジー、 毎日新聞連載に加筆修正。
(宮部みゆき)1960年東京都生まれ。 『我らが隣人の犯罪』 でオール讀物推理小説新人賞、『蒲生邸事件』 で日本SF大賞、  『理由』 で直木賞、 『模倣犯』 で毎日出版文化賞特別賞、司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞、『名もなき毒』 で吉川英治文学賞を受賞。

宮部の新刊。ということで内容も確かめずにまず図書館予約。動きが早かったため今回も栞が使われていない→誰も読んでいない、新着ホヤホヤの本が手元に来たのは嬉しいのですが。読み始めてからシマッタ、と思いました。ファンタジーです。私は宮部のファンタジーはどうも苦手なのです。しかしせっかくの上下巻なので読みました。

久々の少女主人公、これはクロスファイヤ以来では?異世界へ旅立つ点はブレイブ・ストーリーICO霧の城と同じですが、今回のキーは 『物語』 。物語、本として人から人へ語られるものとしての物語、ストーリーに含まれる正義と悪について。それは表裏一体のものだというのだ。

主人公は小学生の友理子、異世界ではお決まり通りカタカナ名の 『ユーリ』 となるのだが、ユーリは現実社会で人を刺すという 『罪』 を負った兄の魂を救いだすために旅に出る。旅の途中でユーリはこの世界の成り立ちや、なぜ兄が罪を犯すに至ったかを様々な人々との出会いから徐々に知っていくのだが…。

クライム・ノベルとして本作を見た場合、このあり方はどうだろう。
兄が罪を犯したのは 『英雄の書』 と呼ばれる物語にとり付かれたため。 『英雄の書』 は正義と悪の二面を持つ物語であり、兄はその物語に付け込まれたのだと言う。

それならば、兄の犯した罪は全て英雄の書に原因があり、兄は本来は無罪なのだろうか?イヤ付け込まれた以上兄にも罪があるのだろうか? 『正義をなすことは一方では罪である』 というテーマとも読み取れる本作は、私のような大人(一応)読めば問題ないがYAの世代に訴えかける内容としてはやや刺激的過ぎやしないか?そんなことは懸念する必要もないのだろうか?やはり、宮部がファンタジーという形式を通じて何を最も訴えたいと願っているのか、イマイチ私には掴めない。

ただ物事には必ず表裏があり、本当に正しいこと、本当に間違ったことはない、ということを言いたいのかもしれない。それでもなお、ユーリの兄 大樹が現実社会で起こした罪は間違ったものである。その誤りに肩を持つということか?と読了直後は思っていました。

が、 『加害者の家族』 という立場のユーリのことを思えば、これまでの宮部のファンタジーとは異なりラストのエピローグでユーリの未来が明るく開けていることに、非常に安堵を覚えました。ブレイブ・ストーリーのラストがどうしてもイヤだったのでコレは相当ホッとしてしまいました。いずれにせよ立場が非常に微妙な設定のストーリーで、エンタメとしてはアリでも新聞連載としては、どうなのでしょう。

評価:(でもラストは泣いた…)

Star Wars: A POP-UP GUIDE to the GALAXY

swpub01.jpgスターウォーズ旧三部作(エピソード4~6)の内容のポップアップブック。6ページの大きな見開きと各ページに多数ある小さな仕掛けで構成される。世界/クリーチャー/宇宙船/モスアイズリー/キャラクター/ジェダイvsシス、のカテゴリ毎に多くのスターウォーズに関する情報を掲載、カーボン冷凍されるハンソロやアクバー提督、カルルシアン男爵などマニアも大喜び。ルークとベイダーの対決で内蔵電池によりライトサーベルが光る仕掛けが凄すぎる!

友人が 『誕生日プレゼント』 と笑顔でくれました。開けてビックリ、マニア専用のものすごいものが!!! これはすごいです!

背表紙の厚さはおよそ10cm。この厚さに驚きつつ分厚い絵本を開くと、めくるめくスターウォーズの世界が!友人をそっちのけで 『あっタトゥーインだ!』 『ファルコン号が出てきた!』 『R2と3POが立った!』 ともにょもにょ興奮する私。すごいですよコレは!

こんなコアなマニア向けの、しかも高級な絵本をお贈りいただき、本当にありがとうございます。いつまでも大切にし、私設図書館開設の暁にはケースに入れて 【禁帯出】 本として展示させていただきます。

すごいページを少し紹介しちゃいます。

swpub02.jpgジェダイ VS シス
ルークとベイダーの対決。なんと双方のライトセーバーが光る!更に中央のでっかいベイダーの顔の中には、年老いたアナキン・スカイウォーカーの顔が見えるという、すごい仕掛け!

