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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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サウスバウンド*奥田英朗

southbound.jpg二郎は東京中野に住む小学6年生。学校帰りに古本屋に寄り道して昔のマンガを立ち読みするのが日課だ。母は喫茶店を経営しているが、父は家にいてゴロゴロしているばかりの自称フリーライター。何かと学校へ怒鳴り込む父に辟易していた毎日だったが突如二郎は次々と事件に巻き込まれることになる。不良中学生との戦いや父の過去に関係する戦いの後、一家は沖縄 西表島に移住することになった。西表島でも父の周囲は変わらず騒がしいのだが、二郎の父や母に対する気持ちは徐々に変化していく。型破りな父に翻弄されていた家族が、その父を中心にまた1つになっていく様を少年の視点から描いた長編。1章は 『KADOKAWAミステリ』 連載に加筆、修正、2章は書き下ろし。
(奥田英朗)1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て作家に。『邪魔』 で大藪春彦賞、『空中ブランコ』 で第131回直木賞を受賞。主な著書に 『イン・ザ・プール』 『町長選挙』 『ガール』 など。


主人公は東京に暮らすごく平均的な小学6年生男子である二郎。この二郎の視点で物語が描かれているところが一番のポイントなのだと思う。1章は東京、中野区在住時代。学校帰りに古本屋で 『あしたのジョー』 を立ち読みするのが日課だった二郎だったが、ひょんなことからフダ付きの不良中学生カツに目をつけられる。まさに二郎にとっては生きるか死ぬかの瀬戸際、という人生初の苦難だが、破天荒な父はケンカなら正面切ってやれ、などと言う。普通の父親ならそんなこと言わないよな…と思いつつ、結局二郎は父の言う通り正面切ってケリをつけてくるのだ。

評価:(5つ満点)
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ナツイチ。2007

natuichi200702.pngナツイチは今年も全プレ
集英社文庫フェアのナツイチは、ここ数年店頭で全員プレゼント。今年はグレードアップしてストラップです!これは欲しい!

キャラクターは昨年から引き続き、カレルチャペック紅茶店の山田詩子氏の描く、ミツバチくんです。ストラップは全8種で、レアの女王バチは100個に1個!だとか。そりゃムリだな…。
でもおみくじ的要素にはいくつになっても惹かれてしまうのでした。こちらも1冊は最低でも買いたいけど。

natuichi200701.png

新潮文庫の100冊2007

shintyo200701.jpgアロ~ハ~ブックカバー
新潮文庫の今年のプレゼントはアロハ柄のブックカバー、これは欲しい!でも色が選べないとのこと、それは残念…。私は絶対赤が欲しい。

しかしながら角川文庫のフェアの記事で申し上げている通り、私は最近図書館を200パーセント活用しており、新潮文庫フェア対象本も読みたいものはほとんど読みつくしておりました…。ましてどの色が当たるか分からないし、今年も見送りなのか?寂しいわ…。

でも新潮文庫はyonda?Panda君フェアも同時進行でやっているので、文庫についている三角マークはいまだ集めております。最近は雑誌yomyomにもついてくる三角マーク、読者の気持ちガッチリ掴みまくりの新潮社。

こちらももう少し悩みます…悩め悩め(笑)。

角川文庫夏フェア

kadokawa2007.pngやっぱりスヌーピー?
今年も夏の文庫本フェアがやってきました。早速書店でフェアの冊子をもらってどれを買おうか吟味中。カバーは今年もやっぱりスヌーピーがいいよね…ケロロはちょっとしつこいかな今年のバージョンは。涼宮ハルヒって人気なんだ…私とは縁がないなぁ。などと考えていましたが…。

このブックカバーは対象文庫を2冊買わないともらえません。ところが最近本はほとんど図書館で間に合わせている私は、対象文庫からどうにか読みたい本2冊を探し出したものの、やっぱり図書館にあるならそれを借りた方がいいかも、と借りて読んでしまったんです!

あ~あ…これで今年もブックカバーもらえないかも。知り合いの書店員さんに頼んで、フェア終了間近の9月になったらフェアの帯だけもらいたい…イヤそれは大人として、人間としてあまりにも情けない行動ではないか?と悩む日々です…。

カバーをもらった方は私に自慢してくださいね。フェア終了まで時間があるのでしばらく悩むことでしょう。

yomyom3

yomyom06.jpg3号出ました
表紙は緑色。yondaパンダくんバケツに入ってます。大人気yomyom、早くも3号が発売され張り切って買いましたが実は未だに2号を読み終えておりません…恐れていた 『雑誌積読』 状態になってしまいました、困ったものです。

今号は新潮文庫の100冊フェアに合わせた内容で
 特集 『新潮文庫の100冊』 の作家たち
となっております。読み切り小説は重松清、川上弘美、沢木耕太郎、北村薫、唯川恵、角田光代、恩田陸。このラインナップはスゴすぎる、全部読むじゃん…。

しかし上記作家陣のうち1人だけ私は苦手な作家がいます。3冊ほど読みましたがやはり私の趣味には合わないかな、と思った作家。
Q. ここでクイズ: その作家は誰でしょう?
A.
当たった方には豪華商品が…
用意してありませんので読み流してください(笑)。

当代人気作家のオンパレード、やはりyomyomはお買い得ですね。ぜひ書店にてお求めを。

闇の底*薬丸岳

yaminosoko.jpg少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。自らを 『死刑執行人サンソン』 と名乗る犯行声明が警察とマスコミに届く。犯人の意図は、そして犯人は一体誰なのか。断ち切れない性犯罪の断罪について問う。
(薬丸岳)1969年兵庫県生まれ。駒沢大学高等学校卒業。 『天使のナイフ』 で第51回江戸川乱歩賞受賞しデビュー。

薬丸岳2作目。今回も難しいテーマ、性犯罪者の更正、断罪について。性犯罪者が更正することは本当に不可能なのだろうか?そしてその事実について、犯罪者本人はどのように捉えているのだろうか?

