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読書と映画と観劇と

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僕の明日を照らして*瀬尾まいこ

bokuno.jpg中学2年の隼太に新しい父 優ちゃんができた。優ちゃんと一緒の夜は恐くないはずだったのに。キレて自分を殴る優ちゃんを隼太は失いたくない。虐待を受ける側の隼太の視点に立った、克服までの日々を描く。
(瀬尾まいこ)1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。『卵の緒』 で坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー、『幸福な食卓』 で吉川英治文学新人賞、『戸村飯店青春100連発』 で坪田譲治文学賞を受賞。著書に 『図書館の神様』 『優しい音楽』 『強運の持ち主』 など。

DV、しかも母の再婚相手からというシチュエーションは状況としてはかなり深刻なはずなのに、この希望を見出そうとする、底知れぬ力はどこから来るのだろう。暴力を振るう義父 優ちゃんが中学生の隼太に庇われている、すなわち保護されている、この難しい状況を描ききった瀬尾まいこの、現役教師という立場、子どもを見守る目のの確かさを再確認しました。

今回は完全にブレのない視点で良かったです。父子でもない兄弟でもない、でも他人でもない実に不安定でありながら互いを求めてやまない義理の父子、という難しい題材を、ここまで爽やかに描ききった筆力に、やはり脱帽ですね。瀬尾まいこは見逃せません。

評価:(5つ満点)
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サラダスピナー

saladspinner.jpgサラダスピナー:野菜の水切りを行う器具。ザル状のかごにレタスなどの野菜をいれてフタをし、フタに付いているノブを回すとかごが回転(スピン)して遠心力で水か切れるもの。洗濯機の脱水と同じ方法。

先日高校の友人Keiko宅に遊びに行った際、サラダを作るお手伝いをしてこれを初めて使いました。サラダスピナー。これは実にシンプルな構造ながら、かなり水が切れるスグレモノです。これまで一生懸命キッチンペーパーで水を拭いていた私は何だったのだ…ペーパーもったいない、といつも思っていたので実際に使ってみることができて目からウロコがボロボロでした。家に帰り早速アマゾンで購入。この頃立て続けにアマゾンでキッチン用品を購入しているのでアマゾンからのお知らせメールの内容がキッチン用品ばかりになりました(笑)。

Keiko宅にあったのはパール金属の直径30cmほどの大きいもの。私は直径20cm弱のフタがピンクのこちらにしました、フタがピンクのサイズがこれしかなかった。若干小さい感じがしますが、この鮮やかなピンクが可愛くて使うたびにゴキゲンです。もちろん水切れもかなり良好で、嬉しくて毎回グルグル回しております。違うメーカーのものも沢山出ていて価格は300~2000円位までと様々です。久々に買って大成功、の本品、皆様にも強力オススメです。

それにしても毎回Keiko宅に行くたびに欲しいものがいっぱい、食器洗い乾燥機やダッチオーブンなど。食器洗い乾燥機は義母に却下されたのですがダッチオーブンはいつか欲しいなぁ。

第9地区

dai9chiku.gif南アフリカ上空に突如現われた正体不明の宇宙船。攻撃もしてこない彼らを難民として引き受けた南ア政府は彼らと共同生活を送ることになる。それから28年、市民と彼らとの争いは絶えず、共同居住区第9地区はスラムと化したため超国家機関MNUは彼らを強制収容所に移住させる計画を立てる。それがすべての引き金だった。

シャッターアイランドに比べて非常に分かりやすい、私にはやっぱりこういう単純な筋書きの方がいいですね(笑)。宇宙人らをエビ(prawn)と蔑称で呼ぶ地球人、私エビが好物なんですけど…。

南アフリカ、第9地区という名称から公開前からアパルトヘイト問題の隠喩だという話題でいっぱいの本作でありますが、アパルトヘイトと一緒にされても困るのは、エイリアンらが正直あまり好ましい存在として描かれていないことですね。生肉を食しなぜか猫缶(キャットフード)に目がなく、猫缶詐欺が横行しているって…。スラム(居住区)やギャングとのやりとりのシーンなどところどころ表現としていいのかと思うシーンもあり、内容はR15だと感じます、小さい方にはオススメできません。なかなかにグロテスクな映像も多く、評価が分かれるとは思いますが、ラスト様々な謎を残し続編を煽るところにまた、心惹かれてしまいました。続編も多分観ますね。

