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読書と映画と観劇と

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まゆとおに*富安陽子/降矢なな

img20060501.jpg北のお山のてっぺんの三本杉の下に小さな家がありました。その家にはのっぽのやまんばとやまんばの娘のまゆが住んでいました。ある日まゆは、雑木林の奥でとんでもなく大きな人に会いました。 その人がこわい鬼だとは知らないまゆは、一緒に鬼の住処へ遊びに行きますが…。天真爛漫で力持ちのまゆのお話第1弾。

児童文学作家の富安陽子と画家 降矢ななのコンビが贈る、やまんばとその娘まゆのお話。うちではこどものともで買った続編 『まゆとブカブカブー』 『まゆとりゅう』 があります。現在ハードカバーとして出版されているのはこの 『まゆとおに』 のみです。

最初まゆのシリーズを見たときは、それほど気に入ってはいなかったシリーズですが、第2王子がこの頃まゆを気に入って何度か読んでいるうちに私も大好きになってしまいました。いつもそうです、子どもから絵本の魅力を教わることはとても多いです。

まゆはやまんばの娘。このやまんば母さんもなかなか素敵です。頭をきゅっとお団子にひっつめて、背が高くて力持ち。『まゆとおに』 でも最初のページで母さんとまゆは大根汁を作るために山のような大根を軽々と持ち上げて大鍋に入れようとしています。

その後まゆは遊びにでかけ鬼に会います。初めて鬼に会ったまゆ、大きなおじさんだと思いますがちっとも怖がりません。何といっても降矢ななの挿画が素晴らしい。まゆは真っ赤な髪の可愛い女の子 『めっきらもっきらどおんどん』 のしっかかもっかかを思い出します。そして対する鬼がきちんと怖く描かれている点。鬼は怖いものですからね、それをちゃんと怖く描いているところがいいです。

評価:(5つ満点)
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こんにちはおてがみです

img20060425.jpg福音館書店の月間絵本 『こどものとも』 50周年の記念出版。
『ぐりとぐら』 『だるまちゃん』 『ばばばあちゃん』 など子ども達の大好きな福音館の絵本の主人公10人から読者のあなたへ本物の手紙が届きます。『ゆうびんでーす!』 と手紙を届けてくれるのはもちろん、みんなの大好きな 『ゆうびんやさんのホネホネさん』 です。
最後の特大ページには絵本の主人公達が大集合。


やっと買っちゃいました。記念にと思って。
お手紙が本当に各ページの封筒に大事にはさまれています、ちょっとまだ扱いが乱暴な第2王子には見せたくない絵本です(苦笑)。と思っていたのですが、やっぱり見つかっちゃって一緒に見ました。img20060519.jpg

お手紙を開くたびに 『あっぐりとぐら!』 『あっばばばあちゃん!』 と知っているキャラクターが出てきて大喜び。 『だるまちゃん』 からのお手紙には絵文字も書いてあり、解読が大変(笑)。一番すごいのは 『やっぱりおおかみ』 (佐々木マキ)からの手紙。これは必見(笑)。

最後の特大ページには往年のこどものとものキャラクター達が大集合ですが、私よりも第2王子が大喜び。『あっここに(じぷたの)いちもくさん!』 『ぐりとぐら!』 『そらいろのたねのおうち!』 と大騒ぎ。まだまだ知らないキャラクターもいて、図書館で少しずつ借りて見ていきたいと改めて思いました。

評価:(こどものともファンの方に)

いもうとのにゅういん*筒井頼子/林明子

img20060509.jpgあさえの妹のあやちゃんはいつもあさえが大事にしているお人形のほっぺこちゃんで勝手に遊んでいる、困った妹です。ある日あさえが幼稚園から戻るとやっぱりほっぺこちゃんがいません。するとおかあさんがぐったりしたあやちゃんをおんぶしていて、これからあやちゃんを病院へ連れて行くと言います。あやちゃんは盲腸の手術をすることになり、入院することになりました。おとうさんが帰ってくるまで一人布団にもぐりこんで待つあさえ。おかあさんとあやちゃんのいない夕食の食卓。夜にあさえはあやちゃんに持っていくお見舞いを用意しました、手紙、折り紙、でもあやちゃんのもっと喜ぶものはなんだろう…。小さなお姉ちゃんが妹を思う気持ちが、妹の入院という一大事で大きく成長する様を描いた作品。

『あさえとちいさいいもうと』 の続編です。『あさえ…』 では姉妹の年齢差は4つ位に見えますが、このお話では実際には2つ位に見えます。まぁそれはどっちでもいいのでしょう。

大きくなり3歳位になったあやちゃんは、あさえが大事にしてるお人形のほっぺこちゃんをいつも持ち出してしまいます。私のお人形なのに…あさえはいつも怒っています。でもその日はあやちゃんの様子がいつもと違いました、ぐったりしていておかあさんは病院へ連れて行きます。そのまま盲腸の手術をすることになったあやちゃん、おかあさんはあやちゃんの着替えを取りに戻るとすぐに病院へ行ってしまいます。

心細いあさえ、お友達に居て欲しいと頼みますが、お友達も雨が降るから帰る、と行ってしまいます。雷の鳴る中、布団にほっぺこちゃんと一緒にもぐりこむあさえの不安な気持ち。おとうさんが帰ってきて布団を開けてぱっと明るくなったあさえの視界。
見事な場面展開です。

そして次の日お見舞いに持っていくものを考えているうち、あさえは素晴らしいアイデアを思いつきます。お手紙や折り紙の他に、あさえがあやちゃんに贈ったものとは?

