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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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ナショナルトレジャー2

national.jpg久々にハリウッド映画らしい映画で満足。シリーズ1を観ていない私でも十二分に楽しめました。

ニコラス・ケイジが苦手、という人が周りに少しいるのですが、私はキライじゃないです。ちょっと東洋人ぽい雰囲気もあるし、彼独特の不思議な雰囲気が魅力ですね。今回はナショナルトレジャーシリーズ2、ということで登場人物相関関係もしっかり出来上がった状態でのスタートですが、それらも私のようなシリーズを初めて観る観客にも早い段階で分かりやすく話の中で紹介があり、その辺やたらに親切だなぁと感心してしまいました。

ストーリーはインディジョーンズあり、アクションあり、IT頭脳戦あり、と内容盛りだくさんで飽きさせません。更にロンドンでのカーチェイスに使用するのはレンジローバーにベンツにとロンドンタクシーと、これまた豪華盛りだくさん。これでもかと経費使いまくりの様子に笑いがこみ上げます。謎が謎を呼び、それらをチームのみんながそれぞれの得意分野(含 お色気)で解決していく様子なども観ていて飽きませんね。

【最初から最後まで飽きさせず、観終わって楽しかった、という気持ちで映画館を出られた映画】 友人のメールより 。この一言に尽きますね、ぜひ続編もどんどん作って欲しいシリーズです。
今回のベストアクトレスは、ちょっと拗ねた感じのお母さんヘレン・ミレンですね。存在感もさながらその上でちょっとワガママで可愛いお母さんを見事に演じてます。クイーンを見た後なので余計にこのお母さん役の愛らしさが光りますね。

評価:(5つ満点)
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秋の牢獄*恒川光太郎

akino.jpg大学生の藍はある日突然秋の一日に閉じ込められる。何日も何日も同じ日が繰り返されるのだ。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人。何のためにこの日は繰り返されるのか、そしてそこから抜け出すことはできるのか。どうしようもない孤独感を抱える藍に転機が訪れる。
(恒川光太郎)1973年東京都生まれ。沖縄県在住。 『夜市』 で第12回日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。
(収録作品)秋の牢獄/神家没落/幻は夜に成長する

【秋の牢獄】 誰しも 『もっと時間があれば…』 とか 『あの時別の選択をしていたら』 と思うことがある、それをテーマにした作品。
語り手に藍というごく平凡で人生にさほど不満もなく希望もない女子大生を据えたことで、彼女と同じく秋の一日を繰り返す 『リプライヤー』 との出会い、そしてリプライヤーそれぞれが抱える鬱積を彼女の視点から客観的に描くことに成功している。

意味のない自慢話ばかりする男、毎日(!)繰り返される妻の不倫に傷つけられる男。しかしどのリプライヤーも終わることのない繰り返しの中で、自分の全ての行動、判断が無意味であることを否応なく知らされる。リプライヤーにはまたしても 『同じ日の朝』 が訪れるからだ。

時間とは、その流れとは本当に普遍的なものなのだろうか。誰にとっても同じ一方向へ流れ続けて行くものなのだろうか。一見何も考えていなそうな人は実はリプライヤーだったりして…なんて、思ったり。

【神家没落】 3篇の中では今回ベスト。迷い込んだ道の先に不思議な場所があったり…という経験ありますあります。そこが実は仙人の住む家だったら?

