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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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ハリーポッターと死の秘宝Part1/Part2

ヴォルデモートとの最終決戦に挑むためにハリー、ロン、ハーマイオニーの3人はホグワーツを出て分霊箱を探す旅に出る。過酷な旅を続ける3人にいつしか友情すらも揺らぎかけていた。ヴォルデモートの魂を分けたという分霊箱を探し出さない限り勝利はない。彼らの旅の終わりは。ハリーポッターシリーズ最終作。前編後編構成のため、前編を映画館で見た方々からは途中で終わったと不満の声多数。

みんなが泊まりに行ってしまい第1王子と私の2人きり。ビデオでも借りてこようと出かけ、DVDを借りてきた私に第1王子は 『なぜブルーレイを借りないのか?』 と一言。だってブルーレイはレンタル料高いでしょ、という私に今は同じ料金だけど…と第1王子。ええっ?返却の時に確かめてみたら、確かにそうでした。

知らなかった。いつの間に世の中ではブルーレイとDVDのレンタル料金が、同じになっていたのですか?という事実に気付いた本作。それはどーでもいいとして、ずっと映画館で観てきたハリーポッターの映画も、すごく面白かったのは3作目のアズカバンの囚人くらいまでで、その後次々と仲間が死んでいき、ヴォルデモートは着実に力を取り戻し、最終決戦に至るまでもう内容が暗いしつらいし、正直原作本も映画も観ていてつらかったです。もうちょっと、懐かしき青春の日々、みたいな作品にできなかったのでしょうか。

パート7である本作でも大事な仲間がどんどん死んでいきます。あの人までついに、というところで遺された 『選ばれし子ども』 であるハリーと彼がついにヴォルデモートを倒すのですが。

映画のラストシーンで、大人になったハリー達が自分達の子ども達をホグワーツ行きの特急が出発するキングス・クロス駅で見送るシーンで、パート1の映画で初めてハリーが同じ場所でホグワーツ特急を見た時の感動を思い出しました。

少年の日々はけっして戻らないのですね。ホグワーツよ、永遠に。

《おまけ》
しかしながら本シリーズはアラン・リックマン(スネイプ教授)始めエマ・トンプソン(トレーロニー教授)、マギー・スミス(マクゴナガル教授)など、一流の俳優が大勢出ていて大変豪華でした。セットもすごかったし何より魔法世界を見事に表現したパート1の感動は忘れません。パート1~3くらいまでをまた数年経ったら見直してみようと思います。

評価:(5つ満点)
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天地明察

江戸、将軍家綱の時代、星を愛し星を追い続けた男がいた。一介の碁打ちに過ぎなかった安井算哲は囲碁の対局よりも星と算術に夢中。その才能を見抜かれ幕府から日本初の暦作りを命じられる。途方もない時間と労力を注ぎ、安井算哲はついに日本独自の暦を作り上げることができるのか。渋川春海(安井算哲)の貞享改暦を描く。冲方丁 原作、滝田洋二朗(『おくりびと』)監督作品。日本。

主演の岡田くんがとっても良かったです、なかなかいい役者です。原作を読んでから行こうと思ってましたが映画が先になってしまいました。ストーリーは若干長めでやや真ん中が眠くなるのですが、星の動きと算術を愛した安井算哲という人の魅力が十分に表現されており、正直算哲は変人なのでしょうけどそれを岡田くんを配役することで魅力ある主人公としており、とても良かったと思います(やっぱり主人公はイケメンでないと)。

北極星の位置を確認する北極出地で、同行していた役人の岸辺一徳さんと笹野高史さんのコミカルな演技も良かったですね。算哲は生涯をかけて正しい暦を作成するために尽力するのですが、自分達が立っているこの地が球体であること、地軸が傾いていること、緯度経度の関係、を理解し想像し中国との暦のズレを修正していった彼の偉業がよく分かり、大変勉強になりました。あんまり伝記などに興味のない私でも、原作を改めて読んでみようと思いました。

評価:(5つ満点)

