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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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ハリーポッターと不死鳥の騎士団

img20050821.jpg復活したヴォルデモートとの戦いはいつ始まるのか?ハリーは休暇中にプリペッド通りで吸魂鬼に襲われる。ダンブルドア率いる『不死鳥の騎士団』に救出されたハリーは騎士団がヴォルデモートと戦うために組織されたことを知るが、その存在は魔法省には疎まれていた。『生き残った男の子』 ハリーの運命の真実が今、ダンブルドアからハリーに明かされる。もはやホグワーツも魔法省の管理下に置かれ、ハリー達ホグワーツ生らは自衛策として闇の魔法に対する防衛術を自習することを始めるが…。シリーズ第5弾。

確か1年前、邦訳が出るまでに1年もあるなんて耐えられない!とAmazonで原作を買ったはずなのに。あっという間に読まないうちに邦訳が出てしまいました。1年なんて本当にあっという間ねぇ。なんてことを言ってごまかしていないで、いつ読むのか原作?

ハリーはホグワーツ5年生。15歳の夏を迎えます。ロンやハーマイオニーら親友達ももはや子どもではなく、学年末に行われる普通魔法試験(OWL)に向け将来の職業を意識し始めます。しかしハリーポッターも5作目、私達読者もハリーの世界にすっかり慣れてしまったのかもしれません。3作目くらいまで続いた魔法界の驚くような真実にはもう出会えなくなりました。

ついに真実がダンブルドアの口からハリーに語られる!というのが本作の目玉らしいですが、その真実というのもああやっぱりね、という内容で特に驚くに当たらず。そんなことだろうと思っていたよ、というのが本音だったりします。ヴォルデモート対策としてダンブルドアを中心に 『不死鳥の騎士団』 という自警団が作られますが、なぜかヴォルデモートの復活を信じようとしない魔法省はその存在を認めないばかりか、日刊預言者新聞を使って魔法界の人々を情報操作する始末。それもどこかの世界と全く同じですね。

評価:(1つオマケ)
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生まれる森*島本理生

img20050821.jpg恋人に別れを告げられた痛手から自棄になっていた主人公の『わたし』。友人の部屋を借り大学の夏休みに限定の独り暮らしを始める。ただ流れていく日常に転機を送り込んでくれたのは高校時代の同級生キクちゃんとその家族だった。陽気な家族とその長兄の雪生との関わりや周囲の人々との交流の中で終わった恋を整理しながら『わたし』は再生の道を辿り始める。第130回芥川賞候補作。

本作はあの(どの?)金原ひとみ、綿矢りさ作品と同時に芥川賞候補作となった作品です。またも芥川賞を逃しましたがいずれ島本氏は芥川賞を取るだろう、というのが大筋の評判です。私もそう思う。

残念ながら2作品よりはインパクトがなかったのは事実。文章力は 『リトル・バイ・リトル』 より上がっているのかもしれないが私としては 『リトル…』 の方が作品としては好感が持てました。というのも冒頭主人公である野田ちゃんは父親の分からない子どもを中絶するのですが、この事実に関する野田ちゃんの想いが余りにも深く描かれていない点。

恐らくは島本氏自身も経験がないことを書いたせいかもしれないのですが、妊娠しそれを中絶する、という行為はそんなに簡単なものではないだろうと思うのです。私自身も経験がないので偉そうなことは言えないのですが、妊娠は2回経験があるのであえて書いてみます。

命が自分の中に宿る、というのは大変嬉しいことでもあり大変恐ろしいことでもあるのです。この命を守るのも失うのも自分に全責任がかかっているかと思うとそのプレッシャーには耐え難いものがある。その大半はホルモンバランスが影響しているのでしょうが、中絶したから簡単に元の生活に戻れるかと言うと決してそうではないのです。

その辺がちょっと設定として甘いかな。野田ちゃんが思い出すのは恋人だったサイトウさんのことばかりだし。しかし複雑な性格の野田ちゃん自身の心を 『深い森』 にたとえ、彼女を取り巻く人々との交流の描き方はやはり上手い。人は自然と自分の癒しとなる、自分に合う相手を探そうとしなくても見つけることができるものなのかもしれないですね。

ってそれは私もそうなのかも?と私の運命の人(笑)を見ながら考えてみる。

評価:(5つ満点)

帰ってきたアルバイト探偵*大沢在昌

img20050821.jpgかつて死の商人として暗躍していた人物の白骨死体が東京で発見された。彼の最後の商品は小型核爆弾。その行方を巡り入り乱れる国際テロ集団、各国政府。 『歩く国家権力』 島津の依頼を受けた冴木涼介・隆親子は東京と美女を核爆弾から守れるか?
アルバイト探偵シリーズ6作目。


シリーズ第1作から17年。隆君は相変わらず高校生です。しかし4作目の最後で留年したので現在は高校4年生。そんな隆君の目下の課題は 『歩く国家権力』 島津さんから東大の推薦入学枠を獲得すること。そんなこと…できるのか?