おかあさんの 『あさえちゃん、たったひとばんでほんとうにおおきなおねえさんになったのね』 という一言が、全てを表している作品です。
小さいながらも自分以外の人、小さい妹を思いやる気持ち。そしてその気持ちを認めて褒めてあげるおかあさんとおとうさん。こういうおかあさんにならなくちゃな…でございます。

評価:(5つ満点)

あさえとちいさいいもうと*筒井頼子/林明子

img20060509.jpgあさえが家の前で遊んでいると、おかあさんが小さい妹のあやちゃんが寝ている間に銀行へと行ってくると言います。あやちゃんが起きる前に帰ってくるとおかあさんは言っていましたが、おかあさんが行ってしまってからすぐあやちゃんの泣き声が玄関から聞こえました。あさえはあやちゃんと遊んでやりますが、ちょっと目を離した隙にあやちゃんがいなくなり…。小さな妹を探して奔走し、やっと見つけたあやちゃんを無言で抱きしめるあさえの姿に、小さいながらも姉としての自覚を持つあさえの心情がよく伝わってくる作品。

第1王子が3、4歳の頃大好きだった本で、毎日のように読んでいたのですっかり内容を覚えてしまいました。4、5歳と思われるちいさいお姉ちゃん、あさえがおかあさんの留守中に1歳位のちいさな妹、あやちゃんの面倒をよくみてやるお話です。あさえはあやちゃんを喜ばせようと地面にチョークで夢中で線路を描くうち、あやちゃんがいなくなってしまいます。

あさえのどうしよう、どうしようというドキドキ感が、林明子の素晴らしい挿絵の効果で一層よく読み手に伝わってくる素晴らしい作品です。第1王子も多分このあさえちゃんのドキドキ感が好きだったのではないでしょうか。
ストーリーはテンポよく進み、最後の裏表紙まで物語が続いています。最後まで余韻が楽しめる作品になっています。

実際に 『ちいさいおとうと』 ができた第1王子にとって、あさえの気持ちが今一層よく分かるのかもしれません。久しぶりに本棚から出して読んでみようかなと思います。

このお話は 『いもうとのにゅういん』 へと続きます。おなじくあさえとあやちゃんの姉妹が出てきます、この事実には実は最近気付きました。時代設定が昭和なところが随所に感じられるのも懐かしい作品です、あさえやあやちゃん、おかあさんの服装とか。昔は道路で遊んでいても誰にも怒られなかったし、それほど危なくなかったのになぁ。

評価:(5つ満点)

アンボス・ムンドス*桐野夏生

img20060427.jpg人生で一度の思い出にと周囲に内密にキューバで一週間の逢瀬を過ごした若い女教師と不倫相手の教頭を帰国後待っていたのは、担任児童の死と非難の嵐だった。表題作を含む、人間の持つ激しい負の感情を洗いだした7つの短編集。『オール読物』 他掲載をまとめる。
(桐野夏生)1951年金沢市生まれ。『顔に降りかかる雨』 で江戸川乱歩賞、『OUT』 で日本推理作家協会賞、『柔らかな頬』 で直木賞、『グロテスク』 で泉鏡花文学賞、『残虐記』 で柴田錬三郎賞を受賞。 また 『OUT』 で日本人初のエドガー賞候補となる。
(エドガー賞)米国探偵作家クラブが主催する米国ミステリー界最大の文学賞。推理小説の父エドガー・アラン・ポーにちなみ1946年に創設。
(収録作品)植林/ルビー/怪物たちの夜会/愛ランド/浮島の森/毒童/アンボス・ムンドス


久々の桐野夏生の短編集。どれも良かったですが、私は表題作でもある 『アンボス・ムンドス』 が一番良かったです。アンボス・ムンドス、とは 『裏表』 という意味だと文内にありました。この世は全て裏と表で成り立っているのかもしれない。そのような物語です。

どの作品も人が持つ 『心の裏側』 について書かれています。こう書くとゲッソリ来そうな内容かと思われそうですが、そこでただゲッソリするだけではないところが不思議な、桐野作品の魅力です。
どの作品にも現実の生活に疲れ、鬱屈した感情を持て余している主人公達が存在しています。そしてその主人公一人一人が、決して他人事ではなく自分のことではないか、とハッとさせられるのです。

