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読書と映画と観劇と

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本屋大賞2005

img20050821.jpg『本屋大賞』 は全国の書店員が 『いちばん!売りたい本』 を選ぶ賞として、2004年の4月に誕生した。書店員が 『読んでよかった』 『もっと売りたい』 と思った本を選んで投票し、その集計結果のみで大賞が決定する仕組みで、新刊書店に勤務する書店員(含むアルバイト、パート書店員)なら誰でも投票資格を有する、かつてない開かれた賞である。(『本屋大賞2005』 本の雑誌増刊 より)

昨年から始まった本屋大賞。これは既存の文学賞の選考方法があまりにも閉鎖的であることに対する挑戦とも言われています。何より現場の書店員が 『売りたい』 と思った本、というところが核心を突いているじゃありませんか。本屋に勤める人って、どう考えても本がキライ、という人は少ないだろうだからです(たまにマンガしか読まない人も勤めてますが…)。

去年の第1回本屋大賞を受賞した 小川洋子 『博士の愛した数式』 がこの受賞効果でベストセラーとなったことも記憶に新しいですね。その選考経過を記したのが本書、本の雑誌増刊号です。実はまだじっくり見てません。でもこれだけでも当分、ブックガイドとして役に立ちそうです。

ちなみに今年の大賞は 恩田陸 『夜のピクニック』 です。
何度か図書館で借りたのに、読まずに返しちゃいました。どうも、恩田陸に対するイメージがあんまりよくないので、今すぐ読もうという気になれないのが残念。読まれた方のコメント、お待ちしております。そのうちには読もうとは思っているのですが…。
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たいせつなこと*M.W.ブラウン

img20050821.jpg1949年にアメリカで出版されて以来読み継がれてきた名作を、半世紀の時を超えて今日本の子どもたちに初紹介。たいせつなことは何かを優しく詩的な文章で語りかける。
マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイスガード絵、内田也哉子訳。


あるインタビューで内田也哉子が 『実は絵本ばかり読んでいて大人向けの本は読んだことがない』 と話していました。その彼女がアメリカの本屋で見つけた、本書です。2001年に翻訳され出版されて以来、私の買った本は24刷でした。
原題は The Important Book です。

『幸せの絵本』 にも紹介されていますが、この本をいつも贈り物としてお友達に贈っている、という人の意見が載っていて、ぜひ手にとって見たいと思いました。

私が好きな箇所はりんごのところです。

 りんごは まるい
 りんごは あかい
 したくの できた りんごは
 きから ぽたんと おちてくる
 かじると なかは しろく
 あまずっぱい つゆが
 ほおに はじける
 そして りんごの あじが
 くちいっぱいに ひろがる

 でも りんごに とって
 たいせつなのは
 たっぷり まるい
 と いうこと
     (引用 『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン作 より)

各ページの最後にはいつも
『でも○○にとってたいせつなのは ○○ということ』
というフレーズが入っています。
そう、りんごにとって大切なのは 『たっぷり まるい』 ことだけなのかもしれません。

ちょっと疲れてきたら、読んで欲しい絵本です。表紙のりんごの絵もきれいです。

評価:(5つ満点)

100万回の言い訳*唯川恵

img20050821.jpg結婚7年、夫婦仲は悪くない。だけど何かが足りない気がする。それが子どもかもしれない、と子どもを作ろうと決心した妻 結子。思いかけずマンションが火災の被害にあったことで別居生活を余儀なくされるうちに、それぞれが恋人や周囲の大切な人々との生活も大切にしたいと思い始める。結婚とは、夫婦とは、既婚者の恋愛とは何か。それぞれの意味を問う。『小説新潮』連載を単行本化。

唯川恵はどの作品も悪くないのですが、コバルト色がやっぱり強いなぁといつも思います。あと群像(一人称がいっぱい)小説が好き。今回も一人称は何人も入れ替わります。それもいいけど、ほぼ1人に絞った 『燃えつきるまで』 あれが一番の秀作だと思っているので、唯川さん今度は主人公は1人の小説を書いてみたらいいんじゃないかなぁ。などといつも余計なことを考えております。