俳優の有名どころも使わず派手なアクションもない割によくできている、という巷の評判通りです。エイリアンも実によくできてます、動き回る触手が実にリアルで怖いです。最新のSFXも見られ適度に娯楽と家族愛?も描き、盛りだくさんです。

評価:(5つ満点)
 

シャッターアイランド

shutter_island.gif精神を病んだ犯罪者の収容施設がある孤島シャッター アイランド。厳重に管理された施設から1人の女性患者が謎のメッセージを残して姿を消す。孤島で起きた不可解な失踪事件の担当になった連邦保安官のテディ・ダニエルズは徐々にこの孤島の怪しさに気付き始める…。

実は…最後の最後であるラストシーンまでトリックが全然つかめていませんでした!エンドロールが始まっても
『は?終わり?で実は何がどうだったの?』 と思っていたら、帰りかけていた他のお客さん達が
『どこから気付いてたー?』 と話してました。すみません、どこからも何も今現在も分かっていないのですが…。
 

という意味では私はこの映画を満喫?したらしいですが、やっぱり私にはこういう大仕掛け物はダメのようです。全然トリックが分からないため楽しませんでした(爆)。映画は私にはストーリー重視の方がいいようです。

本当にこの作品の狙いというものが全然分からないので、友人にもし観たら解説をしてくれ、とメールを送ったら 『観ない。大体オススメじゃない映画をわざわざ観に行かない。』 とアッサリ拒否のメールが…そりゃそうだ。寝不足なのもありましたがその言い訳をしなくても今回サッパリ分かりませんでした。

映画の始まる前に 『登場人物らの視線、仕草に注意しましょう』 とか 『まだ映画を観ていない人にこの結末を話しては絶対にいけません』 とかアレコレ言われて、それだけでちょっと閉口気味だったのもあります。ええ、結末は誰にも言いませんとも!だから誰か解説してちょうだい。インターネットで個人の方の解説ブログとかも見ましたが、それでもイマイチ納得できない。色々なところがアナグラム(文字の入れ替えにより言葉遊びをする)になっているそうで、その辺がもっとよく理解できるほどの英語力がなければ、本当にこの映画の面白さを理解できない、ということだけは、よーく分かりました(笑)。

ということでデカプリオはいつまでも若いなーってのが感想、以上です(笑)。

評価:(5つ満点)

ゆれる*西川美和

yureru01.jpg

東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟。だがふたりは互いを尊重しあっていた、あの事件が起こるまでは。2006年公開映画を監督自らが小説化。読売文学賞受賞作。
(西川美和)1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。映画監督、作家。映画作品に 『蛇イチゴ』 『ゆれる』 『ディア・ドクター』 。

映画のノベライズでありながら単に映画を振り返ったものになっておらず、各章を登場人物らの独白という形で表現している点が秀逸。弟 猛の後悔、兄 稔の激情が行間からも伝わってきます。なぜわざわざ文庫版を読んだかというと、映画主演 香川照之(稔)によるあとがきがあるからなのです!このあとがきを読むためにこの本を読んだといっても過言ではないというかその通りだし。

ラストシーンで出所しバス停に立つ稔。稔に呼びかける猛。そして猛に応じる稔のあの、恐怖の笑顔。その後、稔は、猛はどうなったのか?が香川によるあとがきです。このあとがきもごくごく短いんですけどね、でも稔本人が書いた!と思うだけで妙に興奮してしまいますね(笑)。本作は小説としても秀逸です、西川美和氏の才能に乾杯、完敗です。

評価:(5つ満点)

葉桜の季節に君を想うということ*歌野晶午

hazakura.jpg自称 『何でもやってやろう屋』 の元探偵 成瀬将虎。体を鍛えることと運命の女に出会うことを日々精進する俺は、ひょんなことから霊感商法に関連する保険金殺人事件の真相を暴くよう依頼を受ける。事件は解決できるのか、そして俺は運命の女に出会えるのか?ラストに待ち受ける本編全体に掛けられた大仕掛けとは?日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞受賞作。
(歌野晶午)1961年千葉県生まれ。東京農工大学農学部卒業。 『長い家の殺人』 で推理作家としてデビュー。主な著書に 『白い家の殺人』 『死体を買う男』 『ブードゥー・チャイルド』 など。 

