ディズニーのミュージカル ライオンキング。エルトン・ジョンの楽曲をすべて正しく美しい日本語に翻訳し上演しているジャパニーズ・ブロードウェイ、劇団四季の誇る代表作。その舞台装置の大がかりな仕掛けも見所の、ロングラン11周年目。
久しぶりにライオンキングが観たい。と言ったのは義母だったのに、結局義母は用事があり行けなくなったので、私と第1王子第2王子、義妹とその子ども達兄妹の6人で行ってきました。前回は第1王子が小1の時で第2王子はまだ7ヶ月、四季劇場の託児室に預けたなぁ…あそこのベビーシッターの男の子、妙にハイテンションで怪しかったなぁ…と何年経っても思い出してしまうどうでもいい思い出と共に、行ってきました。
前回は怖がっていた義妹の子ども達も今回は小6と小3で大丈夫。問題は 『また観なくちゃいけないのかよー修学旅行(5月)にも来るのにー』 とばかり言うおバカ第1王子ですが、これも途中で寝ずに一応ちゃんと観た模様。私は第2王子が一生懸命観てくれたのでその点は大満足でした。
がっ…さすがにロングランということでこれまでも何回か若干演出を変更しているのですが、どうも今回のはイマイチなような気が…。義妹も 『なんか…昔の方が良くなかった?』 本当に。成長したシンバとナラが再開し、 『愛を感じて(Can't you feel the love tonight)』 のシーンなんですけど…なんか変なバレエダンスが入ってるですが、あれはどうもかなり違和感感じるというか、変なんですけど…。まぁ色々チャレンジしないと行けないのかな、トップランナー四季としては。などと思いました。
変わらず動物や植物のダンスシーンはどれも見事です。我が家もそろそろ、ライオンキング。行かれた方はぜひ感想お聞かせください。
評価:(5つ満点)
あけましておめでとうございます
平成も22年になりました。早いものですね。先日図書館のカウンターで利用者カードの更新をされていたと思われる小学生がお母さんに 『ええっ昭和生まれなの!?』 と言ってましたが…おばちゃんも昭和生まれよ。というか小学生の親はまだまだ昭和生まれよ。と言いたいところですが、そろそろ保育園幼稚園のお母さん達には平成生まれの方もいらっしゃるでしょうねぇ…そういうお母さん達にまで 『ええっ第2王子のおかあさん昭和生まれなの!?』 なんて言われるようになっちゃーもうガックシ。ですね。
とまぁぼやきはこのへんで。今年も年頭にあたり目標を立ててみます。
読書・エンタメ
昨年度は76タイトル読了。ということで今年はいよいよ目標を大きく出します。
本80冊(小説65タイトル、実用書15タイトル)
今年も頑張って実用書・新書類を15冊は行きたいですね。引き続きYA(ヤングアダルト)部門の本も読んで行きたいです。
映画20本
これも死守すべく映画館通いを頑張ります。というのも昨年は家でのビデオ鑑賞は1本でもしませんでした。やっぱりうちにいると本を読むからビデオ見る時間がないようです…やっぱり映画は銀幕で観ないと。
自分の居場所作り
昨年同様ストーリーテリング、就職活動、子どもの教育(出た教育ママ)、と課題は色々ありますが、それらをひっくるめて今年のテーマは 【自分の居場所】 。仕事、サークル活動、子どもの教育、などどこでも色々あり色々考えました。その上で、このようにいろいろと悩むことができる自分という今置かれている環境が、とても恵まれていることに感謝しなくては、と少し思えるようになりました。悩むことができる、というのは選択肢がある、ということだからです。本当に苦しいのは、選択肢がない人ですよね。
自分の環境に感謝しつつ、その中で自分もより納得して毎日を生きるには、自分の居場所、腰を据える場所をしっかりと見据えることだと思います。友人がいて、勉強すべきことが山ほどあって、育てなければならない子ども達がいて、頑張らねばならない仕事がある。その自分のおかれた環境に感謝しつつ、努力を続けなくてはなりません。