『ぼく』 は意志とは関係なく、仙人が守るべき家のために家の守り人となってしまう。何のために家が存在しているのか。考えても答えは出ず、現実としてあるのはその家が存在し自分は守り人である、ということだけ。理不尽ながらも 『ぼく』 はそこで生きる術を身に付け、やがて自分も身代わりの守り人を見つけるのだが、やっと見つけた身代わりはおよそ仙人の精神とは程遠い人物だった。

彼は家の不思議を悪用し犯罪に利用する。現世に戻った 『ぼく』 はそのことを知り、身代わりを立ててしまった責任と罪悪感から彼を抹殺しようとするが…。このストーリーは 『夜市』 収録の 『風の古道』 を思い起こさせます。

【幻は夜に成長する】 これも異形の話で、いずれの作品に通じて言えるのは、他の作者ならここで終わりかな、というシーンでも恒川氏は決して終わらないこと、これが恒川作品の醍醐味。思わぬ展開と顛末が待っており、しかもそれがこちらの期待をいい形で裏切る、非常に爽快な結末。今回は読了後すぐではなく、しばらくしてからじわじわと効いてくる、そんな作品ばかりでした。

次回作にも大いに期待です。

評価:(5つ満点)

アイアムレジェンド

iamlegend.jpg初映画はウィル・スミス。彼見たさに行って来ました。

この映画一番の見所は、NYの廃墟。これがスゴイ、さすがハリウッド大作。人は1人もおらず、車だけが取り残された廃墟の中を、ただ1人生き残った(と予告では言われている)ロバートが赤いムスタングで疾走する。廃墟のビル群の中は都会のジャングルと化し、草木がぼうぼうに生え野生?のカモシカが跳ね回る。すごい光景です。前半はこれらの映像に圧倒されっぱなし、ここは映像としてかなりの見応えあり。

中盤からロバートが暗闇を以上に恐れる理由がだんだん明かされてきます。そして彼を付けねらう 『敵』 のリーダー、執拗にロバートを付け狙うのですが、あれは以前の知り合いとかいう設定なのかな?どこかにそういう伏線があったかな?気付かなかったな…。

短い映画でしたが短いなりによくできた展開で、分かりやすくよかったです。ただ欲を言うとあまり深みがなりストーリーで、バイオハザードのパクリでは…。でもウィル・スミスがカッコイイのですべてそれでよし、です。

途中ロバートがシュレックの映画を見てセリフをベラベラ言い出す場面がありますが、あれはシュレックの宣伝も兼ねているのかな?

評価:(5つ満点)

砂時計*芦原妃名子

593f2f50.jpeg植草杏は12歳の冬、両親の離婚を機に母 美和子の実家の島根に越してきた。田舎独特の雰囲気にとまどう杏だったが大悟や藤、椎香という友人もでき馴染んできた頃、母が自殺する。母の死に傷ついた杏を受け止めた大悟、2人は強く惹き合うようになる。その後杏は父に引き取られ東京で高校時代を暮らすことになり、2人の遠距離恋愛が始まった。東京と島根という遠距離、同じ東京で暮らす藤の杏への想い、同じ島根で暮らす椎香の大悟への想。2人を取り巻く環境は、常に杏の心の奥底にある母親への断ち切れない想いへと終結されて行く。徐々に引き裂かれていく2人、別れを選んだ2人の未来はどうなるのか。
(芦原妃名子)あしはらひなこ。1994年 『その話おことわりします』 でデビュー。2005年 『砂時計』 で小学館漫画賞少女向け部門を受賞。2007年同作品がTBS系 『愛の劇場』 枠でドラマ化。

『久々にハマった!』 という友人から貸してもらいました。正統派少女マンガは久しぶり、しかしまだまだイケル!と思っている30代女子(!?)でございます。

TBS系 『愛の劇場』 というのはお昼1:00~放映されている奥様向け毎日続きが見られるドラマ枠、のことです。毎日見られるのは嬉しいのですが見逃すと大変、という枠で、ここにハマっちゃうと毎日ビデオセットをしなくてはおちおちお出かけもできません(笑)。しかしこうしてたまに骨太ドラマをやっていたりするので見逃せない枠だったりします。私は今回ドラマは全く見られなかったのですが、チャンスがあったら見てみたいなぁ。

