



(5つ満点)(副題)物語療法の世界。まさか精神科を受診して、昔話や物語を聞かされるなんて、誰も思ってもみなかっただろう。でも患者達の当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を 『赤ずきん』 『桃太郎』 『幸運なハンス』 『三びきのこぶた』 などで解き明かす、ちょっと不思議で本当は不思議じゃない12話の 『心の薬』 。
(大平健)1949年生まれ。精神科医。聖路加国際病院精神科部長。著書に 『やさしさの精神病理』 など。
この本は題名だけは知っていましたが、あまり興味もなくまた私が思っていた内容とは読んでみて全く違っていたことが分かりました。副題にある通り、『物語療法の世界』 。著者である精神科医の大平先生は、診療室に来た患者さんに、昔話を語って聞かせる、という実例を集めた話。どうして昔話?かと言いますと…。
大平先生の本を読んでみようと思ったのは、yom yom創刊号に 『大平先生のyom yom診療室』 という連載が始まったからです。大平先生が 『だめんずうぉ~か~』 の倉田真由美氏と対談形式で現代にはびこる?精神病について語り合うというコラム。なかなか面白かったので、著書も手にとってみました。
大平先生によれば、これまで診療室にやってきた患者さん達に様々なたとえ話をして納得してもらおうと努力してきたが、ふとこれは昔話のパターンに似ているぞと気が付いた。そこで様々な昔話、お話を探してみると、担当している患者の状況と全く一致するものが実に多い!ということでたとえ話をやめて、いきなり昔話をすることにしたそうです。
これだけ聞いていると随分大胆な医者(というか手抜きじゃないか?)と感じるかもしれませんが、なるほどそれはなかなか理に適っています。
評価:


(なかなか面白かった)


(5つ満点)
近未来と思われるとある国。その国では原因不明の現象が30年に一度必ず起こっていた。それまで普通に生活の営みを続けていた町の人々が、ある日忽然と姿を消してしまうのだ。人々が 『失われる』 原因は誰にも分からず、予知もできない。ただ残された町の痕跡を消すことだけがその 『消失』 の広がりを抑えるのだと信じられている。ある日突然愛する人を失い、喪失感を抱えそれでも日々続く 『日常』 を生きて行かねばならない残された人々の悲哀、憤り、そして願いとは。異世界とも言える近未来を舞台に描いた新しいSF小説。『小説すばる』 掲載に加筆修正し単行本化。

(←辛口。次回作に期待!!!)



(どうぞのいすとご一緒に)


(ちょっとオマケ)
時は明治の頃。亡き友である高堂の父親に頼まれ、彼の家に留守番として住むことになった学士 綿貫征四郎。疎水の水が流れ入るこの家の池には河童や人魚が流れ着き、白木蓮の蕾は竜の仔を孕み、サルスベリには懸想される日々。そして雨と共に、床の間の掛け軸に描かれた湖からボートに乗って、亡き友 高堂は当たり前のような顔をしてしばしば帰って来る。周囲に渦巻く天地自然全ての 『気』 と綿貫の交歓の記録。書き下ろし。



(5つ満点)
まゆは林の中で迷子のうりんこ(イノシシの子ども)に出会いました。まゆはうりんこのお母さん代わりになろうと大張り切り、ごはんのサラダを作ってあげたり一緒にお昼寝したり、いつのまにか崖に登ってしまったうりんこを助けたりします。そのたびに 『おかあちゃんって大変だなぁ』 と思うまゆ。うりんこが無事母親のイノシシと再会すると、まゆもおかあちゃんにたまらなく会いたくなり、走って三本杉の下の家に戻りました。 


(5つ満点)