百年法*山田宗樹

1945年太平洋戦争終結。日本には原子爆弾が6発投下され都市部は壊滅、人口は半減。日本全土を支配下に置いたアメリカは天皇制を廃し共和制を敷く。GHQはすでにアメリカで実用化されていたヒト不老化技術(HAVI)を日本に導入することを決定する。HAVI導入時に併せてある法律が制定された。生存制限法、通称 『百年法』 。HAVIを受ける者は処置後百年を経て生存権を始めあらゆる権利を放棄することに同意せねばならない、とする法律の、最初の施行の年が迫っていた。ほぼすべての人が不老となった時代に、百年法の施行は人々にどのような決断を迫るのか。
(山田宗樹)1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了。製薬会社勤務後、『直線の死角』で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。主な著書に 『嫌われ松子の一生』 『天使の代理人』 など。

近未来物が大好きな私には、かなりの期待の設定。みんな年を取らず、代わりに百年経ったら死ななきゃならない国!どうなるどうなる…と読み始めたのですが。最初の方はすごくいいです、みんなとりあえず若くて体力はあるものだから、ますます能力のある者とそうでない者の格差社会化が進み、ルーチンワークをする者は永遠にその仕事だし、そうでないものは優遇されるし、結局同じ不老なはずなのに平等なんてどこにもない。

ただ、大事なところをちょっと飛ばし過ぎかも。これだけ人々が長生きすれば、一番問題となるのはその心の有り様、精神の問題。もっともっと宗教、信仰に走る人が多く出てきて多くの諸派が入り乱れ、それが元でもっともっとおおきな争いが起こるはずなのに、宗教信仰の部分は一切書いてない。そんなわけないと思うのですが…。それから格差が目立つようになってはもっと格差間の争いが顕在化するでしょうに、だから違う階級の人々が同じ社会にいることはトラブルの素だからそうはならないでしょうに、この本ではみんな同じ社会になってる。それもちょっと甘いのでは…。その点、村上龍 『歌うクジラ』 は明確でしたね、あの社会では階級の違う人々は一切交流できない仕組みになってました。そうでないともっと殺し合いとか起こるでしょう。

順番だから、百年生きた人は残された人のために死になさい。という百年法。それにみな同意していたはずなのに、いざ最初の年の適用者が出ることになると、それを先延ばししようとする。政治家達は社会を崩壊させないために是が非でも法律の施行を遂行しようとする。それはそうだと思うのですが、終盤の展開はなかなかにショッキングというか若干それは強引すぎるだろうという想いも。

社会とは、民主主義とは、そういうことを全く無視した本の中の日本政府のやり口には、唖然とします。山田宗樹氏のアイデアは斬新なのかもしれないけど、私には非現実的としか思えず、ちょっと残念。こういう設定の物語が好きなだけに、余計に残念です。

評価:(5つ満点)

ジェーン・エア

早くして両親を失い引き取られた先の伯母に疎んじられ、孤児院で辛い思いをしながら育ったジェーン。家庭教師の免許を獲得した彼女はソーンフィールド邸に住み込みながら働くことになる。充足した日々を送っていた彼女はそれまで不在であったソーンフィールド邸の主人ロチェスターと出会う。どこか暗くて冷たい雰囲気に包まれた彼と徐々に心を通わせるようになり、恋に落ちるジェーン。しかしロチェスターが抱えていた恐ろしい秘密を知ってしまう。シャーロット・ブロンテ原作。ミア・ワシコウスカ主演。イギリス、アメリカ。

古典中の古典、ジェーン・エアのリメイク版。主演のミア・ワシコウスカ、3D映画の 『アリス・イン・ワンダーランド』 でも主演だったそうですが、よく覚えてない…。正統派美人です。古いイギリスのマナーハウスの様子、人々の服装など、イギリス貴族の様子が分かり興味深いですが、基本はこの話怖い話なのでどうなるのかドキドキします。

愛はすべてを包む。という物語。こんなおおざっぱな感想でいいのか…。

評価:(5つ満点)

その日東京駅五時二十五分発*西川美和

終戦のまさにその日の朝、焼け野原の東京から故郷広島に汽車で向かったぼく。悲惨で過酷な戦争の現実から断絶された通信兵としての任務は、ぼくに虚無と絶望を与えるばかりだった。滅亡の淵で19歳の兵士が眺めたこの国とは何だったのか。広島出身の著者が伯父の体験を元に、確かにあったあの戦争を描く。
(西川美和)1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。映画監督、作家。映画作品に 『蛇イチゴ』 『ゆれる』 『ディア・ドクター』 『夢売るふたり』  。

