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読書と映画と観劇と

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夜明けの街で*東野圭吾

yoakenomatide.jpg不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた。そう思ったいた渡部は、派遣社員として入社してきた秋葉に電撃的な恋をしてしまう。彼女を失いたくないと思い始めた渡部だが、彼女には謎めいた一面があった。彼女の実家では15年前に殺人事件が起きていたのだ。そして事件は間もなく時効を迎えようとしていた。 『野生時代』 連載を単行本化。
(東野圭吾)1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。主な著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。

正直妻の立場にある自分が読むとツライ部分が多い作品ですが、なるほどなーと思わせる箇所がいくつもありました。結局オトコの生理はオンナには理解しがたいものなのだろうか?という感想です。

友人を巻き込んでまで恋人 秋葉とクリスマスイブ、バレンタインデーを過ごそうとする渡部の意地と努力には、呆れるというより感心してしまいました。夫・オトコの視点を見ることができて、逆に女性読者にはオススメかもしれません。番外編 『新谷君の話』 これだけだとあまりにも世俗的でつまらないのですが、渡部の本編と合わせて読むからこそこの番外編が活きており、面白い趣向ですね。連載中はこの 『新谷君の話』 は途中で出現したそうですが、単行本は構成上最後に載っています。途中で出てくるからこそ、パンチが効いて面白かっただろうなぁ。

ちなみに東野作品 『白夜行』 では夏美 『幻夜』 では美冬、と出てきて今回は秋葉。となると次回作はやっぱり 『春』 でしょうか?明るい話を期待したいですね。

評価:(ちょっとオマケ)
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MASTERキートンDVD

keatondvd.jpg考古学者にして保険調査員、そして元SASの教官という変わったキャリアを持つ男、キートンの活躍を描いた人気アニメ。各巻テレビ放送された2話に新作エピソードを1話追加し、全13巻39話。
(原作)浦沢直樹/勝鹿北星 MASTERキートン 全18巻

随分前に職場でもらった本DVD全13巻。なぜかこの頃毎晩子ども達が見ています。初めてアニメ化された時は夜中の放送でなかなか見られず、友達がビデオに撮ったものをうちへ持って来てくれてうちで見たっけなぁ。女3人集まってキートン先生のビデオ見ていて、今思えば結構笑えます。

さてこのアニメは非常に良く出来ています。キートンファンも大満足です。キートンの声の声優さんもバッチリだし、ダニエル、チャーリー、百合子、そして父 太平の声もいずれもバッチリ。映像化されて改めてキートンの良さを感じることのできる素晴らしい作品集です。

持ってるだけで満足のそんなキートンDVD、子ども達もなぜかハマッてしまい、一石二鳥?第1王子は 『小さな巨人(リトル・ビッグマン)』 が一番面白いそうで、渋いわね。私は 『屋根の下の巴里』 か 『瑪瑙色の時間』 かなぁ。 『シャトー・ラジョンシュ1944』 も原作とちょっと違ってて好きですね。
こういういいアニメを子どもと一緒に楽しめるようになってきた、ということが嬉しいですね。

全13巻。私の宝物です。老後まで何度もじっくり楽しめるぞ(笑)。

評価:(5つ満点)

現実入門*穂村弘

genjitunyumon.jpg世の中の普通の 『現実』 を怖れ逃げ続けてきた男、歌人 穂村弘。42歳にして初めて挑む、普通の人が普通に体験している 『現実』 の数々。献血、モデルルーム見学、占い、合コン、競馬、大相撲観戦など。2回に1回は結婚ネタに入門していくうちに、いつの間にやらプロポーズも体験? 『小説宝石』に掲載された 『ふるふる初体験』 を改題し単行本化。
(穂村弘)1962年北海道札幌市生まれ。上智大学英文学科卒業。歌人、翻訳家、エッセイスト。主な著書に 『シンジケート』 『短歌という爆弾』 『もうおうちへかえりましょう』 『本当はちがうんだ日記』 など。

