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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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海からの贈りもの*アン・モロー・リンドバーグ

img20050915.jpg与えるのが女の役割であるというのなら、その泉が涸れてしまわないよう、女もまた満たされなければならない。1950年代に執筆され、その後1970年に最終章が追記されたものでありながら、全く古びた感を感じさせず、現代を生きる私たち、特に女性の生き方への指針となる本書。著者の暮らしの姿勢と哲学を落合恵子の訳で贈る。

日々悩み、悩むことにまた悩んでいた日々に、友人が送ってくれた本です。
答えがここにあると、思いました。必要なものはここにあったのだと。

アン・モローは、人生には少しのものだけあればいいと言います。経済的にも恵まれ、世界的にも著名なリンドバーグ氏と結婚した彼女がそういうのは、お金持ち特有のセリフかのようですが決してそうではなく、誰しもアンのように生きられるのではないかと思うのです。

アンの生きた1950年代は確かに、アンのように時々子どもたちを預けて別荘のある島へ来て、1人自由な時間を過ごす、というのは多くの女性には難しいことであったに違いありません。でも現代である2005年には誰しもが、特に日本においては誰もが、自分らしく生きようと思えば生きられる、自分のために時間を使うことができる環境にあると思うのです。
それをなぜうまく行使できないのか。

評価:(5つ満点)
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エンジェル エンジェル エンジェル*梨木香歩

img20050903.jpg私、コウコと、ばあちゃん、さわちゃん。トイレへ行く他はほとんど寝たきりの少し呆けた祖母の心にあった、誰も知らなかった辛い想い出。現在を生きるコウコと祖母さわちゃんの若かりし日々の想い出が、章ごとに一人称を入替え同時進行する物語。

エンジェル1つめ。コウコが飼っているエンジェルフィッシュ。
エンジェル2つめ。主人公の1人である考子(コウコ)。コーヒーを飲まないと不安でたまらず、自分のカフェイン中毒を治そうと熱帯魚を飼うことを決意する。
エンジェル3つめ。コウコの祖母さわちゃんの、若い頃うちにいたお手伝い、ツネさんの彫った天使の像。
でしょうか。

人は天使になりたいと願いつつも天使にはなれない自分の心に気付いて愕然とする。
辛い気持ちをずっと抱えながら生きてきたばあちゃんの秘密に、夜のトイレ当番を引き受けた高校生の孫娘、コウコは徐々に気付いていく。

コウコとばあちゃんであるさわちゃんの一人称の入替えで物語は進む、コウコの部分は口語体、そしてさわちゃんの部分は文語体(旧仮名遣い)。文庫版では同じ白いページだが、ハードカバーでは文語体の部分はページの色がセピア色になっているとか。ちょっと見てみたいけど…。

しかし小説の手法としてはこうした見た目に凝り過ぎなのはちょっとあざといのではと思う。絵本は挿絵が物語と同様に重要だけれども、小説は本来文章だけで勝負するべきものではないだろうか。まぁ旧仮名遣いにする位ならOKかな。

題名通り多くのエンジェルがこの物語には出てきます。熱帯魚を飼いたいという要望を聞き入れてもらうために、母から夜のばあちゃんのトイレ当番をかってでたコウコ。若干の後ろめたさがそこにあります。でも少し呆けて天使のようであるばあちゃんにも、人に言えない辛い秘密があった。そこにコウコが気付くことで、生きることの辛さは皆同じであることにコウコは気付く。

児童文学に位置づけられる本作ですが、大人にも十分読み応えのある一冊です。

評価:(5つ満点)

小学生日記*hanae*

img20050825.jpgフリマ、離婚、いじめ、中学受験、NY大停電、渋谷の女児監禁事件…小学生はすべてを見ていた! 読売新聞社主催 『全国小・中学校作文コンクール』 文部科学大臣賞受賞の小学6年生 『天才作文家』 hanae*ちゃんの第1作文集。
収録作品:ひとりでまっていた日のこと(読売新聞社主催 第50回全国小・中学校作文コンクール 東京審査 読売新聞社賞受賞)/モトイと日本語( 第51回全国小・中学校作文コンクール 東京審査 読売新聞社賞受賞)/ポテトサラダにさよなら(第52回全国小・中学校作文コンクール 文部科学大臣賞受賞) 他


これは、小説ではなく 『作文』 だそうです。天才作文家、hanae*ちゃん。彼女は映画デビューも果たし、モデルや女優の仕事でも有名ですが、こんなにも文章力があるとは。しかもこれは 『小説(フィクション)』 ではなく 『作文(ノンフィクション)』 だそうだ。
その文章力の高さは、一読の価値があります。

初めて読売新聞社の作文コンクールの賞をもらった 『ひとりでまっていた日のこと』 は、3年生になったハナエちゃんが、2年生の時のことを思い出して書いた作文です。
3年生でこの文章力、表現力。

そしてめきめきとハナエちゃんの文章力は上がり続けます。4年生で 『モトイと日本語』 、5年生で 『ポテトサラダにさよなら』 。ハナエちゃん自身の感性もさることながら、お母さんと言う人が子どもにごまかしをしない人なのでしょうね。モデルや女優など華やかな芸能生活を送る中で、小学校では地元の公立校に通い、友人と交流し、一緒に中学受験の塾に通い、受験をし。普通の東京の小学生の姿です。

上手く言えませんが、 『天才作文家』 という呼称がピッタリだな、ということしか言えません。
ぜひご一読を。

評価:(天才作文家の将来は?)