西川美和監督が大好きなので、新作小説も読みました。正直なところ若干ぼやけるというか、よく伝わらなかった。伯父の戦争体験を描いた作品、として桐野夏生の 『玉蘭』 を思い出しましたが、あそこまでのインパクトは残念ながら感じませんでした。しかし先の戦争は確実にあったことであり、それを体験してきた人々がいること。そのことを私達戦争を体験していない世代は決して忘れてはならない。という西川監督の想いは、伝わりました。

評価:(5つ満点)

桐野夏生 『玉蘭』

ビブリア古書堂の事件手帖1/2*三上延

鎌倉の片隅でひっそりと佇むビブリア古書堂。店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性。初対面の人間とは口もきけない人見知りだが古書の知識は並大低ではない。本に対し人一倍の情熱を燃やす彼女の元にはいわくつきの古書が持ち込まれることが多い。彼女は古書にまつわる謎と秘密を名探偵のごとく解き明かす。北鎌倉の古書店を舞台に、アルバイトとして人見知りの美人店主と店をやりくりすることになった主人公、五浦の視点から、古書に関わる様々な事件を描く。
(三上延)1971年横浜市生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ライトノベル作家。『ダーク・バイオレッツ』 で電撃小説大賞三次選考を通過し同作でデビュー。本書で2012年本屋大賞にノミネート。主な著書に  『ダーク・バイオレッツ』  シリーズ、『偽りのドラグーン』 シリーズ。

友人さつきさんが、中学生の息子さんが欲しいと言ったので買ったんだけど、かなり当たった~!と貸してくれた本書。巷の話題に上っていたので大喜びでお借りしました、いつもありがとうございます。作者の経歴を見ると分かるようにライトノベルなのですが、古書に関わる謎の組み方はなかなか秀逸でよくできてます。古書には人の想いが宿る、というテーマに沿い、必要以上に入り組んでないところがまたいいです。

こうしたライトノベルが売れるか否かの大事なポイントの1つは、、表紙を初めとする挿画だそうですが、この本ももれなく表紙のイラストは、美人古書店主である栞子(しおりこ)さんがどーんと出てます。栞子さんは、この人です。このイメージです。でなくてはなりません。こりゃあ美人…アルバイト青年 五浦くんじゃなくてもクラッと来るわ。

ビブリア古書堂は両親(父は他界、母は失踪)の遺した古書店を、高校生の妹を抱えながら切り盛りする26歳位の店主 栞子さんと、その栞子さんに惚れちゃってたまたまアルバイトをすることになった無職(じゃなくて求職中)の青年、五浦くんの物語。多分こういう姫と侍従、みたいな設定もライトノベルのお決まりなのかも?いわゆる 『萌え』 ってやつですかね(←自分でも分かってない)。古書に関わる謎も、よくこんな古い本知ってるなーと作者の目の付け所には驚かされ、楽しませてもらえます。章ごとに古書に関わる事件が起こり、それを栞子さんが解決していくのですが、事件が解決する毎にそれまで孤軍奮闘だった栞子さんにも徐々に仲間が増え、確実に周囲との絆が深まっていくという物語。いい話だー。

さらに話は進むと10数年前に失踪した彼女と妹の母親との確執が、徐々に明らかになっていく模様です。古書に関わる謎と、美人の謎多き店主 栞子さんの秘密を暴く、という2本立てのストーリーで楽しめる、本好きにはお得なシリーズ。これからの続きが楽しみです。

評価:(一応五浦くんとの恋愛模様もありますがそれはあんまり注目せず、笑)

お父さんのラッパばなし*瀬田貞二

ニューヨークでは窓ふきチャンピオン、イギリスではサーカス団で大活躍。バグダッドでは大泥棒を捕まえて、エアーズロックではブロントサウルスとご対面。ほらのうまいお父さんが吹きまくるゆかいな14のラッパばなし。1977年刊の再刊。
(瀬田貞二)1916年東京都生まれ。1979年没。東京帝国大学卒業。児童文学の翻訳、創作、評論や 『児童百科事典』 の企画・編集などに取り組み日本の児童文学界に多大な功績を遺す。児童書の著書多数。
(収録作品)富士山の鳥よせ/ミスタ・レッドクロス/ふりこ一発/ビーバーの谷/パンパのラッパ/きじの花たば/名前をかえた山/指輪をもらった時計像/アフリカのたいこ/バグダッドのおおどろぼう/インドの夢うらない/大きい石と大きいとかげ/プアプアのくじら舟/海賊たいじ

