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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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ぼくのおべんとう/わたしのおべんとう*スギヤマカナヨ

bokuobento.jpgwatasiobento.jpgパカーン。まずはたまごやき。やったあ、からあげもあるぞ。 『ねえ、ミートボールとからあげ、とりかえっこしようよ』 『うん、いいよ』 楽しいおべんとうの時間です。
スギヤマカナヨ)絵本作家。東京学芸大学初等科美術卒業。渡米しエッチングを学ぶ。作品に 『K・スギャーマ博士の動物図鑑』 『K・スギャーマ博士の植物図鑑』 『ゾウの本』 など。

小さな子ども向けのお話会プログラムの勉強会で紹介してもらった絵本です。 『ぼくのおべんとう』『わたしのおべんとう』 はそれぞれ別の本として独立していますが、勉強会では2冊同時に読み聞かせを披露してくれました、それがすごく新鮮で面白かったのです。

通常読み聞かせは本を1冊ずつ読みますね、当たり前なのですが今回は2冊を同時進行。読み聞かせをする2人がそれぞれの絵本の 『ぼく』『わたし』 になり、男の子と女の子のお弁当箱の中身を交互に紹介して行き、とりかえっこするページでは見事に息が合います。1冊ずつではごくシンプルなお弁当の本であるのに2冊同時に読むだけでこんなに面白いなんて!

早速2冊同時に購入しました、一緒に勉強会に出たサークルのメンバーも同じく買っていたので、練習して2人で披露するのが楽しみです。この本を見かけたら必ず2冊いっぺんに読んでみてくださいね、スギヤマカナヨさんの絵もハッキリしていて見やすいです。

 
評価:(2冊同時読み)

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名もなき毒*宮部みゆき

namonakidoku.jpgあらゆる場所に 『毒』 は潜んでいる。人は時として意識せずその毒に侵されてしまうのだ。財閥企業で社内報編集室に勤務する杉村三郎。トラブルを起した女性アルバイトの身元調査で尋ねた私立探偵の事務所で、世間を騒がしている連続無差別毒殺事件の被害者の遺族に出会う。そこから一連の事件に巻き込まれていく。現代ミステリー 『誰か』 の続編。地方新聞各紙連載に加筆修正、最終章書き下ろし。第41回吉川英治文学賞受賞。
(宮部みゆき)1960年東京都生まれ。『我らが隣人の犯罪』 でオール読物推理新人賞を受賞し作家デビュー。 『龍は眠る』 で日本推理作家協会賞、 『理由』 で直木賞受賞、本作で吉川英治文学賞。

見事な作品。多くのエピソードを盛り込みながらその全てにムダがない。最近ムダな記述が多い小説が多かったので改めて宮部みゆきの手腕には驚くばかりです。
最初から文章がすんなりと自分に入り込んでくる、しつこくもなくかといってサラッとしすぎていて忘れてしまうことはない。むしろしつこいほど主人公杉浦三郎の心情を綴っているのにもかかわらず、全くしつこさを感じない。宮部文学の真骨頂です、やはり宮部は刑事物が一番だと思います。

本作は 『誰か』 に続く杉浦三郎シリーズ。三郎自身は非常に平凡な普通のサラリーマンとして描かれているが、その彼が殺人事件の探偵役となれるのも実は非常に観察眼が鋭く洞察力があるためだと思われますが、それを読者に印象付けない描き方をしています。

評価:(必読!)

はじめての文学

hajime01.jpghajime02.jpg読書の楽しみ、とりわけ小説を読む楽しみが人生をいかに豊かなものにしてくれるか。それを知らない若者たちが増えています。だからこそいま、道しるべとなるものが必要なのかもしれないと考えました。 『はじめての文学』はそうした最初の一歩を踏み出すための一冊であり、良き道しるべでありたいと企画された12冊です。若い読者にも読みやすいようにふりがなを増やし大きな活字でゆったりと組み上げました。その作家をもっとよく知りたいという読者にとっても興味の尽きないアンソロジーになっています。(文芸春秋社HPより抜粋)

2006年12月から発行が始まった 『はじめての文学』 シリーズ。なかなか面白い企画だと思います。主にヤングアダルト向けに編集されたシリーズですが、知らない作家を知りたいという大人の読者にとっても最適なのでは、と思えるのは、全てのシリーズについて、著者自身が選出した中短篇を集めたアンソロジーとなっている点ですね。

若い読者に向けて、作家自身が自分の作品ではまずこれを読んで欲しい、と挙げた作品がどういうものかを見るのも楽しいし、なかなか手に取りにくかった作家について読んでみようかと気持ちにもさせられます。

シリーズは12巻、登場する作家は下記の通りです。
村上春樹 村上龍 よしもとばなな 宮本輝
宮部みゆき 浅田次郎 川上弘美 小川洋子
重松清 桐野夏生 山田詠美 林真理子

