考古学者にして保険調査員、そして元SASの教官という変わったキャリアを持つ男、キートンの活躍を描いた人気アニメ。各巻テレビ放送された2話に新作エピソードを1話追加し、全13巻39話。
(原作)浦沢直樹/勝鹿北星 MASTERキートン 全18巻
随分前に職場でもらった本DVD全13巻。なぜかこの頃毎晩子ども達が見ています。初めてアニメ化された時は夜中の放送でなかなか見られず、友達がビデオに撮ったものをうちへ持って来てくれてうちで見たっけなぁ。女3人集まってキートン先生のビデオ見ていて、今思えば結構笑えます。
さてこのアニメは非常に良く出来ています。キートンファンも大満足です。キートンの声の声優さんもバッチリだし、ダニエル、チャーリー、百合子、そして父 太平の声もいずれもバッチリ。映像化されて改めてキートンの良さを感じることのできる素晴らしい作品集です。
持ってるだけで満足のそんなキートンDVD、子ども達もなぜかハマッてしまい、一石二鳥?第1王子は 『小さな巨人(リトル・ビッグマン)』 が一番面白いそうで、渋いわね。私は 『屋根の下の巴里』 か 『瑪瑙色の時間』 かなぁ。 『シャトー・ラジョンシュ1944』 も原作とちょっと違ってて好きですね。
こういういいアニメを子どもと一緒に楽しめるようになってきた、ということが嬉しいですね。
全13巻。私の宝物です。老後まで何度もじっくり楽しめるぞ(笑)。
評価:(5つ満点)
高い評価を得ている原作に忠実に沿った内容なのでした。映画という映像表現ならではの現在と過去の場面切り替えが巧みなシーンが多く、素晴らしいと感じました。
昭和33年(原作では30年)の広島のセット、背景はCGであることが分かりますがそれでもなお見事ですね。バラック街の様子もよく出来てます。昭和30年代の洋品店、設計事務所の様子、会社の雰囲気など考証がきちんとできているので、見ていて違和感がなく安心していられます。
第一部の 『夕凪の街』 では原作にはない皆実と恋人 打越と、弟 旭との交流が多く描かれているのが、第二部の 『桜の国』 にも繋がっており、物語の軸としているところがいいですね。
田中麗奈は今回も良かったです、彼女の持つ存在感はやはりスクリーン向き、強すぎる個性が私は好きです。彼女に比べると東子役の中越典子はどうしてもどのドラマでも同じ感じに見えてしまってやや残念。もう少し東子の儚い部分や芯の強い部分が出なかったものか…ということを色々考えてみてもやはり映画は女優ですね。
評価:(5つ満点)
模倣犯事件のショックを引きずるフリーライター前畑滋子の元に、12歳で死んだ少年の母親から調査依頼が舞い込んだ。絵を描くのが好きだった少年は、スケッチブックに予言とも言える絵を遺していたというのだ。それは16年前に殺された少女の遺体の絵だった。しかし少年は殺された少女の事件が明るみになる前に死亡していたのだ。少年の目には何が見えていたのか。そして少女の死は何を残したのか。母親の少年への想いを汲み取り調査を無償で引き受けた滋子だったが、真実を突き止めようとすればするほど少年の 『予言』 と予言に描かれていた少女殺害事件に巻き込まれていく。事件はどこへ向かうのか。 『模倣犯』 に続く、宮部みゆきの真骨頂。
(宮部みゆき)1960年東京都生まれ。 『我らが隣人の犯罪』 でオール讀物推理小説新人賞、 『理由』 で直木賞、 『模倣犯』 で毎日出版文化賞特別賞、司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
久しぶりに、読むのがもったいない小説でした。
続きを読みたい、でも読むと終わってしまうのが惜しい、下巻に入ってからは幾度となく残りページを確認してしまうほど。こんなに終わるのが惜しい小説は桐野夏生 『グロテスク』 以来です。やはり宮部みゆきの真骨頂、帰ってきた前畑滋子バンザイ!ですね。
2組の家族が象徴的に登場する。まだ12歳だった一人息子を亡くし孤独の身になった敏子。絵が得意だった彼は、普通の絵を描いたスケッチブックとは別に、 『おかしな絵』 ばかりを集めたスケッチブックを遺していく。この 『おかしな絵』 は一人息子の等が予言か透視の能力があったためではないか、と敏子は滋子の元へ調査を依頼してくる。
まずここで読者は、そして滋子も 『予言や透視など、そんなことはありえない』 という視点から等のスケッチブックの謎を切り崩していこうとする。しかし滋子が追えば追うほど等にはそうした能力が備わっていたのでは…という確信に近いものに近づいてしまうのだ。
評価:(宮部みゆきが日本語で読める日本人でいてよかった)