ホムラさんのエッセイ前2作 『もうおうちへかえりましょう』 『にょっ記』 があまりに面白かったので、正直この本への期待は大きすぎました…あまり面白くなかった。
どうせなら各章のタイトルを 『1.献血』 『2.占い』 『3.相撲観戦』 とかにして欲しかった。

ホムラさんがこれまでの人生で未経験の 『現実』 項目について感じたイメージを、経験前と後でどう変わったか、などをもっと具体的にハッキリクッキリ書いて欲しかったなぁ。何かダラダラして終わってしまった印象です。

更に!この本では私の記憶する限り、ホムラさんの本業である短歌が、一首しか出てこない!こんなことってアリ?ホムラさん本業の歌を詠まなくてどうするの?
更に最後の2章、これは蛇足×2では。少しずつ笑える箇所はあったものの、全体として全然まとまっておらず…残念の一言。

評価:(5つ満点)

夕凪の街 桜の国

yuunagi.jpg高い評価を得ている原作に忠実に沿った内容なのでした。映画という映像表現ならではの現在と過去の場面切り替えが巧みなシーンが多く、素晴らしいと感じました。

昭和33年(原作では30年)の広島のセット、背景はCGであることが分かりますがそれでもなお見事ですね。バラック街の様子もよく出来てます。昭和30年代の洋品店、設計事務所の様子、会社の雰囲気など考証がきちんとできているので、見ていて違和感がなく安心していられます。

第一部の 『夕凪の街』 では原作にはない皆実と恋人 打越と、弟 旭との交流が多く描かれているのが、第二部の 『桜の国』 にも繋がっており、物語の軸としているところがいいですね。

田中麗奈は今回も良かったです、彼女の持つ存在感はやはりスクリーン向き、強すぎる個性が私は好きです。彼女に比べると東子役の中越典子はどうしてもどのドラマでも同じ感じに見えてしまってやや残念。もう少し東子の儚い部分や芯の強い部分が出なかったものか…ということを色々考えてみてもやはり映画は女優ですね。

評価:(5つ満点)

アイロンビーズ

ironbeads01.jpg情熱でアイロンビーズ!
PTA委員会でバザー用に毎年アイロンビーズの作品を作っているのですが、その製作には今回初めて参加しました。そして、思いっきりはまってしまいました…こんなに面白いなんて!この丸いビーズをビーズ台の上に地道ーーに並べていると、妙ーーに癒されます。そして、やたらに作ってしまいました。

ironbeads02.jpg学校バザーでの販売は大きさに関係なく1つ50円で販売なので、どんなに頑張ってもあまり売上は出せないのですけど…。でもお買物をしてくれるのが小学生だから仕方ないですけどね。

【トーマスとおともだち】
最初にトーマスセットを買ったのでトーマス作りまくり。トーマス、パーシー、ジャームス、ゴードン、ヘンリー、エドワード、そして四角い電車のトービーにヘリコプターのハロルドもいるんですよ!ってマニアにしか分からん…。

夏の終わり

icetea.jpgさよなら夏の日
あんなに暑かった夏と子ども達の夏休みが終わり、気がつけば涼しい風が吹くようになりました。秋がやってきたのですね。

この4月以降、実に多くの本を読んできました、小説一辺倒で実用書は苦手だった私が、手芸の本以外も少し手に取るようになったのは大いなる進歩ですね。ストーリーテリングサークルに入会したのも大きなきっかけで、毎月の例会で皆さんから紹介のある 『読んでおくべき一冊』 は実に新書系がとっても多いです…ガンバリマス。

そんなこんなで楽しく読書はできているのですが、気がつくと今年は読書以外、ほとんど何もしていないような…それでいいのか?と思っている私に答えが見つかりました。

夢を与える*綿矢りさ

yumewoataeru.jpgチャイルドモデルから国民的アイドルとなった美しい少女 夕子。幼い頃からモデル、CMの中で生きてきた彼女はある出来事をきっかけに大ブレイクする。その一方でままならない学校生活、マネージャーとして常に一心同体の母、別居する父とその愛人、初めての恋愛と身を襲うスキャンダルと夕子の華やかながらも慌しく過ぎる18年の日々を描く長篇小説。
(綿矢りさ)1984年京都府生まれ。 『インストール』 で文藝賞を受賞しデビュー。『蹴りたい背中』 で第130回芥川賞を史上最年少19歳で受賞。 