我が家では小6の教科書にも出てきたシゲマツを買ってみようかと思っています。重松清は7月発売、楽しみです。ただ1点だけ、この装丁をもっと工夫して欲しかったなぁ… 『マル』 なんてあまりにもシンプルすぎる。せっかくだからもっと凝って欲しかったけど。

アルゼンチンババア*よしもとばなな

aruzentin.jpg街外れの廃屋のようなビルに住む変わり者のアルゼンチンババア。母をなくしたみつこは父がアルゼンチンババアと付き合っているという噂を耳にして故郷へ戻る。アルゼンチンビルを尋ねたみつこが出会ったのは、アルゼンチンババアとその愛情に包まれた父の姿だった。悲しみを乗り越えようとする人々と、悲しみを癒そうとする人々とのつながりを描く。挿絵:奈良美智。
(よしもとばなな)1964年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。『キッチン』 で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。『不倫と南米』 ドゥマゴ文学賞を受賞。いつの間にか 『吉本ばなな』 から 『よしもとばなな』 に改名。

小説というより詩か歌のような物語で、あっという間に読み終えてしまいました。最近よしもとばななを読んで得た印象は、登場人物の感情をあまり押し付ける書き方をしないということ。むしろサラッと書きすぎかもしれない。それから 『ま、いっか』 という展開も多い。こういう雰囲気が好きな人がよしもとばななファンなんだろうな、と思いました。

映画公開があったので読んでみたのですが、本を読み終わったら映画公開も終わってしまっていたという…遅いわ  。原作があんまりアッサリしているので映画はどういう出来なのかちょっと心配ですが、そちらはそちらで上手に脚色しているのでしょう。

挿絵はおなじみ奈良美智ですが、奈良美智の描く世界とよしもとばななの書く世界は、やはり似ている感じがします。どちらも我が道を行く、というスタイルですが実は周囲に細やかに気を遣っている、かのような。
やはり小説というより詩のような、物語です。

評価:(5つ満点)

図書館内乱*有川浩

toshonairan.jpg図書館の明日はどっちだ!?相も変わらず図書館は四方八方敵だらけ!山猿ヒロインの両親襲来かと思いきや、小さな恋のメロディを叩き潰さんとする無粋な良化 『査問』 委員会。迎え撃つ図書館側にも不穏な動きがありやなしや!?どう打って出る行政戦隊図書レンジャー!いろんな意味でやきもき度絶好調の 『図書館戦争』 シリーズ第2弾。 (メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。著書に 『空の中』 『海の底』 『図書館戦争』 『図書館内乱』 『図書館危機』 『レインツリーの国』 など。『図書館戦争』 で2007年本屋大賞第5位。

シリーズ化決定!?ということで著者 有川氏も張り切っているらしく、のっけから郁と堂上教官ラブラブ路線突っ走りまくり。小牧、手塚、柴崎とレギュラー陣のそれぞれのキャラストーリーも盛り込みエンタメ路線まっしぐら。
そんな中にも良化委員会との対決が盛り込まれ、差別とは、表現の自由とは何か、というテーマをエンタメ的イベント(事件とも言う)を盛り込みながら訴えようとする著者の試みは今回も面白いです。

でも堂上教官がちょっと軟弱になってるー。郁が完全にアキレス腱になってしまい最初の硬派のイメージはどこへ?(笑)この辺りがやっぱりライトノベルかしらね…堂上教官もただの若い男の子だわ。

それにしても図書隊の組織編成といい 『図書大学校』 の存在といい、モロ自衛隊だなやたらに詳しいな…と思っていたら、有川氏の著書はデビュー作から続けて3冊が自衛隊モノだそうです、なるほど納得。もしや現役隊員だったりして?なワケないか…。

いかにも 『続く!待て次号!』 で終わっちゃいましたがまぁいいでしょう。個人的には本作では小牧教官がちょっとムカつきます(笑)。

評価:(5つ満点)

図書館戦争*有川浩

toshosensou.jpg図書館推参!公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として 『メディア良化法』 が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ!敵は合法国家機関。 相手にとって不足なし。 正義の味方、図書館を駆ける!(メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。著書に 『空の中』 『海の底』 『図書館戦争』 『図書館内乱』 『図書館危機』 『レインツリーの国』 など。本作で2007年本屋大賞第5位。


図書館学を学ぶ者として一応読もうかと手にとった本書。1章始めからノリがライトノベルバリバリで 『読めない…』 。読むのをやめようかと一旦悩みました。でもテーマは興味深いし、とにかく読んでみようと頑張ってみたら…堂上教官に、ホレました  (笑)。そこまで思わせてくれるライトノベルもなかなかだなと思った一冊です。

