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読書と映画と観劇と

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スプーン*林あまり

spoon.jpg歌人 林あまりが贈る、短歌で綴る1人の女性のストーリー。短い短歌に凝縮された細やかな想い、1冊でストーリーが完成されていることを意識して読み取りたい。
(林あまり)1963
年東京都生まれ。成蹊大学文学部日本文学科卒業。歌人。著書に 『ガーリッシュ』 『ベッドサイド』 『光を感じるとき』 など。 作詞も手がける。

装丁が苺で非常に愛らしい。この装丁に惹かれて発売時も買おうかと随分悩みましたが、結局買いませんでした。近郊の図書館にあるのを見つけ喜んで借りてきました。

あとがきに注目です。
林氏は 『主人公の設定に非常に悩んだ』 とあります。この本は1冊で、1人の女性のストーリーを表現しているのです!小説ではなく短歌で、短歌の集合でストーリーを綴る。そんなこともできるんだ…と目からウロコでした。

改めてそうした視点で読み返してみると、小さな喜び、小さな悲しみ、小さな幸せ、小さな罪悪感、色々なことが詰まっています。短歌はその時々の心の揺れを書き留めておくものだ、ということがよく分かります。

『スプーン』 の題にある通り、短歌にもいくつかのスプーンが登場します。小さな鈴のついたスプーン、かきごおりをぐしぐしと押しつぶすスプーン。どれも、愛しい存在です。

評価:(やっぱり買おう)
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ひとり日和*青山七恵

hitoribiyori.jpg東京で暮らせるのであればなんだってよかった。20歳の知寿は一人暮らしをする遠い親戚の71歳の吟子さんの家に居候をすることになった。2人が共に過ごした春夏秋冬を通じ、主人公の自立を描く。第36回芥川賞受賞作。
青山七恵)1983年埼玉県生まれ。2005年 『窓の灯』 で第42回文芸賞を受賞。 

芥川賞受賞時に審査員である石原慎太郎と村上龍、いつもは正反対の意見を散らす2人が揃って絶賛したということで話題に上った本作。文芸春秋を買っておいてから早数ヶ月、やっと読みました。

正直期待ハズレでした…主人公知寿(ちず)の人間性があまりにも薄っぺらい。彼女は自己実現したいと願いつつも実際にそのことについて本気で考えようとしないため、一歩どころか半歩も人生進まず。まだ20歳だというのに枯れており、悲しいです。

そんなつまらない女の子の毎日をグダグダと聞かされていてもちっとも面白くない。
確かにどんな人にも鬱屈した気持ちや嫉妬はあるものですが、それを自分で認めて自分の中で消化して、そこから一歩踏み出そうとする気持ちも動きも、知寿にはまーったくと言ってない。そんな人生でいいのか若人よ。かといって好んで退廃的な生活をしているというわけでもなさそうだし。

自分の人生は自分でけじめをつけましょう、という教訓ですかねこれは。いや違うかな。

評価:(5つ満点)

クイーン

queen.jpg女王の品格
ヘレン・ミレンが素晴らしかったです、女王としての品格、威厳、存在感、そして苦悩と孤独を抱える様を見事に体現していました。必見です。

誰もが記憶にあるダイアナ妃のショッキングな事件。彼女の数奇な人生と対極をなす、伝統と格式を重んじるイギリス王室。その中心人物であるエリザベス女王にスポットを当てた本作は、映画の作りが女王贔屓かダイアナ贔屓か、ということよりも、こうした映画が作られたことそのものに拍手を贈りたいですね。

女王一家が休暇を過ごしていたスコットランドのバルモラル城の質素な様子、周囲の広大な自然と鹿狩りの様子、そしてその自然の中でみずからレンジローバーを運転し、川を渡る女王の姿が、痛々しくも凛とした姿で素晴らしかったですね。映像の持つ魅力で余す所なく女王の心情を伝えていたと思います。

評価:(5つ満点)

市民マラソン

ocean01.gif祝!完走
いよいよマラソン当日。果たして完走できるのか…という不安と共に会場へ。参加者は4000名弱とH市周辺の市民マラソンとしては最大級の規模です。

