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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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魔女の宅急便その2*角野栄子

majo02.jpgキキと新しい魔法
コリコの街で暮らすようになったキキ。2年目も順調に仕事をこなします。街の人々もキキの存在を認めてくれ、宅急便の仕事も忙しくなりました。キキが運ぶものは動物園のカバからおじいさんの想い出まで、お願いがあれば何としてでも運ばなくちゃと頑張ります。
(角野栄子)1935年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒。25才の時にブラジルに2年間滞在。『ズボン船長さんの話』 で旺文社児童文学賞、『おおどろぼうブラブラ氏』 で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』 で野間児童文芸賞、小学館文学賞他を受賞。

修行が明けてもコリコの街で暮らすことを選んだキキ。里帰りもそこそこにコリコへ戻ります。早速待ち受けていたの荷物は、動物園のカバ?というお話から。
カバをどうやって運ぶのか、そもそもなぜカバを運ばなくてはならないのか?

『もの』 を運ぶことが 『気持ち』 を運ぶことだと気付いたキキは、丁寧に仕事にあたろうと努力します。 『キキ、さんぽを運ぶ』 の章では、病院へ入院しているおじいさんの願いを叶えるキキ。

映画の設定と異なり、キキの宅急便へのお礼が 『もちつもたれつ』 『ほんのおすそわけ』 というのがいいですね。魔女は昔からもちつもたれつ、だそうです。

一人で生計を立てていくうちに、キキに社会人として魔女としての自覚が芽生えてくるところが本作のみどころ。ほうきで飛ぶ魔法しかできなかったキキが、もっと街の人々の役に立ちたいと、里帰りしておかあさんに魔女の薬の作り方を教わり薬を作ることに成功するのですが、その薬の名前は 『くしゃみの薬』
『くしゃみの薬』 はカゼ薬のことだそうで…熱だけ、のど痛だけでくしゃみが出なくても効くのか?とか突っ込んじゃダメですね。

評価:(くしゃみの薬欲しい)
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魔女の宅急便*角野栄子

majo01.jpgキキは13歳の魔女。魔女のしきたりでは13歳になると一人立ちをしなくてはなりません。キキも旅立ちの日を迎え、相棒の黒猫ジジと共に 『自分の町』 を探して故郷を旅立ちます。親元を離れ自立する少女の期待と不安を描いた児童文学。福音館書店 『母の友』 連載作品。
角野栄子)1935年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒。25才の時にブラジルに2年間滞在。『ズボン船長さんの話』 で旺文社児童文学賞、『おおどろぼうブラブラ氏』 で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』 で野間児童文芸賞、小学館文学賞他を受賞。

やっと読み始めました。数年前から読もうと思っていた本作、 『児童文学週間』 と銘打って一気に読みます。

ひとり立ちするということ、親の庇護から離れたった1人で全てを対処するということ。わずか13歳のキキは魔女として生きていくため、昔からの伝統にのっとって13歳で家を出ます。

キキは大きな街コリコで生活を始めますが、最も大切なことは 『魔女として生きること』 、それは街の人々にとって自分という魔女が 『必要な存在』 にならなくてはならない、ということ。実に難しい。魔女の修行の一番大きな意味合いは、魔女が今も存在し人々の生活に役立つことができる、ということを体現することだそうです…うーん難しい。

キキはおなじみ 『お届け屋さん』 宅急便を始めますが、様々な 『もの』 を運びます。時に突拍子もないものを頼まれたりします、そして 『もの』 を運ぶうち、宅急便がモノそのものだけではなく 『心』 も運んでいることに気付くのです。

大きな街での魔女に対する偏見、孤独、様々な困難に出会いながらも自分を見失わず前進するキキ。新しい出会い、友情、恋模様もあります。スタジオジブリの映画の原作として著名な本作ですが、映画とは異なる原作の世界観、キキの性格が新鮮です。

 
評価:(小学生の初めての読書に)

スプーン*林あまり

spoon.jpg歌人 林あまりが贈る、短歌で綴る1人の女性のストーリー。短い短歌に凝縮された細やかな想い、1冊でストーリーが完成されていることを意識して読み取りたい。
(林あまり)1963
年東京都生まれ。成蹊大学文学部日本文学科卒業。歌人。著書に 『ガーリッシュ』 『ベッドサイド』 『光を感じるとき』 など。 作詞も手がける。

装丁が苺で非常に愛らしい。この装丁に惹かれて発売時も買おうかと随分悩みましたが、結局買いませんでした。近郊の図書館にあるのを見つけ喜んで借りてきました。

あとがきに注目です。
林氏は 『主人公の設定に非常に悩んだ』 とあります。この本は1冊で、1人の女性のストーリーを表現しているのです!小説ではなく短歌で、短歌の集合でストーリーを綴る。そんなこともできるんだ…と目からウロコでした。