著者 有川氏がライトノベル作家であるので、本書もいわゆるライトノベルの形式で書かれていますが、それが功を奏したのかと思います。 『図書館の自由に関する宣言』 は図書館学を学ぶ者であれば誰もが知っていて当然の理念ですが、これを題材として 『ペンは剣よりも強し』 ではなく 『ペンを守るためには剣をとるも致し方なし』 と解釈した著者の発想が奇抜で面白いです。

評価:(5つ満点)

沼地のある森を抜けて*梨木香歩

numatinoaru.jpg大学の時に両親を交通事故で亡くしてから天涯孤独で独身であった久美。母の妹であった時子叔母が亡くなり、叔母が預かっていたという先祖伝来の 『家宝』 である 『ぬか床』 を叔母のマンションと共に相続したのだが、なぜぬか床が 『家宝』 なのか?手入れを怠ると呻くぬか床を抱え、途方にくれていた久美だったが、ある日ぬか床に突然卵が沸いてきた。そしてその卵が孵って中から出てきたものは…。
家族とは、種の存続とは、生命とは何か。どこから来てどこへ向かうものなのか。全ての生き物が問い続けながら生きている大いなる疑問に挑んだ、著者の渾身長編。
(梨木香歩)1959年生まれ。児童文学者のボーエンに師事。 『西の魔女が死んだ』 で日本児童文学者協会新人賞、『裏庭』 で児童文学ファンタジー大賞を受賞。著書に 『エンジェルエンジェルエンジェル』 『村田エフェンディ滞土録』 『春になったら苺を摘みに』 、絵本に 『ペンキや』 『マジョモリ』 『ワニ』 『蟹塚縁起』 など。

最初はホラー系ファンタジーかと思いました。少なくとも1章、2章の最初まではそうなのですが、その途中から様相が変わってきます。久美が2章で出てきたカッサンドラを 『私はこの人を知っている』 と自覚し始める箇所。ぬか床に卵が湧き、それが孵り人が出てくる。夢か幻かと思う間もなく、3章では突然の場面展開となる。
実はこういう、突然場面が入れ替わりそれまでの内容と繋がらない形態の小説は苦手でした。一瞬読めなくなる気がしてくるからです。でもここで私はこれまで学習してきた 『分からなくてもとにかく読み進む』 で読む進むことができました、とにかく読み進む。それを実践できた小説でもあります。

評価:(5つ満点)

リサとガスパールにほんへいく

lisanihon.jpg初めて日本にやってきたリサとガスパール。街は日本語だらけでちんぷんかんぷん。 ホテルのトイレにはボタンがいっぱいついててさわったら噴水が出てきちゃった!お弁当は不思議なニオイがいっぱい…美味しかったけどおはしを使うのがすごく難しかった。お寺で大きなスリッパをひっかけて転んでしまったガスパールが!リサとガスパール初来日の絵本。作者の2人が来日したときの様子が元になった作品。
(アン・グッドマン/文)1970年フランス生まれ。絵本作家。著書に 『リサとガスパール』 シリーズがある。
(ゲオルグ・ハレンスレーベン/絵)1958年ドイツ生まれ。画家。現在、妻であるアン・グットマンとパリ在住。『おつきさまはきっと』 でアメリカの児童書の書評誌 『ホーンブック』 の98年最優秀絵本賞受賞。

lisajapon.jpgリサとガスパール、ジパング上陸!可愛いキャラクターでおなじみのリサとガスパールシリーズの日本語版最新刊は、ついに待っていた 『リサとガスパール にほんへいく』 です。フランス語版を発見した際 『欲しい!』 と思ったものの、いくら子ども向けの絵本だからって全然フランス語分からないのよ…英語なら良かったのに…と英語版を探していたところへ日本語版発売のニュースが!ああ良かった。

ということで購入しました。リサとガスパールシリーズ、ただこの2人が可愛いだけじゃないんですよ、結構シュールなおかしさがあって、フランス人って子どもの時からこんなことを考えてこんな風に行動しているのか?と改めて国民性などを感じたりすることもできます(?)。

うちにあるのは 『リサのいもうと』 だけですが、図書館で片っ端から借りた中では 『リサのこわいゆめ』 が私も第2王子も結構お気に入りですね、そのうち買うと思います。リサとガスパールはいい子な時もたまにありますが、大抵がイタズラばかり考えていて、大失敗をやらかして 『ひゃーやっちゃったどうしよう…』 的な展開が多いです。この 『にほんへいく』 でももちろん…。

でも憎めない2人のキャラ。羨ましいですね。余裕があったら 『ニューヨークへいく』 『ヴェニスへいく』 などあちこちへ行くシリーズを集めたいです。

評価:(5つ満点)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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