今回の作品から学習したことは、夫婦になる(結婚する)と言い訳も増えてきますが、明らかにこれは言い訳(ウソ)だな、と思っても突っ込まないこと、ということです。
この作品の夫婦、結子と士郎はさすがに2人とも四十路に入ろうという年齢のせいか、とっても大人です。明らかにウソくさい(笑)シチュエーションでお互いが言い訳をしていても、それならそれでいいか、と相手を許しているというか許容している。うーんエライ。見習わないと(笑)。

その言い訳は100万回、というのはちょっとおおげさですが100回くらいはしてますね、この作品の登場人物たち。夫婦は厳密に言って 『家族』 という単位ではない、と考えさせられる作品です。
と意味深な感想書いてみる(笑)。

評価:(5つ満点)

アンナとロッテ

img20050821.jpgとっても良かったです。第二次大戦の最中、敵同士であるドイツとオランダに別れて暮らしていた双子の姉妹を取り巻くそれぞれの状況が、長年互いを求めていた気持ちを徐々にすれ違わせて行ってしまう、悲しい物語です。

第二次戦争直前のドイツ。病気で両親を亡くした双子の姉妹、アンナとロッテ。病弱で結核であったロッテをアンナはいつも気遣っていました。姉アンナはドイツの貧しい農家の親戚に引き取られ、学校へも行かせてもらえず農場の手伝いをムリヤリさせられます。一方妹ロッテはオランダの裕福な親戚に引き取られ、大切に育てられ大学でピアノを専攻します。

2人はそれぞれの環境で恋人と出会い、将来を約束するのですが、アンナの恋人で後の夫はナチスの親衛隊、ロッテの恋人はユダヤ人の青年で、事件に巻き込まれついにはアウシュビッツでその生涯を終える結果となってしまうのです。

評価:(必見!)

対岸の彼女*角田光代

taiganno.jpg30代既婚子持ちだが言いようのない孤独感に苦しむ 『勝ち犬』 小夜子と、独身子なしであり会社経営者として必死に生き抜いている 『負け犬』 葵。立場が違うということは時に女同士を決裂させる。女を区別するのは常に女。性格も生活環境も全く違う2人が葵の会社で出会い、上司と部下の関係を超えて女の友情は果たして成立するのか?それぞれの生い立ちから現在の家庭環境を通じ、女の友情について正面から捉えた意欲作。第132回直木賞受賞作。

今度は全文読みました。角田光代は初めて読みましたが良かったです。特に葵の生い立ちからの描き方は秀逸ですね。主人公はやはり葵、でしょうか。
葵の高校時代の友人、ナナコの言葉 『本当に大切なものはあそこ(学校)にはないの。』 ではどこにあるのか?人生はそれを探し続ける旅なのでしょうか。

本屋大賞2005にもノミネートされましたが、本作は他の角田光代作品と比べても(数冊読んでみました)やはり構成がしっかり出来ていて、一番の秀作ですね。今後の作品が非常に楽しみです。

さて 『勝ち犬』 小夜子と 『負け犬』 葵それぞれの生活を軸に物語が進行して行きます。どちらも自分の生活を精一杯生きているのに、努力しているのに、どこか満足しきれていない。

『対岸の彼女』 という題は、小夜子と葵、お互いが川をはさんで立っていた(立場が違う)けれども、それは交流を断たれていたという意味ではなく、お互いを友として求め合っていたという意味だと私は感じました。学生時代ではなく大人になってから、つまり長い人生を生きていく上での他者とのつながりの1つである 『友情』 とは何かをテーマにした作品です。

評価:(5つ満点)

コンスタンティン

img20050821.jpg『新しいマトリックス』 の前評判を真に受けて、行ってきました。がっ思いっきり外しました!ストーリーもよく分からないし、あれが伏線ならどこが伏線だ!というような内容で、キアヌ・リーブスがカッコいいだけの、途中で寝てしまう出来でした。