内容はあらすじ通り、12歳で母を自殺という形で亡くした杏は、最も近い位置にいた自分を常に責めながらいき続けています。それを支えたいとずっとそばにいた大悟も、杏の心の奥底にいる母の影に悩まされ、2人はくっついたり離れたりを繰り返し、20歳の時に一度完全に別れるのです。大人向けの小説ならここで終わりだな…と思いきやそこは正統派少女マンガ、物語は26歳の主人公達でクライマックスを迎え、大団円!更に番外編では2人は30歳という…コマ脇の作者の独り言コーナーにも 『主人公が30歳で読者付いて来られるだろうか…』 とあり確かに、と思ってしまいました。でも30代読者はバッチリよ♪

評価:(5つ満点)

謹賀新年2008

nenga2008.png新年明けましておめでとうございます
皆様、昨年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。本ブログもご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

年末は何が忙しいのか、ブログ記事の日付がカレンダーに全く追いつかず、いつもご覧いただく皆様には大変ご迷惑をおかけいたしておりました…。思い切って追いつかない記事は切り捨てる!という案もあったのですが、もしやブログのために本を読んでいるのか?という部分もあり、本末転倒ながらも絶対に読んだ記事はUPする!という執念が打ち勝ち今日に至っております。

子ども達も無事に元気に育っております。
第1王子はいよいよ小学校卒業の年を迎え春からは中学生!背丈は相変わらず私よりもチビですが足のサイズが24.5センチと私を超えました、ヤラレタ!足が大きくなれば背が大きくなる、というセオリーを信じ、あとわずかでも背丈が伸びてから、と学生服の注文はギリギリにする予定です。

第2王子は長かった保育園生活も6年目、年長組です。来年は小学校、心配していたスイミングやピアノもとりあえずは順調に行っています。最近の子どもの運動能力が下がっている、というニュースを見るにつけ体操教室へ通わせるか?などと考えますが、親がもっと外遊びをしてやるのが先決だな。と反省しきりです。

私は…。
3月で修了予定だった通信大学での図書館司書資格修得が、なんと!
と去年の元旦にも書いております…。大学仲間にも職場同僚にも 『終わった?えっまだ…?』 と聞かれ、段々と返事をするのが苦しくなる始末。スクーリングを思い出せ!と自分を叱咤激励しつつ、今年こそ終えたいと思います。

昨年入会したストーリーテリングサークルも順調で、まだまだではありますが少しずつ自分の成長が感じられてきて嬉しいです。仲間と一緒に学び自分自身も成長していける。これこそサークルではないか!と改めてサークルと仲間との出会いに感謝です。今年もサークルでのイベント盛りだくさん、しっかり勉強して成長して行きたいと思っています。

2007年を振り返り

candle.jpg今年も集計の日がやってきました。例年の年間目標は 本30冊 映画(劇場鑑賞)10本 です、今年の成果は?

【結果発表】
本59冊(小説/物語46冊 実用書/エッセイ13冊)
映画18本(劇場17本 ビデオ1本)
演劇1本
音楽鑑賞1回

なんと読書量が去年の倍!こりゃあスゴイ!本ばかり読んでいる様子が改めて分かってしまいました。この中から今年のベストを選ぶのも非常に難しいのですが…。

見晴らしガ丘にて*近藤ようこ

miharasi.jpgちくま文庫版 『見晴らしガ丘にて』 及びカワデパーソナルコミック 『悲しき街角』に分散されて収録されていた当シリーズ。今もなお傑作との聞こえが高い作品が完全版となって蘇る。郊外の街 見晴らしガ丘に住む人々の生活の中に潜む悲しみと幸福を捉えた作品。
(近藤ようこ)1957年新潟県生まれ。国学院大学卒業。漫画家。新潟中央高校在学中に同じく同校在学中であった高橋留美子らと共に漫画研究会を設立した。 『見晴らしガ丘にて』 で漫画家協会賞優秀賞受賞。主な著書に 『ルームメイツ』 『アカシアの道』『うきうきお出かけ着物術』 など。
(収録作品)初恋/GALS LIFE/ママ…DORAEMON/かわいいひと/HAPPY BIRTHDAY/となりの芝生/プレゼント/なつめ屋主人/ご相談/ロマンス/野守は見ずや/改心/宇宙爺/誠実