21世紀になっても広尾の洋風アパートに住み、元エージェントの親父殿と2人で探偵事務所の仕事に精を出す一方でそれなりに青春を謳歌するのが隆君のライフスタイル。と大枠は変わらないのですが、やはり微妙に変わってきている、というか変えざるを得ない設定もあります。

■ 携帯電話
さすがに携帯は持っていた。もう公衆電話から電話中に人質に逃げられる心配なし。携帯のメールは使えるのだろうか、隆君?

■ タバコの銘柄
隆君は留年を機にタバコの銘柄を変えたそうで今度はマルボロライト。そうだよね~マイルドセブンはさすがに若者が喫う銘柄じゃないよねぇ(愛煙の方暴言すみません)。

■ ステディ
元スケ番・康子ちゃんとはもうデキていた。第1作からお付き合いだからもう17年だし。康子ちゃんはちゃんと付属の短大に進学しレースクィーンのアルバイトに忙しい日々とか。でもこのレースクィーンって辺りもそろそろ死語では?

■ 野心家
80年代はノンキな高校生だった隆君も高校4年と後がなくなれば自然と先のことを考えざるを得なくなり、身近な国家権力を活用しようと思いつく。内閣調査室勤務の島津さんは涼介親父とはエージェント時代からの知り合いで時々依頼を持って来る大事なクライアント。今回の依頼の報酬として 東大推薦枠 を提案する隆君。 『東大に推薦って…あったかなぁ?』 とマジメに受け答えする島津氏…こんな人が歩く国家権力で大丈夫なのか、現代日本!

と隆君とその環境を見るだけでも面白いのですがそろそろ本題へ。

評価:(5つ満点)

アルバイト探偵*大沢在昌

img20050821.jpg広尾の洋風アパートに暮らす冴木親子。父 涼介は私立探偵。ズボラで女好きの不良親父だがヒゲの似合う顔つきで見てくれは悪くない。息子の隆(リュウ)は都立高校2年生。複雑な家庭環境ながらツッパリにもオタクにもならず適当に不良な高校生として生活する孝行息子。ひとたび事件があれば親父が最も信頼するパートナー、アルバイト探偵と化す。次々と迫る難事件を解決する冴木親子、その不思議な関係は?
アルバイト探偵シリーズ第1作。


本を読むのはしばらく断つはずじゃ?と自問自答。病院の待ち時間が長かったもので…と言い訳してみる。

おなじみアルバイト探偵(アイ)シリーズ第1作。86年の作品、と思って読むと80年代の世相などが分かり面白いです。死語となった不良用語が結構出てきます 『フける』 とか 『番を張る』 とか。えっ今も使います?

4つの短編が展開する中で涼介と隆の微妙な親子関係や2人が住む広尾の洋風アパートの人々、美人家庭教師の麻里、J学園で 『番張ってる』 康子などのレギュラー陣が続々と出てきます。

面白いのは隆君は最初はかなりいい加減な高校生で、通う都立高も中の上くらいの学校だそうだし、大事なことはマイルドセブンとマイ●ー●を切らさないこと(爆)だそうだし、とかなりワルめの高校生なのですが、これがシリーズが進むにつれ変わっていくそうなのです。あとがきには成長する隆を楽しんで欲しい、と大沢氏のお言葉があります。なるほど隆君も成長しているわけね。その成長をゆっくり楽しみたいところですが、続きはいつ読めるかな。

短編4作ですが話の仕掛けとしてはやや物足りないですね。やはり80年代という時代背景を踏まえて読むとそれはそれで面白いです、隆君が涼介に公衆電話から連絡しているうちに人質に逃げられたとか、アパート1Fの喫茶店のマスターを伝言係に使うとか、携帯電話が普及しすぎている今なら絶対に有り得ない展開が面白い。まただんだんに涼介の行商人としての過去が暴かれていくところが楽しみですね。

※マイ●ー●は薬局でアルバイトした頃売っておりましたが今もあるのでしょうか。私は用ナシだけど(笑)。

評価:(5つ満点)

あさ*谷川俊太郎/吉村和敏

asa.jpg夜が明けて朝がくるっていうのは、あたりまえのようでいて、実はすごくすてきなこと…。右から読むと詩集、左からみると絵本という新しい形のビジュアルブック。「朝」をテーマにした、言葉と写真のコラボレーション。

私の好きな詩人谷川俊太郎の詩が写真家吉村和敏氏のカナダの美しい朝の景色を背景に綴られている、詩集とも写真集ともいえる本です。 『朝』 にちなんだ谷川氏の詩を集めた作品で、私の大好きな 『朝のリレー』 ももちろん収録されています。

言葉というのは不思議なものですね。
みんな同じ日本語を使っていると言うのにその表現はみな違い、ちょっとした食い違いや感動を与えることができる。本当にちょっとした気遣いで言葉を伝えることをもっと気にかければ、周りの人とももっとよい交流ができるのかもしれません。

