忍者ブログ

DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

別冊図書館戦争1*有川浩

bessatu01.jpgシリーズスピンアウト・第一弾!アニメ化御礼ベタ甘全開スピンアウト・別冊シリーズ第一弾!武闘派バカップル恋人期間の紆余曲折アソート!※恋愛成分が苦手な方は、ご健康のため購入をお控えください。(メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。『図書館戦争』 で2007年本屋大賞第5位、星雲賞日本長編作品部門受賞。主な著書に 『塩の街』 『レインツリーの国』 『阪急電車』 『クジラの彼』 など。

 今日は健康診断だった。その待合中に読了してしまった、正味2時間位?宣伝文句にある【恋愛成分が苦手な方はご健康のため購入をお控えください】に非常に期待していたというのに、外で読んでも大丈夫な位の内容でした(笑)。

郁と堂上クンの恋愛模様ももっとずっとスゴイ描写が来るのかと覚悟(期待?)していたのに、大したことないじゃん?柴崎の過去がまだ分からない、虐待に関係があるのだろうか?くらい。図書盗難、迷子、酔っ払いの新入占拠など小さい事件も盛りだくさんで、むしろ4巻の派手なドンパチより図書館に対するメッセージ性が高い作品では?などと思ったり。差別表現や児童虐待についても盛り込んであり、正直小説としての内容は4巻より良かった。

その合間に2人は恋愛しまくる…いいねぇ若い人達は(笑)。友人が 『小牧ムカつく』 と言ってましたが私もこの巻でますます…小牧さんムカつく(笑)。

評価:(5つ満点)

PR

光の指で触れよ*池澤夏樹

hikarino.jpgかつて離れ離れになってしまっていた家族を結びつけた固い絆。その絆に結ばれていたはずの林太郎、アユミ夫婦は林太郎の不倫をきっかけにばらばらの暮らしを選ぶこととなった。林太郎は、アユミは、そして高校生の長男 森介はどこへ向かうのか。再び家族が一つになることは可能なのか。個とは、人のつながりとは、家族とは。生きることの意味を家族がそれぞれ追い求める様子を、風力発電、エコドルプ、農業への回帰など現代人の抱える悩みを絡めて描く。『すばらしい新世界』 続編、『読売新聞』連載を単行本化。
(池澤夏樹)1945年北海道帯広市生まれ。都立富士高校卒業、埼玉大学中退。詩人、翻訳家、小説家。翻訳はギリシア現代詩からアメリカ現代小説など幅広く手がけている。 『スティル・ライフ』 で中央公論新人賞、第98回芥川賞、『マシアス・ギリの失脚』 で谷崎潤一郎賞、 『花を運ぶ妹』 で毎日出版文化賞を受賞。主な著書に 『キップをなくして』 『静かな大地』 『きみのためのバラ』 など。

このタイトルと、物語の冒頭に出てきた 『僕』 なる物語の著者である人物がラストまで出てこない、という2つの事実がイマイチよく理解できないが…まぁそれはいいでしょう。

林太郎とアユミという40代前半の夫婦の物語。40代前半というのは微妙な年代なのだろう、人生も終盤への準備に差し掛かり、そのための基盤も築き上げほぼ固まっているはずなのに、まだ何か変化を求めてしまう。

夫 林太郎の恋愛、林太郎自身は後悔はしていない。避けようのない出来事だったというが、果たして彼が50代、60代で同じ状況にあったら同じ道を選ぶだろうか?40代前半は人生で最後の分岐点、悩める年頃なのかもしれない。

アユミがどんどん成長していくのに対し林太郎はあまりそう感じられないと読了直後は思ったが、結果林太郎は退職という大きな決断をしたのだから大きく成長したということなのだろうか?

アユミが過ごしたコミュニティの有様も興味深い、アユミ自身が物語のラストで辿り着く藤ノ庄の地でもコミュニティを強く意識する。林太郎は会社、森介は全寮制の高校というコミュニティでそれぞれ過ごして来たのはアユミと全く同じだ、人はやはり何らかのコミュニティの中でしか生きられないということなのか?オランダ・アムステルダムの友人佐和子がまた印象的、アムステルダムの風景が懐かしい。

こう考えると、人生は誰にとってもやはり【旅】なんだろうなぁ。そして男の考え方と女の考え方は、やはりこうも違うんだな、同じ【人】という枠でくくるにはあまりにもムリがあるんじゃなかろうか?(笑)どんなに考えても成長しようと願っても、アユミは直感とも言える感覚で、結局林太郎と日本へ戻ることを決める。それでも人は悩む、最後はインスピレーションで決めるのに。