朝会場へ車で向かうと早くも渋滞。迂回して駐車場へ入れると、いつもは人がパラパラとしかいない港の岸壁に、人、人、人!
マラソン愛好会も集合、ゼッケンを付けて気合が入ります。

開会式には招待選手の2名の方々も。一緒にストレッチをしました。応援団も集結し、否応なく気分が盛り上がってきます。開会式直後は3キロスタート、小学生と中学生が出た後に一般が出ますが、着ぐるみパフォーマーにお神輿!?の人たちもいて大騒ぎ。3キロはお祭りですね。

その後ハーフ。愛好会のリーダーORくんがまず出発です。本番用衣装?はカッコいいわぁ…ピチッとしたタイツみたいなパンツに包まれたカモシカのような足。若いっていいわね…←?
張り切って出発、そして次発が私達5キロです。

5キロは私とHYさん。5キロだと出場の人々もまだなごやかムードでちょっと走ってみるか、という人ばかりかなと思っていたら大間違い。いち早く折り返してすれ違った先頭集団は、ランニングにタイツパンツのアスリート、バリバリでございました。

ジオラマ*桐野夏生

jiorama.jpg金のため男に抱かれることに疲れ始めたカズミ。ベルリンのガイドで生計を立てる美貌の男カール。地方銀行に勤める平凡な会社員の昌明。一見平凡に平和に暮らす人々の影にある、危うげな生活を描いた短編集。
(桐野夏生)1951年金沢市生まれ。『顔に降りかかる雨』 で江戸川乱歩賞、『OUT』 で日本推理作家協会賞、『柔らかな頬』 で直木賞、『グロテスク』 で泉鏡花文学賞、『残虐記』 で柴田錬三郎賞を受賞。 また 『OUT』 で日本人初のエドガー賞候補となる。
(収録作品)デッドガール/六月の花嫁/蜘蛛の巣/井戸川さんについて/捩れた天国/黒い犬/蛇つかい/ジオラマ/夜の砂


読み逃していた短編集、出版がやや古いためかそれほどインパクトがなかったかな。たくさん短編が入っている中のベスト3は以下です。

■ 黒い犬
日独ハーフのユウリは日本にいてもドイツにいても自分の居場所を見つけることができない。久しぶりに帰国した日本のかつて子ども時代を暮らした家で、なぜか忘れていた子どもの頃の記憶を思い出す。その記憶をたどることで思い起こされる、数々の出来事。母の言った 『忘れた方がいい思い出もある』 という一言が沁みる。

■ ジオラマ
矛盾しているがやめられない、という人間の身勝手さを描いた作品。いつも思うのだがどうして桐野氏は男の心理を書かせるとこうも秀逸なのだろう。男とは不条理な生き物である、ということを分かっているからだろうか。

■ 井戸川さんについて
可笑しさの中に怖さがある作品。これぞ小説。

評価:(5つ満点)

図書館危機*有川浩

toshokiki.jpg図書館は誰がために。王子様ついに発覚、 山猿ヒロイン大混乱!混乱のあまり現場をひっちゃかめっちゃかに!?一方玄田のもとには折口からの出版事情の揉め事相談が…。出るか伝家の宝刀・反則殺法!そして、山猿ヒロイン故郷へ帰る!?そこで郁を待ち受けていたものとは!?終始喧嘩腰で 『図書館戦争』 シリーズ第3弾、またまた推参! (メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。著書に 『空の中』 『海の底』 『図書館戦争』 『図書館内乱』 『図書館危機』 『レインツリーの国』 など。『図書館戦争』 で2007年本屋大賞第5位。

図書館のインターネット予約カートをこんなに何度も覗いてしまった本は久しぶりでした。ついに来た図書館戦争シリーズ第3弾。やっぱり堂上教官、好きだーーー!