また桐野氏は好んでよく社会事件や事象を元にした作品をこれまでも長編でも多く手がけていますが、今回も 『植林』 では 『グリコ森永事件』『浮島の森』 では作家 谷崎潤一郎と同じく作家 佐藤春夫との 『妻譲渡事件』 がモデルになっています。

評価:(5つ満点)

子育てハッピーアドバイス2*明橋大二

img20060420.jpgしつけや勉強が自然に身につく子どもに育てるために、いちばん大切なこととは?おじいさん、おばあさんは子どもにどう接したらいいのでしょう?大反響を呼んだ 『子育てハッピーアドバイス』 の第2弾。誰もが持つ子育ての悩みに、マンガやイラストを添えて的確に具体的にアドバイス。ちょっとした声掛けで家族みんなが笑顔になれるQ&A集。
(明橋大二)昭和34年大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。精神科医。名古屋大学医学部附属病院精神科等を経て、現在真生会富山病院心療内科部長、児童相談所嘱託医など務める。


第1弾に感銘を受けた私は、早速一緒に第2弾も買ってしまいました。ですからこちらは初版です。同じく太田知子さんのマンガとイラストがより一層分かりやすさを促しています。

簡単なQ&A方式で書かれていますが、この本で書かれていることで何よりも大事なことは、まず子どもには 『自己評価』 、つまり 『自己肯定感』 をしっかり持たせないといけない、ということです。つまり

 私は存在価値があるんだ、
 大切な人間なんだ、
 生きていていいんだ、
 という気持ちです。
  (本文より)

またしても、最初に出てくるこの一文にガーンと来ました。

自己肯定感…明橋先生によれば、それは0〜3歳にその土台が築かれるそうです。つまりその年齢時に親や周囲の人に大切にされたことを感じている子どもには、着実に自己肯定感が育つ。そしてそれができて初めて 『しつけ』 ができ、しつけができて初めて 『勉強』 に取り組むことができる。
ですから現在の学校教育が満6歳以上、となっていることにも大きな意味があるそうです。

評価:(5つ満点)

優しい音楽*瀬尾まいこ

yasasiionngaku.jpg駅のホームで出会った彼女は、どうしたわけか美男子でもない自分に毎朝会うのを楽しみにしている。その気持ちをよく理解できないまま恋人として付き合い始めた2人。彼女の家族に紹介されたことをきっかけに、その家族の抱える受けとめきれない現実、止まってしまった時間に直面する。衝撃を受けつつも彼女とその家族のために自分のできることは何かを考えることで、彼の存在が家族への癒しとなっていく。
家族、恋人、見知らぬ隣人、人と人の間の温かな繋がりを描いた3編を収録。『小説推理』掲載。
〈瀬尾まいこ〉1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。『卵の緒』 で坊っちゃん文学賞大賞、『幸福な食卓』 で吉川英治文学新人賞を受賞。
(収録作品)優しい音楽/タイムラグ/がらくた効果


今回は瀬尾まいこ、アタリです。評価は厳密に言うと
■ 優しい音楽:5 ■ タイムラグ:4 ■ がらくた効果:4
というところですが、全体として評価はおまけで5にしておきます。

瀬尾まいこの短編の上手さも良くわかる、いい作品集です。今回も設定が利いています。私は表題作 『優しい音楽』 が一番気に入りました。毎回傷ついた人々が主人公の小説でしたが、今回は傷ついた人々を目の当たりにした青年が主人公。彼が、傷ついた人々のために自分は何ができるか、と考え行動に出るところが素晴らしい。美しいお話です。

評価:(5つ満点)

和英えじてん

img20060418.jpg幼稚園,、小学校低学年の子ども達が普段見聞きする言葉の中から1500語を選び、五十音順にイラストとその発音、例文とともに収録。発音は発音記号とカタカナで表記。単語を覚えるために短い文章で紹介している。外山節子 監修、てづかあけみ 絵、高津由紀子 文、編集。ピエ・ブックス 出版。

子ども向けの英語の辞典はさまざまありますが、絵が気に入らなかったり読み方表記がヘンな(失礼)カタカナのみであったり、と気に入ったものはなかなかありませんでした。でもついに見つけました、しかも雑貨屋さんで、です。

もともとこちらの雑貨屋さんの取り扱いの本についてはハズレがないというほど私好みなのですが、和英辞典まで扱うとは。それにこの本の良さは子どもが使いやすいように多くの点で配慮されているところです。

まず五十音順になっている。自分の探したい言葉をあいうえお、で探していきます。最初は

あい あいする [愛]  love [(発音記号表記)ヴ] 
わたしは、自分のねこが大好きです。 I love my cat.

 


こんな感じで単語ごとに該当する英単語、そしてそれを用いた例文が載っています。例文が非常に大切です、使い方が一番大切ですもの。単語ごとではなく文章として塊で覚える、という考え方が非常に大切です。

評価:(挿絵満点!)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
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