池澤夏樹は素晴らしい、どうしてこうも感性が瑞々しいのか?職業作家である。

評価:(5つ満点)

西の魔女が死んだ

nishimajo.jpg懐かしいおばあちゃんの家
バックミュージックも少なくとても静かな映画。途中やや眠くなるが物足りないというよりそれほど満ち足りた、穏やかな映画という印象。ファン待望の映画化、という表現でも全然陳腐でないほど、よくぞ映画にしてくれました、という映画だった。

セットが素晴らしい。整いすぎていない庭、おじいちゃんの鉱物だらけの部屋、おばあちゃんの和室、どれも素敵。本物の "I know." が聴けたのも嬉しいし、ラスト "ニシノマジョカラ ヒガシノマジョヘ" も素晴らしい。

ラストでまいはマイ・サンクチュアリへ行ったのか行かないのか?余韻の残る映画。久々に登場人物の少ない映画を観ました、お芝居みたい。こういう映画もいいものだ。

評価:(5つ満点)

入梅間近

rainyday.gif梅雨どきはいつも喘息
気がつけば6月です。ようやくこの頃少し息がつけるようになり、読書も再開しました。本くらい読まなくちゃ生きていけないわよ…と思いつつ、通信大学も英語の勉強も何もかも、相変わらず停滞中です。

停滞と言えば梅雨前線、こちらはまだ来ません。しかし喘息がやってきました。身体は正直です、気圧の変化をきちんと感じているらしい。喘息患者の敵、気圧の変化、そして湿度。今年も無事梅雨を乗り切りたいものです。

6月は早速第2王子の保育園運動会か無事に終わり、私は役員として大活躍(笑)!間違いなく大活躍、たまたま今年は今いる会社の方が姉妹園にお子さんがいて、一緒に運動会に参加したのですが、彼女が役員をする私をみて 『AKMさん大活躍だったねぇ、すっごい叫んでたし』 とのこと。いえ叫んでいたのではなく応援していたのですよ…。運動会は別記事にて。

第1王子も初めての中学校での運動会、もとい体育祭が第4週にあります。体育祭か…ナマイキな。更にナマイキなことに 『見に来ないでよ』 だとか言います!いーえ、絶対行きますとも!そして 『行けーーー行けーーー第1王子ーーー』 と叫びまくってやる!

しかし…ショックだったのは第2王子にまでも 『ママ、うんどうかいであんまり第2王子ーーーってさけばないでね』 と言われていたこと…そんな…ひどいわ、うちの王子達。

そして6月には2王子の誕生日もやってきます。早いものだ。第2王子はようやく初めて歯が抜けて、ちょっとマヌケな感じがますます可愛いです(笑)。

風花*川上弘美

kazahana.jpgのゆりは33歳の主婦。夫である卓哉とは結婚して7年、卓哉には恋人がいることが分かった。とまどいながらものゆりにも年下の男の影が。夫と妻、そして恋人達のすれ違う気持ちと心。移りゆく愛の形をのゆりの目線から描く。
(川上弘美)1958年東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。『神様』 でパスカル短篇文学新人賞、『蛇を踏む』 で芥川賞、『溺レる』 で伊藤整文学賞、女流文学賞、『センセイの鞄』 で谷崎潤一郎賞を受賞、『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。 主な著書に 『竜宮』 『古道具中野商店』 『ニシノユキヒコの恋と冒険』 など。

また泣いた。川上中毒再発。

のゆりはごく普通の主婦、名前だけが素敵というか名前くらい変わったものにしないと他に特徴がない、というほど平凡な主婦。これまで既読の川上作品に登場する女性主人公はみんな個性があったからのゆりという存在が珍しく、割に共感して読める。

淡々と流れていくようでその実のゆりは多くの人と出会い、触れ合い、考え方を変え成長していく。
『うちにいても外へ出て一人になっても寂しいのは同じ』
とまで考えられるまでに大人になったのゆりの成長はすごいと思う。

結局人は自分の2本の足で立って生きてゆくしかないのかなぁ、と思った。

評価:(5つ満点)