コンスタンティン(キアヌ)は色々あって一度自殺を図るのですがそれに失敗し、この自殺の罪を現世で償うためにエクソシスト(悪魔祓い)として生きるよう(神様に?)強要されています。何でも悪魔が隙あらば現世に忍び込もうとしているので、それを見つけてやっつけるのが彼の役割とか。

う~ん、でもそれも何だか映画全体のテーマじゃないみたいだし、一体何が言いたいのか?悪魔や天使が普通の人間の格好をして時々コンスタンティンと接触しますが、それも何だかトンチンカン?

私、テーマがハッキリしない映画はあまり好きじゃありません。SFXも大したことなかったし。というか大がかりなSFXにすっかり慣れてしまって、多少のことでは驚かなくなってしまいました。それっていいことなのか、悪いことなのか。むかーし見たスターウォーズのような感動はもう二度と、味わえないのかも。と思うと寂しいような気もします。

とにかくこれは失敗。キアヌファンではない方は観る必要はありません。とくに伏線の描き方が気に入らない。ちょっとお粗末ですね。とかなり厳しい評価です。

評価:(キアヌ分でオマケ1)

残虐記*桐野夏生

img20050821.jpg失踪した作家が残した原稿。そこには25年前の少女誘拐・監禁事件の被害者が自分であったという驚くべき事実が記してあった。一通の手紙をきっかけに、奔流のようにあふれ出した記憶。1年間の監禁生活が少女にもたらしたすさまじいまでの影響とは。桐野氏自らが 『グロテスク三部作』 と呼ぶ第ニ作目。
『週刊アスキー』連載に加筆して単行本化。 柴田錬三郎賞受賞。


人が生きてゆくために必要なものとは何か。 『自分は愛され、必要とされている』 という確固とした信念ではないかと思うのです。東野圭吾 『白夜行』 での感想でも書きましたが、親としての何よりもの責務は日々子どもに幸せな毎日を送らせることだと、痛切に感じる一冊でした。

本作は作中、失踪した作家の手記(作品)という形で書かれた小説です。この小説の前後をはさむ形で作家の夫という人物の独り語りが入っています。こうした形式をわざわざ取ったのはなぜか。

本当に、これまで普通に生活を送ってきて突然監禁される生活に陥るということは想像しがたいものです。まさに監禁された本人にしか分からない、その理不尽さ、恐怖、絶望感。今回は作者はそれを描き出そうとしたのではないかと思います。そして、監禁により生まれた、何年経っても癒されることのない心の傷。

評価:(5つ満点)

高校同窓会

高校を出て早数年、ハッキリ言うと15年も経ってしまいました。
全体に仲の良い同期のようで、うちの部活も毎年何回かは集まっているし、他の部の集まりや友達同士の集まりが続いていると良く耳にするので、その中から全体の同期会としての同窓会をやってはどうか、という話が今年になりボチボチ出てきたそうです。

2月に急遽決まった同期会は地元で行われ、急遽の割には30名弱集まり盛り上がったそうです。それにも行きたかったのですが、これを皮切りに同期会がどんどん開催されたらいいな、と遠くH市でぼんやり思っていたところ、早速連絡が来ました。同窓会の幹事さんは女の子(っていう歳じゃないけどいいのさ!)4人組で鍋パーティをしていて、同窓会ってのもやってみたいよね、という話になり開催が決まったそうです。仲良し4人組には本当に感謝。

今回はインターネットフル活用で、知り合いから知り合いへメールが渡り、同窓会までの期間限定Blogまで立ち上がりました。本当に便利な世の中になったもんだ。更には幹事の女性ならではの親切な心配り、夜出てこられない方(小さいお子さんがいたり)のためにお昼の同窓会 『0次会』 もありました。 『ゼロ次会』 というネーミングが面白いね。
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DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
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