私は近藤ようこ氏の漫画が好きです。他と比べて地味に見える絵ですが内容は間違いなくヒューマンドラマ。二度三度と読み返してますますしみじみ来てしまう。本作も 『傑作と名高いシリーズ、待望の単行本化!』 の宣伝文句に思わず購入してしまいました。

ただ時代が80年代と結構古いので現代の感覚とややそぐわない部分もあり評価はイマイチです。逆に80年代ってこうだったかも、という視点で見ると面白いかもしれません。私の一番のお気に入りは 『なつめ屋主人』 かな。夫婦のすれ違いを描いたものが多く、身につまされます(苦笑)。

やっぱり近藤ようこは 『ルームメイツ』 が最高傑作ですね。何度読み返しても不思議と飽きないのです。
2007最後の読書となりました。

評価:(5つ満点)

半島を出よ*村上龍

hantou.jpg北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠。その2時間後、複葉輸送機で500人の特殊部隊が来襲、市中心部を武力制圧した。彼らは 『北朝鮮反乱軍』 を名乗り福岡に新しい国家を建設すると言う。テロを恐れ福岡市を封鎖した日本政府の対応、福岡市民に募る政府への不信感。反乱軍後続部隊12万人が博多港に接近する。恐ろしいまでに冷徹非情で組織化されている北朝鮮反乱軍に対し、立ち上がったのは社会から爪弾きにされていたホームレスの少年達だった。毎日出版文化賞、野間文芸賞受賞。
(村上龍)1952年長崎県生まれ。武蔵野美術大学中退。 『限りなく透明に近いブルー』 で群像新人賞、芥川賞、『コインロッカー・ベイビーズ』 で野間文芸新人賞、 『村上龍映画小説集』 で平林たい子文学賞、『インザ・ミソスープ』 で読売文学賞小説賞、『共生虫』 で谷崎潤一郎賞受賞。主な著書に 『69 sixty nine』 『ラッフルズホテル』  『トパーズ』 『5分後の世界』 『13歳のハローワーク』 など。


久しぶりに読了まで2週間以上かかった本です。それだけすごい量と内容でした。読了後もしばらくサトウの指に書かれていた 『コリョ』 の文字が頭から消えず、頭の中で 『コリョコリョコリョ…』 とリフレイン(笑)。恐るべし、コリョ。

人は集団に属さなければ生きていけないものなのか、集団とは何か?を問う作品ではないでしょうか。仲間、友人、そして国家。全て普段は意識していない集団と、全ての人はつながっており、そこから逃れる術はないという事実。

物語は目まぐるしく多くの登場人物の視点で展開します、一人称が次々と変わる小説の中には視点が捉えきれず煩雑な印象だけを残すものが多い中、本作はさすが村上龍と感じさせる作品でした。それぞれの立場の人物の視点にブレがない、だからこそ他人から見れば 『狂気』 に見えるその人物の意志が直に響いてくる感覚。登場人物の誰にも共感はできないけれども誰に対してもおまえの考えは間違っているとは言い切れない。人の信条、生きるための理念というものは他人が変えることはできないということだろうか。

コリョの兵士達の視点が多く、殺人兵器として育成された彼らもまた、平和な日本に暮らす私達と同じヒトなのだと、そう描いた村上氏。日本と北朝鮮、退廃した資本主義と退廃した共産主義、行き着くところは同じなのか、異なるのか。

この小説の本当に恐ろしいところは、今すぐにも現実として目の前に迫っているということだろう。
年末にすごい本読んじゃったな。

評価:(5つ満点)

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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
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ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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