今年も皆様のおかげで生きていけます、本当に感謝です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2009年度集計結果
やってきました楽しい集計結果発表の日!楽しみにしているのは私だけというツッコミもよそに、今年の成果です。
【結果発表】
本76冊(小説/物語58冊 実用書/エッセイ18冊)
映画26本(劇場25本 DVD1本)
演劇1本
昨年より8冊増えましたこの勢いならそのうち年間100冊は軽いぞ、などと一瞬思いましたが100冊となると3日に1冊ですからね、そうとう自分にプレッシャーをかけないと3日に1冊ペースは保てません。読む週は3冊位行く週もありますが、あくまでもその時の都合もありますし。一番は自分が楽しんで読むことですからね、冊数は関係ないです(と言いつつ毎年数える私)。
【小説部門ベスト】
高野和明 『13階段』 小説のプロット面白さの限界に迫った感じ、これぞミステリ。
桐野夏生 『女神記』 女のサガを神話の世界においてまで悲しいまでに描ききる、これがやっぱり桐野だなぁ。
奥田英朗 『オリンピックの身代金』 軽快な他作とは一線を画する骨太作品、昭和は人に【信念】があった時代。
池澤夏樹 『カデナ』 それぞれの立場、信念、愛情。交叉する想い。
川上未映子 『ヘヴン』 世界が初めてゆがんで見えなくなった日は、子ども時代の卒業であった。
今年もつい新作に手が伸びていたのですが、既刊作品もこんなに読み逃しているいい作品が沢山あるんですよね。毎年思うのは、死ぬまであとどのくらい読めるのだろう、というすべての本読みが抱える永遠に解決できないジレンマですね(笑)。
赤坂で殺人事件が発生する。被害者は右翼団体に所属する男。さらに次々と関連すると思われる殺人事件が起きるが。警視庁公安部の倉島は上層部からの命令で捜査本部に出向くが各事案の関連性をなかなか見いだせないでいた。分かっていることは殺人者はプロ、鍵はロシアだということ。倉島は仲間と共に意地と誇りをかけて敵に挑む。
(今野敏)1955年北海道生まれ。上智大学卒業。『怪物が街にやってくる』 で問題小説新人賞を受賞しデビュー。『隠蔽捜査』 で吉川英治文学新人賞、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。TBSドラマ 『ハンチョウ~神南署安積班~』 の原作シリーズなど著書多数。
読み始めて知りましたが、コレは公安VSロシアシリーズの3冊目だそうです、前2作での倉島の活躍が諸所に出てきますが未読でも大丈夫です。タイトル通り何やら北の地での密約なるものがキーなのですが、それも大昔の約束でして。公安のお仕事というのは本当にこんなにたくさんあり、公安刑事一人ひとりが同僚にも内緒のハト(情報提供者)を持たなくちゃいけなくて、その人達の身の安全も考えてあげなくちゃいけなくて、と考えただけでもうー大変。007みたいにハラハラドキドキ、楽しそうじゃ全然ないですもん。
大抵の刑事物では公安刑事は嫌われ者なのですが、その公安刑事を主役に据えている本作では彼らの苦労も十分伝わってきますね、他の刑事課の皆さんに嫌われちゃうワケも、そうせざるを得ない状況も。
さて本題の密約、そこまで過去にこだわるのはどうなのか…とも思いますが、国の利権のためであれば命をかけてそれを成し遂げようとする、それが愛国心というか自分の使命だと強く信じていれば、人はその道を邁進してしまうのでしょうね。うーんスパイって立派だわ。颯爽と活躍する安積ハンチョウシリーズよりも、案外小さいことでもクヨクヨ悩んでいる、ごく普通の刑事達(とはいえ倉島もエリートですな)の話の方が、親しみを持って楽しめますね。
評価:(5つ満点)