谷川俊太郎詩選集1*谷川俊太郎

img20050821.jpg2005年に続けて谷川俊太郎詩選集の1、2、3巻が集英社文庫として発売されました。何がお買い得ってとにかく文庫というだけでもお買い得なのに、これは最後のところにこれまでの谷川俊太郎が発表した詩集の装幀が、カラーで載っているんです。これだけでもかなりお得なオマケです。

それこそデビュー作である詩集 『二十億光年の孤独』(1952年刊)から最新作 『シャガールと木の葉』(2005年刊)まで全部で55冊も!すごいですね。
日本の数少ない職業詩人と呼ばれる谷川俊太郎、さすがの作品数です。

この選集1に私の好きな詩が結構載っていたのでうちにはこれしかありませんが、十分満足です。教科書に載っていた私の愛する詩、 『生きる』 『朝のリレー』 も載っています。
でも教科書には絶対に載らない(載せられない?)ちょっとエッチな大人向けの詩も、結構オススメです。

評価:(お買い得!)

幸せの絵本2

img20050821.jpg絵本選びが100倍楽しくなるサイト 『絵本ナビ』 から誕生した新感覚絵本ガイドブック第2弾。名作絵本100冊のあらすじ、イラストをフルカラーで紹介。全国から届いた読者の生の声も満載。

この前第1弾を買ったと思っていたらもう第2弾が出ました。この調子で毎年出るなら毎年は買えないぞ…と思いつつも買ってしまいました。やっぱり知らない絵本に出会うと嬉しいし、自分も好きな絵本が紹介されていると嬉しいのです。

今回のテーマも同じく4項目、
 ずっと眺めていたい
 ときには深く考える
 絵本っておもしろい!
 ポカポカ、ホンワカするね


そして同じくそれぞれの項目内で更に細項目に分かれています。 『ずっと眺めていたい』 では 『絵のすみずみまで探す幸せ』 『愛らしいキャラに出会う幸せ』 そう、細かい描写の絵本も大好きです。大勢への読み聞かせには向かないけれど、うちで子どもをひざの上に乗せてゆっくり眺めていたい絵本も結構あります。

キャラクターも大好き、代表格である 『ぐりとぐら』 『うさこちゃん』 ばかりでなく、最近の絵本の 『リサとガスパール』『ぞうのエルマー』 『オリビア』 も、見た目が可愛いだけかと思っていたら大間違い。絵本のストーリーもいいし、何よりキャラが立っています!なかなかオススメです。

評価:(5つ満点)

ポケットに名言を*寺山修司

img20050821.jpg先の 『寺山修司詩集』 に感化された私は早速買いこみましたが、ここに書かれている名言よりも寺山修司自身の詩の方がよっぽど名言だわ。とか思っちゃいました。

名言は自分で見つけるものですね。でも寺山修司が感銘を受けた言葉たちを知ることもまた、彼を知る手がかりとなることでしょう。
そのうち自分でも 『名言』 を作り出せるような創造的な人になりたいものです。

※ちなみにこの表紙はhanae*ちゃんですね。

評価:(5つ満点)

夜のミッキーマウス*谷川俊太郎

img20050821.jpg 『星々は言葉をもつ 宇宙は文脈として 大地もまた 懐かしい無言のうちに。』 この上ない言葉たちが誘う、この上ない世界とのかかわり方。『新潮』 『文学の蔵』 等に掲載された作品、書下ろしを収録した詩集。

詩集を買う。ある意味贅沢な行為だと思います。この頃詩集にハマってしまった私は、買ってみました谷川俊太郎。谷川俊太郎は教科書掲載でおなじみの詩が多いですが、実は教科書に載らないようなエッチな詩もたくさん作っています。
そういう詩の方がもちろん、大人には面白いに決まってます(笑)。

私がこの詩集で一番気に入ったのは 『あの人がきて』 です。かなり心がぎゅうっとします。気になる方はぜひご覧ください。

装丁も素敵なので、贈り物に詩集を考えていらっしゃる場合はぜひ候補に入れてみてください。ふと思い出したときに手に取りたくなるような詩集が手元にあるというのは幸せなことですね。

評価:(5つ満点)

寺山修司詩集*ハルキ文庫

img20050821.jpg前衛演出家だとか天井桟敷だとか、そのイメージばかり先走りして妖しげなイメージしかなかった寺山修司。H市近郊のM市出身ですのでM市には寺山修司記念館があります。

以前この記念館ができた頃、首都圏在住であった私たちは帰省帰り飛行機に乗ったとき、偶然にも美輪明宏と同じ便になったことがありました。妙に興奮して話しかけたかったのですが、誰も話しかけないしお1人だし、彼のお芝居も見たことないし、と諦めたのですが、彼の足元の白いハイヒールがやたらに大きかったのをよく覚えています。

家についてから電話で義母に話すと 『寺山修司記念館のオープニングセレモニーか何かに来たんじゃない?』 とのことでした。それもお1人で…しかもいつもの通りの美輪さんでした。

前置きはさておき、地元新聞にしばらく寺山修司の元奥様 九條氏の連載が掲載されており、たまに読んでいたのですが、訪問先の学校で教頭先生に頼まれて資料を先生の机上のPCで仕事をしていた時その記事の切り抜きをたくさん発見し 『寺山修司お好きなんですか?』 と尋ねると 『そうなのよ。割と詩とか短歌はいいものがあって中学生にも勧めているのよ』 とのこと。中学生が読んでも大丈夫なのか、なるほど…とその時は思っていました。

評価:(アナタの枕元にも寺山修司を)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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