でも2巻、3巻と続くにつれて堂上クンが段々軟弱化してきており…恋する29歳の青年だから仕方ないのかもしれないけど、1巻の硬派バリバリ体育会系の堂上教官はどこへ?といったカンジ。

今回の目玉は昇進試験。同期の手塚、柴崎というエリートにいつも差をつけられていたばかりの郁が、得意の子ども(未就学児)対象のレクリエーション実技で見事なアニマシオンを展開し、トップの成績を修める、というところ。ただ正直に言うとアニマシオンとしては内容がかなり不十分だけど…もうちょっと工夫しないと、アレだけじゃそんなに盛り上がらないのでは?たまたま他の受験者がみんな児童書読み聞かせしかしなかったから目立っただけで、実際に読み聞かせだけっていうのは有り得ないと思うし。なんて突っ込んでみたり。

その他は恋愛模様は暴走しまくり、さすがライトノベル(笑)。シリーズはあと1巻続くそうです、普通シリーズは3巻程度では?という突っ込みはいいとして、さて結末はどうなる?結局は大団円か?

評価:(でも堂上クンはカワイイ)

マラソン愛好会 合同練習(その3)

boybear09.gif本番コース走破
(その3)にして(ラスト)となってしまった本番前練習。かなりヤバイかも。
今日は我が愛好会のリーダー兼コーチのORくんが仕事お休みのため、私のためだけにマンツーマンレッスンをしてくれることになりました、なんてありがたいのかしら。本番コースを2人で走りました。

本番コースは海沿い、やや風強し。コースルートを車で確認後、走り始めました。マンツーマンレッスンとあれば私が走らざるを得ず…そして言われていた通り、最初の1キロが長いこと!まだまだじゃないの…2キロを過ぎた頃にはもうダメ苦しい、折り返し過ぎたらちょっと歩いてもいい?と聞くと 『いいですよ。』 とORくん。あと少し、あと少しで歩ける、走らなくてもいいんだ、と折り返しまで走ると…。

『折り返し過ぎたらもう2キロないですよ、前半の方が長い作りだから』 というORくんの言葉を聞くと、なぜか安心してそうか、なら後はもう少しだ、という気持ちになれ、何と最後まで完走できたのです!残り1キロはやはり辛く、もうちょっとでやめよう、あのポールまで行ったら止まろう、と自分をごまかしごまかし走り、何とか完走!やっぱり嬉しい!

5キロ。申し込み時は余裕だと思っていたのに、こんなに道程が長いとは。しかしかなりゆっくりとはいえとりあえず5キロ、本番コースを完走したというのは大きな自信になりました。これで本番もたとえ何分かかっても完走はできそうだわ。今日のタイムは32分、できたらこのタイムを少し縮めることができたら、もう言うことなしです。ORくんに本当に、感謝

ことばの教室(第7回)

hello05.gif語彙の獲得とは
月1回のことばの教室です。第2王子は 『きょうしつのがっこう』 と呼び、通級を楽しみにしています。しかし今日は私にとってかなりショックな事実に直面してきました。

もうすぐ5歳、ということで改めて語彙獲得度を確認するテストをしたのですが、その結果によれば第2王子の語彙獲得程度は 【満4歳程度】 だそうです。およそ、1年の遅れです。その事実にちょっとショックを受けていたら、先生の一言 『1年って結構大きいですよね。』 に激震を受けてしまいました。

固まって動かない私に、先生も失言に気づいたらしく、その後はフォローの嵐が続きましたが(苦笑)、結局のところ遅れは遅れであり、その獲得にはやはり個人差があるので見守っていくしかない、という結論に至りました。
あくまでも目安だと強調する先生、1年かけて1年分成長する子が多い、という目安であって第2王子は1年かけて1年半分伸びるかもしれないし、それはこれからの様子を見なくては分からない。ただ親を始めとする周囲の大人が、この子は言語を獲得するのがやや苦手である、ということを認識していれば、ちょっと難しい語、分からない語が出てきて迷っている時に助けてあげることができる、という認識でいればいいと言われました。

今日ほど 『発達障害』 という言葉が頭をグルグルしたことはありません。
でもいずれにしても事実は事実として受け止めなくてはならない、その上で第2王子にとって何が一番いいのか、何をしてあげられるのか、を考えるのが親の務めだな、と改めて思った次第です。

脳の活性化は身体の活性化から。とにかく運動、歩きましょう。と今日も言われました。子どもも大人もしっかり活性化しなくちゃ。

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急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
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木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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