フランスの史実になぞらえて、断頭台の死刑執行人を代々務めたサンソンを名乗る犯人。この犯人にも登場する刑事達にも、そしてかつて娘が性犯罪の被害者となった男性にも、すべての登場する男性に5歳前後の女の子がいる、というところからまずややこしい。

犯人は犯人として一人称で登場することから、一体誰が普段の顔を隠しつつ犯人なのか、考えながら進むのだが、果たして犯人は表向きは普通の生活を送っている人物なのか、それとも全く別の人物なのか?やや煩雑な印象を受けてしまう。
途中から犯人の正体が薄々見えてくるので、犯人の心理状態についてもう少し突っ込んで欲しかったけど、そうすると読者に犯人像が完全に分かってしまうからできないようで…犯人の正体を最後まで隠そうとする余り、その心理描写がイマイチだと感じてしまった。

かつて小学生だった妹を性犯罪の被害で亡くした刑事と彼の上司である管理官、この関係についてももう少し突っ込んで欲しかったかな。法により罪を裁くとはどういうことか、警察官としてどのような態度で信念であるべきか。ちょっと弱かったかも。

一生癒されぬ犯罪被害者とその遺族、犯人の断罪とは。について描かれた意欲作ではあるが、一人称の切り替えが多過ぎて雑多な感じ。ラストも予想がつくためにちょっと物足りない。

評価:(5つ満点)

雲南の妻*村田喜代子

unnan.jpg商社員の夫と共に赴任した中国、雲南省。通訳として雇った美しい少数民族出身の娘は私と結婚したいと言い出した。少数民族の風習に則り結婚した私達は、夫と3人で一つ家に暮らし始めるが…。女性同士の結婚がもたらす人間関係の微妙な揺れ、中国の奥地に今も息づく、四千年の歴史を持つ茶葉の味わいを描く。
(村田喜代子)1945年福岡県生まれ。『鍋の中』 で芥川賞、『白い山』 で女流文学賞、『真夜中の自転車』 で平林たい子賞受賞。主な著書に 『花野』 『蕨野行』 『十二のトイレ』 など。

久々に小説らしい小説だった。数奇な運命を通して夫婦、人と人のつながりを描いた作品。中国の少数民族の風習も知ることができ大変興味深い。夫婦とは何か、夫と妻の考え方とはここまで違うのか、と考えさせられる。

少数民族の風習にのっとり 『妻』 を娶った敦子が、帰国する際に妻である英姫を連れて行きたがった気持ちはよく分かる、敦子にとって既に英姫は 『自分の一部』 になってしまっていたのだ。妻は自分の一部…こういう考え方は夫(男性)的なのか、妻(女性)的なのか、それも考えさせられる。
しかしこうした女が妻を娶る、という奇妙な風習はやはり中国、雲南という秘境の地であってこそ成り立つ関係であり、英姫の取った行動も敦子の諦めも当然仕方のないことなのだろう。

構成も見事。物語は初老の敦子が昔を回想することで語られているが、雲南での暮らしを思い出すきっかけとなったのも、敦子のボランティア先で出会った講師の男性が語った、彼の夢に出てきたという異国の家族の話という箇所。男性は夢の中のことであったのに生々しく、忘れられないのだと言う。

同様にして敦子にとっても雲南での暮らし、英姫との結婚生活は夢のようであったのだが、現実であったのだ。それが美しくも儚くも、悲しくもある。

評価:(必読!)

推理小説*秦建日子

suirishosetu.jpg全く面識のない人々が相次いで惨殺される事件が起こる。事件をつなぐのは現場に残された 『アンフェアなのは、誰か』 と書かれた本の栞のみ。警察と主要出版社に 『推理小説 上巻』 という原稿が届く。そこに書かれていたのは事件の詳細と殺人の予告だった。犯人の意図は何か、犯人に翻弄される警察内部とマスコミの目を通じ、犯人の真の目的に迫る。刑事 雪平夏見の物語、フジテレビドラマ 『アンフェア』 原作。 
(秦建日子)はた たけひこ。1968年生まれ。早稲田大学卒業。小説家、劇作家、演出家、脚本家。金融会社勤務を経て専業の作家活動に入る。代表作にTVドラマ 『救命病棟24時』  『HERO』 『ドラゴン桜』 など。 

この小説はちょっと風変わりである。著者は著名なTVプロデューサー、脚本家であることから、本作を書いた意図が読み取れるのではないだろうか。

小説はフィクションである。ノンフィクション、ドキュメンタリーではない。
だからこそ楽しむこと、その世界に入り込むことができるのであって、本作のように小説にあわせて事件を起こす、又は事件を起こしてその事実に基づいて小説を仕上げる、という犯人の行動は、現実社会において考えると本末転倒であり、小説の成り立ち方として有り得ない話である。ハッキリ言えば全く意味のない小説である。しかしこの犯人にとってはそれが 『リアル』 であり、この 『オリジナル』 であることが大切であると言っている。だから犯人は続けて事件を起こすのだ。

評価:(5つ満点)
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急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
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木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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