大変美しい本なのですが、大変残念なことに誤植がありました。しかも 『朝のリレー』 の箇所で。あまりにも有名なこの詩の一節を間違う、なんて考えられないことなので、よほど偶然が重なったのでしょうね。実は発行されてすぐ買ったので思わず出版社に電話してしまったのですが、担当は知っていました(当たり前か)。かなりガックリした様子の電話先の声に、思わず 『良い本なのに残念でしたねぇ』 なんて言ってしまいましたが、それだけ谷川氏の詩のファンが多いと言うことで、こういう企画を考えてくれた出版社と担当者の方にはやっぱりありがとうと言いたいですね。

本の綴込み読者カードに励ましの言葉でも書こうかと思います。

評価:(誤植さえなければ…)

西の魔女が死んだ*梨木香歩

nisinoajoga.jpg中学校へ行けないまいはイギリス人の祖母のもとで暮らし始める。祖母は本物の 『魔女』 でまいは 『魔女修行』 をすることになった。それは何でも自分で決めるということ。児童文学者協会新人賞受賞作の児童文学。

本作は前々から読もう、と思っていたのですが、魔女であるおばあちゃんは日本人だと思っていたらイギリス人というお話でした。なんだ…。イギリスには今も魔女がいるそうですね、世界不思議発見で見ました。魔女は近所の皆さんの悩みや相談を聞いたり占いをしたりするそうです。日本のイタコのような存在でしょうかね。

冒頭まいは中学校へ通えなくなるのですが、ママが単身赴任中のパパへ電話するのを聞き 『ママはもう自分(まい)に誇りが持てなくなった』 と激しく苦しみます。親として胸に来る言葉です。親というものは本当に勝手なもので、子どもに対する期待はどうしてもある程度してしまうものです。そしてその期待が多かれ少なかれ裏切られると、落ち込みを感じてしまう。この前のあゆみがいい例ですな。そして子どもは敏感ですからその親の嘆きにまた、嘆いてしまうのです。

そんなまいにとっておばあちゃんは 『大好き』 な存在。ママやパパには言えなくてもおばあちゃんには 『おばあちゃん大好き』 と直接言えます。その度におばあちゃんは大きくうなづいて 『アイ、ノウ』 と答えてくれる。この関係の描き方がいいですね。

死んだら魂はどうなるのか。魔女であるおばあちゃんはいつも的確に答えてくれます。大人として子どもにどう接するべきかを考えさせられる、美しい小説です。

評価:(5つ満点)

新潮文庫 Yonda? CLUB

img20050821.jpg最近新潮文庫のパンダさんのフェアがリニューアルし、継続して来年度までプレゼントがもらえるようになったそうです。

応募は簡単、新潮文庫の背表紙を開いたところ、右上についている新潮文庫の三角マークを切り取り、希望枚数だけ応募用紙に貼り付けて送る、というもの。パンダのデザイナーも変わりプレゼントも一新され欲しい物満載。何より抽選じゃなくて(員)プレ(ゼント)という精神が大事だと思います。

しかも今夏のフェアとして新潮文庫夏のオススメ100冊の帯についているマークを2枚送ると、通常10枚集めなくてはならないブックマークがもれなくもらえるそうじゃないですか。とにかく【レア】【もらえる】のキーワードが大好きな私、普段本は図書館で間に合わせようと努力をしているのですがついに誘惑に勝てず買ってしまいました。

うちにある新潮文庫を探してみてマークを切り取ろうと思ったら。何とあまりにも古い文庫にはマークがない!マークのない文庫が案外うちには多いことに気付きました…くやしい。とりあえずの目標は10枚集めてもらえるトランプ。皆様、お手持ちの新潮文庫のマークが不要な場合はぜひとも私までお送り下さいませ♪

砂の狩人*大沢在昌

img20050821.jpg暴力団組長の子供ばかりを狙った猟奇殺人が発生。警察庁の上層部は内部犯行説を疑い極秘に犯人を葬ろうとする。警察庁の女性キャリアが選んだ【狩人】はかつて未成年の殺人犯を射殺して警察を追われた元刑事の西野。組長の子供を殺したのは中国人の仕業だとする暴力団と中国人マフィアとの全面戦争が始まる中、警察庁キャリア同士の攻防、犯人隠匿の理由に西野が迫る。

やっぱり大沢在昌は面白い。
読んでいる途中からやめられなくなってしまう。大沢節健在です。

真犯人の描き方が物足りない、という書評を多く見ましたが、私はあれでいいのではないかと思います。むしろ犯人像よりも事件に関わる多くの登場人物の描き方がさすが大沢氏。それぞれが魅力ある人物として綿密な設定で描かれています。元刑事の西野、警察庁キャリアの時岡(大沢作品の例外にもれずやたら美人の設定)、新宿の暴力団組員の原、新宿署マル暴担当刑事の佐江、それぞれの関係はそれぞれの立場や利害を考える前に 『人』 としてお互いを尊重し協力する 『絆』 とも言えるような関係となってきます。普通ならばそんなことはないでしょ、と言いたくなるような関係も大沢氏の手にかかれば現代のファンタジーとでも言いましょうか、何となくそれもアリかなという気分になります。そうそれが大沢節なのかも。

評価:(5つ満点)
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今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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