あなたの呼吸が止まるまで*島本理生

anatanokokyu.jpg舞踏家の父と暮らす12歳の少女、野宮朔。大人の自覚を持ちつつも自分がまだ子どもであることを自覚している朔の夢は作家になること。女の子達の他愛ない意地悪、気になる男の子の存在、そんな日常を送る朔に、突然暴力が襲う。彼女が選んだたったひとつの復讐のかたちとは。
(島本理生)1983年東京生まれ。立教大学文学部中退。『シルエット』 で第44回群像新人文学賞優秀作、『リトル・バイ・リトル』 で第25回野間文芸新人賞を受賞。主な著書に 『生まれる森』 『ナラタージュ』 など。

島本氏の恋愛モノじゃない小説って初めてかも?小6の少女の語り口が新鮮で、そしてちょっと怖い。身勝手な父親と暮らしているとこういう大人な子どもになってしまうんだろうなぁ。オトナな子どもとコドモな大人の物語、人を傷つける人と、人に優しい人の物語。

こういう話を読むと、やはり子どもに幸福な子ども時代を与えられないのは重罪だと改めて思います。

評価:(5つ満点)

情報は一冊のノートにまとめなさい

issatuno.jpg100円でつくる万能「情報整理ノート」。分類・整理しても使えなければ意味がない。日記帳、行動記録、本の感想、家計簿といった書きもの、貼りものを全て管理できる万能のノートを作る方法を紹介、実際に情報を使うための一元化管理術を伝授する。 
(奥野宣之)1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。環境、運輸などの業界紙で記者として活躍。雑誌、フリーペーパー向けに原稿執筆、写真撮影も行う。

話題作なので読んでみました。アイデアとしては参考にはなるものの、いかんせん100円B6ノートじゃ何となく情報が軽そうに見えるなぁ…少しビンボーくさいし(すみません)。
写真も貼るというのが抵抗あるけど、タグを付けてPCのテキストエディターで管理する、というのはかなりのアイデア、こちらは特許並み。

結論としてはやはり、情報管理には個人個人のやり方がある、ということですね。

評価:(5つ満点)

新世界より*貴志祐介

sinsekai.jpg1000年後の日本。機械文明は消滅、新種の生物が闊歩する世界。人類は 『呪力』 と呼ばれる念動力を操り小さな共同体を作って生活していた。豊かな自然に囲まれた中、日本古来の伝統を重んじ生きる人々。しかしそれは厳重に管理された世界であったのだ。町と外界を隔てる八丁標、繰り返し説かれる悪鬼と業魔の存在、そして呪力に目覚めない子どもはネコダマシに消されるという噂。世界の本当の姿がどこにあるのだろうか。早季は学校の仲間とのキャンプで禁じられた区域に入り、そこで 『ミノシロモドキ』 に出会う。ミノシロモドキが語る世界の真実の姿とは。それは人類の血塗られた歴史であったのだ。一人の少女の成長を通じて人類全体への警鐘を突き付ける、著者構想30年の超大作。
(貴志祐介)1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒業。岸祐介名義で『新世界より』の原点となる短編「凍った嘴」でハヤカワSFコンテスト佳作。『十三番目の人格-ISOLA』で日本ホラー小説大賞長編賞佳作、『黒い家』 で日本ホラー小説大賞、『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞長編賞を受賞。主な著書に 『青の炎』 『狐火の家』。

久々に☆5、必読書。破綻なく1000年後の未来を描き切っており秀逸。呪力と呼ばれる念動波の能力を 『全ての』 人類が持つ時代という設定も、そうした超常の能力を 『全ての』 人が有するが故に生じる様々な問題も、見事に描ききっている。

『教育』『知識』 これが今後の世界で最も重要視されるだろうという意見に賛成だ。そして同時にこれらはもろ刃の剣であるという展開にも。人間の奴隷であるバケネズミの存在、バケネズミと人間の関係、人類のコミュニティのあり様、そしてコミュニティに 『教育』 されている子ども達が、新しい 『知識』 に出会う展開…素晴らしい。これぞSF小説、かなり満足です。

タイトルにある 『新世界より』 ドヴォルザークの 『家路』 これもまた物語全体を盛り立てている。現在のコミュニティまでの成り立ちまでの背景を知り、未曾有の危機を脱しコミュニティの責任者となった早季ですら、コミュニティを守るためまた同じ道を辿ろうとしているラストが、身に沁みる。人類が進むべき【正しい道】はどこにあるのだろうか。

評価:(大絶賛!!!)
カウンター
ツイッター始めました
今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
ブログ内検索
最新コメント
[10/14 菜摘]
[10/12 さつき]
[05/08 菜摘]
[05/08 小琴]
[03/19 菜摘]
アクセス解析

Copyright © DaisyAKM Archives : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]