改めてそうした視点で読み返してみると、小さな喜び、小さな悲しみ、小さな幸せ、小さな罪悪感、色々なことが詰まっています。短歌はその時々の心の揺れを書き留めておくものだ、ということがよく分かります。

『スプーン』 の題にある通り、短歌にもいくつかのスプーンが登場します。小さな鈴のついたスプーン、かきごおりをぐしぐしと押しつぶすスプーン。どれも、愛しい存在です。

評価:(やっぱり買おう)

ひとり日和*青山七恵

hitoribiyori.jpg東京で暮らせるのであればなんだってよかった。20歳の知寿は一人暮らしをする遠い親戚の71歳の吟子さんの家に居候をすることになった。2人が共に過ごした春夏秋冬を通じ、主人公の自立を描く。第36回芥川賞受賞作。
青山七恵)1983年埼玉県生まれ。2005年 『窓の灯』 で第42回文芸賞を受賞。 

芥川賞受賞時に審査員である石原慎太郎と村上龍、いつもは正反対の意見を散らす2人が揃って絶賛したということで話題に上った本作。文芸春秋を買っておいてから早数ヶ月、やっと読みました。

正直期待ハズレでした…主人公知寿(ちず)の人間性があまりにも薄っぺらい。彼女は自己実現したいと願いつつも実際にそのことについて本気で考えようとしないため、一歩どころか半歩も人生進まず。まだ20歳だというのに枯れており、悲しいです。

そんなつまらない女の子の毎日をグダグダと聞かされていてもちっとも面白くない。
確かにどんな人にも鬱屈した気持ちや嫉妬はあるものですが、それを自分で認めて自分の中で消化して、そこから一歩踏み出そうとする気持ちも動きも、知寿にはまーったくと言ってない。そんな人生でいいのか若人よ。かといって好んで退廃的な生活をしているというわけでもなさそうだし。

自分の人生は自分でけじめをつけましょう、という教訓ですかねこれは。いや違うかな。

評価:(5つ満点)

ジオラマ*桐野夏生

jiorama.jpg金のため男に抱かれることに疲れ始めたカズミ。ベルリンのガイドで生計を立てる美貌の男カール。地方銀行に勤める平凡な会社員の昌明。一見平凡に平和に暮らす人々の影にある、危うげな生活を描いた短編集。
(桐野夏生)1951年金沢市生まれ。『顔に降りかかる雨』 で江戸川乱歩賞、『OUT』 で日本推理作家協会賞、『柔らかな頬』 で直木賞、『グロテスク』 で泉鏡花文学賞、『残虐記』 で柴田錬三郎賞を受賞。 また 『OUT』 で日本人初のエドガー賞候補となる。
(収録作品)デッドガール/六月の花嫁/蜘蛛の巣/井戸川さんについて/捩れた天国/黒い犬/蛇つかい/ジオラマ/夜の砂


読み逃していた短編集、出版がやや古いためかそれほどインパクトがなかったかな。たくさん短編が入っている中のベスト3は以下です。

■ 黒い犬
日独ハーフのユウリは日本にいてもドイツにいても自分の居場所を見つけることができない。久しぶりに帰国した日本のかつて子ども時代を暮らした家で、なぜか忘れていた子どもの頃の記憶を思い出す。その記憶をたどることで思い起こされる、数々の出来事。母の言った 『忘れた方がいい思い出もある』 という一言が沁みる。

■ ジオラマ
矛盾しているがやめられない、という人間の身勝手さを描いた作品。いつも思うのだがどうして桐野氏は男の心理を書かせるとこうも秀逸なのだろう。男とは不条理な生き物である、ということを分かっているからだろうか。

■ 井戸川さんについて
可笑しさの中に怖さがある作品。これぞ小説。

評価:(5つ満点)

図書館危機*有川浩

toshokiki.jpg図書館は誰がために。王子様ついに発覚、 山猿ヒロイン大混乱!混乱のあまり現場をひっちゃかめっちゃかに!?一方玄田のもとには折口からの出版事情の揉め事相談が…。出るか伝家の宝刀・反則殺法!そして、山猿ヒロイン故郷へ帰る!?そこで郁を待ち受けていたものとは!?終始喧嘩腰で 『図書館戦争』 シリーズ第3弾、またまた推参! (メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。著書に 『空の中』 『海の底』 『図書館戦争』 『図書館内乱』 『図書館危機』 『レインツリーの国』 など。『図書館戦争』 で2007年本屋大賞第5位。

図書館のインターネット予約カートをこんなに何度も覗いてしまった本は久しぶりでした。ついに来た図書館戦争シリーズ第3弾。やっぱり堂上教官、好きだーーー!