小学生の頃、うちにこの本のハードカバーがありました。ラッパ、というのはほら話のことです。ほら吹き父さんが毎晩子ども達に話して聞かせる若い頃の武勇伝、という設定なのですが、私はこの本が大好きで何度も読み返してました。大人になってから瀬田貞二の作品で、しかも挿画は堀内誠一、という2大作家による作品と知ったのと同時に絶版になっていることを知り、残念に思っていたのですが。

福音館は文庫版として復刻してくれました、それが数年前。それを改めて第2王子に読んで聞かせたというわけです。文庫版ですが挿画も当時のカラーのまま、贅沢な文庫です。昭和の作品なのでところどころ表現も古いのですが、第2王子も私も十分に楽しみました。

収録作品↑にある通り、お父さんは若い頃船に乗りまずはハワイを目指します。あちこちで大活躍、『ふりこ一発』 は表紙絵の通り、当時世界で一番高いビル、エンパイヤ・ステート・ビルで窓ふき大会に出場、見事優勝を勝ち取る!というお話。とまぁほら話が続くのですが、人を愉快にさせるほら話なら、大歓迎ではないでしょうか。第2王子も 『ホントの話?』 とは決して聞きませんでした、子どもはこういう世界観を自然と理解するものなのでしょうね、かつて子どもだった頃の私がそうだったように。

短いお話が14編、夜寝る前に読むのに実にちょうどいいです。結構2話読まされましたが(笑)。昭和の時代の正しい日本語も好ましいです。

評価:(5つ満点)

福田繁雄大回顧展

fukudasigeo.jpg福田繁雄(1932-2009)は長年にわたりグラフィックデザイン界のトップランナーとして活躍。少年時代を母親の故郷である岩手県二戸市で過ごし、岩手県立美術館のロゴデザインも手掛けた岩手県ゆかりのデザイナー。視覚のトリックを利用した独自の作風によって 『日本のエッシャー』 とも呼ばれる。2009年に急逝した福田繁雄の回顧展としてDNP文化振興財団所蔵のポスター210点、二戸市シビックセンター福田繁雄デザイン館所蔵の立体作品約100点に加え、初期の貴重なアイデアスケッチなどを展示。福田繁雄の全貌に迫る過去最大規模の回顧展。 

福田繁雄は岩手県ゆかりのグラフィックデザイナーです。オリンピックなどの様々なポスター作品を始め、立体だまし絵作品を数多く遺した現代アートの旗手です。岩手県二戸市にルーツがあり、そこのシビックセンターというところに立体作品の多くが所蔵されています。今回は岩手県立美術館の特別展示に、高校PTA研修旅行として出かけてきました。

このPTA研修旅行の手配が、ほんっとうに大変でしたわ…およそ半年前から始動し、旅行社との折衝、細かい打合せ、参加者募集、当日の気配り目配りなど、ああツアーコンダクターってこんなにも大変なのか!!と大変に勉強になりました。旅行社は小社がいつも大変お世話になっているM観光の担当KJさんにお願いしたのですが、こんな細かいことまで対応してくれるなんて(というかそういう要求をするムチャクチャなオバチャン修学旅行)、ほんっとうに旅行社の人はエライ!と思いました。皆さんも私達のように旅行社の人をあんまり困らせないように…(苦笑)。

ということはさておき現代アートの企画展は良かったです。昨年度は参加しただけ(お客さん状態)のPTA研修旅行、こちらは印象派の絵画の特別展で私はそれも結構楽しみましたが、皆さんの意見は現代アートの方が面白い、とのこと。好みがそれほど気にならないのが現代アートのいいところ。

福田繁雄氏は本当に数多くの立体作品を遺していて、どれもこれも見ていて飽きないです。またポスターの斬新さ、60年代70年代にこの作品とは、衝撃的です。視覚に訴える芸術って本当に大切ですね。

なかなか美術館に足を運べない私にとって、よい経験となりました。来年も何か観に行きたいなぁ。

評価:(PTA研修旅行のホステス役も本当にみんなよく頑張った!)
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急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
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木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
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DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
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