ずいぶんしっかり取材をしたんだろうな、と思わせる骨太ストーリーでした。構成も上手いですね、チャイルドモデル夕子の誕生から、つまり両親の出会いから描いたというところ。それが一貫して夕子の視点できちんと描かれています。

実際多少の違いはあれ、子どもタレントってみんなこうした苦労を背負っているんだろうな、そしてその家族、特に母親もそうなんでしょう。綿矢氏の凝った文体が 『蹴りたい背中』 の時と比べて作りすぎと感じさせないながらも上手いな、と思う箇所が多かったです。

単に同情を引く内容としては描かず、夕子自身が自分のこれまでの人生を初めから一歩下がって見てしまっている点が、悲しくも上手いですね。コピーで使われている
『無理をして手に入れたものは、いつか離れてゆく。』
『私は他の女の子よりも早く老けるだろう。』
などはやはりズバ抜けて文章表現が高いことを感じさせますね。

『蹴りたい背中』 ではその文章表現ばかりが目立って先走り感があったけれども、今回はチャイルドモデルのブレイクと挫折、という骨太ストーリーがしっかり組まれていて、表現だけが浮くことがなかったように思えます。それだけこのストーリーが訴えることは大きいし、主人公の描き方も良かった。しかし18歳にして自我も常識もなく流され続けてきた夕子、彼女がこれから自我というものを獲得するにはどれほどの月日と労力がかかるのだろう。

なぜ十代を思春期というか、それは人生の中において思い悩む必要があるからで、それらを全て放棄して十代を過ごしてしまった夕子は、これから思春期を迎えるのだろうか。
などと最後考えました。

評価:(5つ満点)

楽園*宮部みゆき

rakuen.jpg模倣犯事件のショックを引きずるフリーライター前畑滋子の元に、12歳で死んだ少年の母親から調査依頼が舞い込んだ。絵を描くのが好きだった少年は、スケッチブックに予言とも言える絵を遺していたというのだ。それは16年前に殺された少女の遺体の絵だった。しかし少年は殺された少女の事件が明るみになる前に死亡していたのだ。少年の目には何が見えていたのか。そして少女の死は何を残したのか。母親の少年への想いを汲み取り調査を無償で引き受けた滋子だったが、真実を突き止めようとすればするほど少年の 『予言』 と予言に描かれていた少女殺害事件に巻き込まれていく。事件はどこへ向かうのか。 『模倣犯』 に続く、宮部みゆきの真骨頂。
 (宮部みゆき)1960年東京都生まれ。 『我らが隣人の犯罪』 でオール讀物推理小説新人賞、 『理由』 で直木賞、 『模倣犯』 で毎日出版文化賞特別賞、司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。  

久しぶりに、読むのがもったいない小説でした。
続きを読みたい、でも読むと終わってしまうのが惜しい、下巻に入ってからは幾度となく残りページを確認してしまうほど。こんなに終わるのが惜しい小説は桐野夏生 『グロテスク』 以来です。やはり宮部みゆきの真骨頂、帰ってきた前畑滋子バンザイ!ですね。

2組の家族が象徴的に登場する。まだ12歳だった一人息子を亡くし孤独の身になった敏子。絵が得意だった彼は、普通の絵を描いたスケッチブックとは別に、 『おかしな絵』 ばかりを集めたスケッチブックを遺していく。この 『おかしな絵』 は一人息子の等が予言か透視の能力があったためではないか、と敏子は滋子の元へ調査を依頼してくる。

まずここで読者は、そして滋子も 『予言や透視など、そんなことはありえない』 という視点から等のスケッチブックの謎を切り崩していこうとする。しかし滋子が追えば追うほど等にはそうした能力が備わっていたのでは…という確信に近いものに近づいてしまうのだ。

評価:(宮部みゆきが日本語で読める日本人でいてよかった)

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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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