正気とは、狂気とは。心の傷に包帯は巻けるのだろうか。ここにある病、ここにある小さな光。外来の精神科診療所 こらーる岡山に集う様々な患者たち。病気に苦しみ自殺未遂を繰り返す人もいれば病気とつきあいながら哲学や信仰、芸術を深めていく人もいる。涙あり、笑いあり、母がいて子がいて、孤独と出会いがある。そこに社会の縮図が見える。代表である山本昌知医師のモットーは 『病気ではなく人を看る』 『本人の話に耳を傾ける』 『人薬(ひとぐすり)』 。精神科病棟の鍵を取り払う運動にも取り組んできた現代の赤ひげとも言える彼は、患者たちが地域で暮らしていける方法を模索し続けている。
普段ドキュメンタリー映画を見ることは少ないのですが、本作は映画ファン(失礼ながら映画狂)の知人が 『観ました』 とメールをくれたので、私もわざわざ行くことにしました。監督が一人で企画しカメラを回し、インタビューをした映画です。これがホントの自主製作。カメラマンが固定して撮った映像ではないのでやや酔いますけど…。
現代の赤ひげ先生の診療所。患者達は悩みを抱えここに集ってくる。病院の様子、診察の様子、診察後他の患者達とくつろぐ様子はさながらサークルかデイケアのよう。ただサークルと違いのはみんな妙に元気ないのですけどね。 『正気と狂気の間などあるのか』 という監督の問いに深くうなづける一作でした。人、という生き物にとって何よりも恐ろしいのは 『孤独』 だということを、見せつけてくれる映画です。そして人は生来誰しも本当は 『孤独』 だという事実も、です。
誰しも人との関係に悩み、自分の存在に悩み、それを自分一人で処理しきれなくなった時に病になってしまう。ただそれだけのことなのに、病を得た人を単に弱すぎるとか、人とは違う、と責めることが誰にできるでしょうか。それなのに、人は人を区別(差別)してしまう。自分が差別された場合のことを考えずに、人を自分と違う、という理由で陥れようとする。誰しも人と違うのは、当たり前のことなのに。
色々考えさせられる、映画でした。
評価:(5つ満点)
ベトナム戦争末期。軍属として働くフィリピンとアメリカのハーフのジェイン、サイパン移植中に戦禍に遭った朝栄、基地内でバンド活動をするタカ。沖縄カデナ基地の中と外を結んで巨大な米軍への抵抗を試みた小さなスパイ組織があった。著者の10年に及ぶ沖縄での経験と思索のすべてを注いだ長篇。『新潮』 連載を単行本化。
(池澤夏樹)1945年北海道帯広市生まれ。都立富士高校卒業、埼玉大学中退。詩人、翻訳家、小説家。翻訳はギリシア現代詩からアメリカ現代小説など幅広く手がけている。 『スティル・ライフ』 で中央公論新人賞、第98回芥川賞、『マシアス・ギリの失脚』 で谷崎潤一郎賞、 『花を運ぶ妹』 で毎日出版文化賞を受賞。主な著書に 『キップをなくして』 『静かな大地』 『きみのためのバラ』 など。
池澤氏渾身の作。年末にこんなヒットに出会えるとは。と忙しい中必死に読み進めました。物語はジェイン、朝栄、タカ、三人のそれぞれ一人称の章が入れ替わり進みます。沖縄における米軍基地という異形の存在に対するそれぞれの思い。軍属であるジェイン、沖縄からサイパン移植後戦禍から逃れてきた朝栄、そして若いタカ。それぞれの立場、信念、そして行動を見事に描ききっています。
本当に池澤作品は小説として破綻がないことはもちろん、ここまで異なる立場の人物らをそれぞれ一人称で語らせて見事に書き分けていることに、感動を覚えます。もちろんそれが小説というものなのですが、たまに中途半端な群像劇を読むにつけこうした見事な小説が一方に存在することに改めて感動を覚えてしまうのです。
ちょうど沖縄普天間基地の移設問題が上がっている昨今、沖縄における米軍基地の存在意義について考えさせられました。基地に対する思いは決して一言では言い表せない、本当に複雑な事情がそこにあります。自分の行動が人の命を救うことになる。と言われたら貴方はどうするか。を正面から問う作品であると同時に、正義とは信念とは何か、を問われる作品です。
評価:(5つ満点)