とにかくすごいプロットだから読んでみろ、と勧められて読みました。タイトルからして私は絶対手に取らない本なのですが(苦笑)、万事人のオススメに弱いものですからまずは読了です。『あっと驚く!』 仕掛けがラストに待っています。これは 『小説だからこそできた大仕掛け』 であるとしか言えないですけど、なるほどこれは面白いなと思いました。登場人物らが一見全く関係がなさそうで、実は一本につながる仕掛けは見事です。

がっストーリーの流れよりもこの仕掛けそのものに重点を置いているため、小説としてはどうなんでしょうね…面白いことは面白いけど。葉桜の季節、とは桜の終わった季節、という意味です、念のため。桜の木の晴れ舞台を花の季節とすれば、葉桜の時期はその次ということになります(ああもう既にネタバレ近いか?)。でも私は葉桜の新緑も、とても好きですけどね。

評価:(5つ満点)

(以下ネタバレに付き未読の方はご注意)

南の子供が夜いくところ*恒川光太郎

minami.jpg今年で120歳というおねえさんと出逢ったタカシは彼女に連れられ両親とも離れ遠い南の島で暮らすことになる。そこはめくるめく魔術的世界だった。南太平洋にあるトロンバス島を舞台に時空を越えて織り成される蠱惑的な物語。 『野性時代』 掲載等を単行本化。
(恒川光太郎)1973年東京都生まれ。沖縄県在住。 『夜市』 で第12回日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。主な著書に 『雷の季節の終わりに』 『秋の牢獄』 『草祭』 など。
(収録作品)南の子供が夜いくところ/紫焰樹の島/十字路のピンクの廟/雲の眠る海/蛸漁師/まどろみのティユルさん/夜の果樹園

夢かうつつか、現実か幻か。そんな思いが交錯する7つの連作短編集。途中 『オンの地』 (雷の季節の終わりに)の名前も出てきます。恒川氏が書くと本当に異世界は普段はよく見えていないだけで、私達の毎日の暮らしのすぐ後ろにあるんじゃないかと思えてしまうのです。今回の結論のない終わり方も見事ですね、他の作家で結論のない終わりだと消化不良感がすごくあるのに恒川作品は謎は謎のままでいいというか、それで十分納得させられて満足して読了してしまう。このマジックはなぜだ?

『夜の果樹園』 が秀逸ですね、すごーく怖いです。でもそれがたった一晩の出来事だったのか、何年も何十年も経っていたのか…それは永遠に分からないし分からなくてもいいことなのかもしれない。早くまた次作でこの空気、世界感に再び浸かりたいものです。

評価:(5つ満点)

ゴールデンスランバー

golden_slumber.gif野党初となる首相の凱旋パレードが行われている仙台で、ラジコンヘリ爆弾を使った首相暗殺事件が起きる。時を同じくして、久々に旧友 森田と再会を果たしていた青柳は、突然現れた警官から発砲され、追われる身となる。全ては青柳を暗殺犯に仕立てるための罠だったのだ。何のために、なぜ自分が犯人に選ばれたのか。絶体絶命の状況で青柳は学生時代の仲間に助けられながら逃亡を続けるが。
原作 伊坂幸太郎。

この、スタイリッシュさがやっぱり伊坂幸太郎。とまず思ってしまう。ちょっと鼻につくほどのカッコよさ、それがスクリーンの中ではますます映えてしまう、伊坂作品はやはり映画向きですね。

全編を通じ流れるビートルズ 『ゴールデンスランバー』 。ビートルズと同じ4人組だった学生時代のサークル仲間、4人で活動したサークル、アルバイトした仙台花火大会の準備、思い出の曲と思い出の花火が懐かしい人々を再び繋いでいく。くわーやっぱりカッコイイを通り越し、ひたすらにスタイリッシュ!スマートすぎてもう何も言えん(笑)。

いつもやや過剰に感じる堺雅人の演技も、今回は追い詰められた指名手配犯を演じるにあたりちょうどいい感じ。脇を固める吉岡秀隆、竹内結子もバッチリ。劇団ひとりはなかなか存在感があるんですねぇ。そして香川照之は今回も男のいやらしさ満開の、すごーく厭な警察官僚を見事に演じきっており満足です。更に永島敏行のクレイジーなスナイパー役、この狂気ぶりが非常に良かったですね。入院患者の柄本明や通り魔のキリオについてはフィクションめいてるというかマンガだこりゃと思ってしまいましたが、それでも十分楽しめたのは、やっぱりこの全編を貫く 『スタイリッシュキープ』 (笑)の空気なのではないかと、思うのでありました。

評価:(5つ満点)

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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
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