でも2巻、3巻と続くにつれて堂上クンが段々軟弱化してきており…恋する29歳の青年だから仕方ないのかもしれないけど、1巻の硬派バリバリ体育会系の堂上教官はどこへ?といったカンジ。

今回の目玉は昇進試験。同期の手塚、柴崎というエリートにいつも差をつけられていたばかりの郁が、得意の子ども(未就学児)対象のレクリエーション実技で見事なアニマシオンを展開し、トップの成績を修める、というところ。ただ正直に言うとアニマシオンとしては内容がかなり不十分だけど…もうちょっと工夫しないと、アレだけじゃそんなに盛り上がらないのでは?たまたま他の受験者がみんな児童書読み聞かせしかしなかったから目立っただけで、実際に読み聞かせだけっていうのは有り得ないと思うし。なんて突っ込んでみたり。

その他は恋愛模様は暴走しまくり、さすがライトノベル(笑)。シリーズはあと1巻続くそうです、普通シリーズは3巻程度では?という突っ込みはいいとして、さて結末はどうなる?結局は大団円か?

評価:(でも堂上クンはカワイイ)

さまよう刃*東野圭吾

samayouyaiba.jpg不良少年達にもてあそばれ死体となった娘。その復讐のために父は犯人の1人を殺害し逃亡する。世論は賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上がる。犯罪被害者の遺族には犯人を裁く権利があるのだろうか。断罪について問う。
(東野圭吾)1958年大阪生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。

 テーマとして重く、難しいです。娘を陵辱された長峰の取った行動は果たして 『正当』 と言えるのでしょうか、 『正当』 とは誰に、何に対して正当なのでしょうか?
少なくとも長峰本人にとっては正当な行動だったのだと思いますが、彼の行動がもたらす周囲へのあまりにも大きすぎる影響に大しても、とまどいと恐怖を覚えます。

また彼の復讐の対象となる犯人である少年、アツヤとカイジのそれぞれの救いがたい母親を見ていると、同じ親としてまたいたたまれない気持ちになります。

逃亡する長峰の心の支えとなった和佳子、彼女の存在は長峰にとっても読者にとっても大きいものです。この和佳子ついての記述がもうちょっと多くても良かったかも、和佳子の心理状態や長峰との交流などについて。

東野作品らしく今回も伏線はバッチリ張ってあります、でもあのラストは、薄々感じさせつつもありえないのでは…いやありえないことが起こるのが現実だろうか?などと思いました。
宮部みゆき 『名もなき毒』 でも思いましたが、これら社会に巣食う 『毒』 は浄化しようがないのでしょうか。毒があることが現代社会では、当たり前のことになってしまったのでしょうか。人ごとだと思っている 『毒』 は身近にあるものなのかもしれません。

評価:(5つ満点)

春になったら苺を摘みに*梨木香歩

haruichigo.jpg梨木氏が出会った留学先のイギリスでの下宿の女主人、ウェスト夫人をはじめとする人々との交流の回顧録。文化、人種の違いを認識しながらも拒絶することなく全てを受け入れようとしたウェスト夫人。下宿に集う様々な人種、信条の人々。旅先で、移動中に乗り合わせた人とのふとした会話。全ての出会いに魂の触れ合いと相手を思いやる気持ちを見出すことのできる梨木氏の、心の琴線に触れる1冊。
(梨木香歩)1959年生まれ。児童文学者のボーエンに師事。 『西の魔女が死んだ』 で日本児童文学者協会新人賞、『裏庭』 で児童文学ファンタジー大賞を受賞。著書に 『エンジェルエンジェルエンジェル』 『村田エフェンディ滞土録』 『春になったら苺を摘みに』 、絵本に 『ペンキや』 『マジョモリ』 『ワニ』 『蟹塚縁起』 など。

梨木氏の文学の根底に流れる異邦人感覚、と言うべきでしょうか。 『本当の故郷』 とは特定の場所ではなく、自分の心が故郷だと感じることができるところなのだ、ということを教えてくれる1冊です。

英、米、カナダと巡る梨木氏が自身が 『異邦人』 として感じ見聞したことを率直に書き綴った内容です。1つの章で場面があちこちに飛ぶことが多いにも関わらず不思議と飛んでいる感じがしないのは、梨木氏の中では全てが一連の出来事、想いであり、それが文章として的確に表現できているからだと思います。

評価:(5つ満点)
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急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
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木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
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