宇宙船たち
ファルコン号が立体に。スターデストロイヤーやXウィング、タイファイターも。宇宙船は揺れるんだろうな…私には無理だな。

評価:
(さつきさんいつもありがとう




ガール*奥田英朗

girl.jpg女30代でキャリアガール。既婚でも独身でも、子供がいてもいなくても、立場は違えど働くことは同じこと。強いけどキュート、それがガール。そんな彼女たちの5つの物語。
(奥田英朗)1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て作家に。『邪魔』 で大藪春彦賞、『空中ブランコ』 で第131回直木賞を受賞。主な著書に 『イン・ザ・プール』 『町長選挙』 など。
 (収録作品)ヒロくん/マンション/ガール/ワーキング・マザー/ひと回り

某オンライン書店の書評に 【奥田英朗、女性説】 というのがあり、この見事な書評に唸ってしまいました。まさにその通り。この本を未読の方に表紙を隠し、林真理子の本だと言って読ませたら絶対信じるはず。と思うほど、こういう題材がお得意な林真理子ら女性作家の作品のようでした。

30代女性会社員がいずれも主人公。華やかな部署の主人公もいればそうでない人も。独身でマンション購入を検討している人もいれば、シングルマザーも。立場はそれぞれ違えど、女は誰しも 『生涯、一(いち)ガールでありたい』 と思っている。

という奥田氏の主張に、私も一票です。

評価:(5つ満点)

マルタのやさしい刺繍

maruta.gifスイスの小さな村に住む80歳のマルタは最愛の夫に先立たれ生きる気力をなくしていた。ある日若かりし頃の夢である手作りのランジェリーショップをオープンさせることを思い出した彼女は、友人3人とともに夢を実現させるために動き出す。排他的な村人たちの冷たい視線や牧師である息子の非難を受けながらも、一歩ずつ夢を叶えてゆくマルタと友人達を描く。07年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

スイスだからドイツ語。なのにみんな 『Merci』 って言うんですよね。でも 『Ja, Ja』 って言ってるしやっぱり雰囲気はドイツ語。スイスではありがとうだけメルシーなのだろうか???

田舎特有の閉塞感とその中でそれを吹き飛ばすだけの情熱を持ち続けた80歳のマルタと彼女を支える友人達。やがてそれが村人の中にも理解を得られるようになっていく様子は清々しいです。

80歳のマルタとその友人のおばあちゃん達のパワフルなこと!『あきらめずにいれば夢は必ず叶う』 『友はいつもあなたの隣にいる』 ことを教えてくれます。

評価:(5つ満点)

チェンジリング

changeling.gif1928年ロサンゼルス。シングルマザーとして子育てをしているクリスティンの9歳の息子が失踪し5ヶ月後に発見された。だが警察が連れ帰ったのは見知らぬ少年だった。別人だと訴えるが警察は聞き入れない。なぜなのか、本当の息子はどこへ行ったのか?息子を取り戻すため7年もの間 真実を追い続け戦い続けた一人の母親の物語。ラストに訪れる驚愕の真実とは。

アンジェリーナの美しさが素晴らしい。マルコヴィッチの骨太感が素晴らしい。彼はアジア的な雰囲気があると常々私は感じているのですがいかがでしょうか。

警察の威厳にこだわる警部と息子を探し続けるMrs.コリンズ。この時代背景も興味深いです、路面電車の様子、古いフォード車、電話交換手の女性たち、そして何よりも離婚して一人で子育てをしている彼女のことを、みんなが 『Mrs.』 コリンズ、と呼ぶこと!Mrs.じゃないのに!…やっぱり、時代だ。

骨太ストーリーで飽きさせない展開。イーストウッド監督の手腕を十分に堪能できる作品です。

評価:(5つ満点)

おくりびと

okuribito.gifオーケストラでチェロ奏者だった大悟は楽団の解散により失業、妻を連れ郷里 山形県酒田市へ戻ってきた。仕事を探すうち成り行きで亡くなった人を棺に納める職業である 『納棺師』 の職を得るが、妻や幼馴染はそのことに嫌悪感を示す。大悟自身も自信の持てぬまま仕事を続けていたが、様々な別れと向き合ううちに彼は少しずつ変化を遂げていく。葬儀という儀式を通じて人の生死について見つめなおす。重いテーマをギャグを盛り込み見事に表現。本年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

アカデミー賞受賞後は毎回満席でとても見られない状態になったそうで…先に行って来てよかった。秋口に公開された頃は特に興味がなかった本作ですが、友人に勧められ 『ヒロスエはどうでした?』 と聞くと 『いや、途中からヒロスエってことが気にならなくなるくらいいい映画だから、行ってみて。』 という友人のコメントが面白くて、こりゃ見なきゃと思ってました。でリバイバル上映が始まり早速行ったわけです。

ヒロスエ。彼女が現実的な思想の妻役ってところがある種、逆説的演出を狙ったのでは?とか思いましたがいかがでしょうか。

展開とそのテンポ、ところどころ絶妙に織り込まれたギャグシーン(笑い)、すべてが小気味よく進むバランスの取れた映画です。死とは、故人との想い出を振り返るための必要なステップだということを教えてくれます。

今回受賞となったのはこの、分かりやすさが一番の理由ではないでしょうか。難しいテーマと思われがちな 『死』 。それは決して難しいことではなく、心のまま素直に故人との想い出に浸ることが一番の 『おくり』 の気持ちである。ということではないでしょうか。

邦画の素晴らしさが世界に認められ、喜ばしいことですね。

評価:(5つ満点)
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今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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