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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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ムーミンコミックス

img20050821_1.jpgムーミンの原作者であるトーベ・ヤンソンとその弟、ラルス・ヤンソンによるロンドンの 『イヴニング・ニュース』 紙に掲載されたムーミン達が活躍するコミックス。1954年当初は共著であったが1960年以降はラルス・ヤンソンが1人で更に15年にわたり連載を続けた。物語や絵本でもおなじみの個性的なレギュラーに加え、コミックスのみの登場のゲストキャラクターも多彩に描かれている。半世紀経つ現代も時代的な制約や古さをまったく感じさせず、パロディやユーモアのセンスが抜群の、児童書とはまた違った魅力満載の物語。
筑摩書房からは全14巻が発売。各巻3~4編を収録。


img20050821.jpg第4巻 恋するムーミン
■ 恋するムーミン ■ 家をたてよう
■ ちっちゃなバンパイア ■ 署長さんの甥っ子

第10巻 春の気分
■ 春の気分 ■ 南の海にくりだそう ■ のんきな黄金さがし

第13巻 しあわせな日々
■ しあわせな日々 ■ 社会を変えよう ■ ムーミンと鉄道

img20051130.jpgおなじみムーミンのコミックスがあるのです。どれも風刺が効いていて面白いですが、一番私のお気に入りは 『南の海にくりだそう』 です。本により邦題が若干違うものもありますが、これは爆笑モノです。

ムーミンパパの提案で寒いムーミン谷から南の国へリゾートに行くムーミン一家。自分達で船を出して行っちゃうところがまずスゴイ。水も食料も尽きてきたところでようやく目的地?に着きます。ワケも分からないまま超高級ホテルに迷い込み、ホテル側も勝手に上客だとカン違いし、ムーミン一家は招待を受けたとカン違いし、ロイヤルスイートでやり放題…。最後にホテル側から撤退と長々と連なった請求書を受けたムーミン一家、支払いをどうするのか?というところが最後まで楽しめます。必読です。

評価:(癒し系&爆笑系)
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幸福な食卓*瀬尾まいこ

siawasenashokutaku.jpg 『父さんは、父さんをやめようと思う。』 そう父さんは宣言した朝。父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。そして、あの悲しい出来事の後でも…。高校生の佐和子を中心に、ちょっとおかしくて心温まる家族の日常を、食卓という場を中心として、その在り方を綴った物語。傷ついた人々が再生していく様子を描く、著者の温かいまなざしが詰まった物語。

必読。久々に泣きました。泣けるということに関係なく、必読本です。

瀬尾まいこの書く小説は 『再生小説』 である、とどこかの記事で読みました。傷ついた人々がそこから再生していく様を描く作品であると。
本作も多くの傷ついている人々が出てきます。父さん、母さん、佐和子の兄、そして佐和子。みんな辛い想いを抱えているのにどこかユーモラスなのは、ごまかしているのではなくそれでも毎日を生きていかねばならないことを知っているからだと思うのです。

瀬尾まいこは心理描写が押し付けがましくなく、非常に丁寧。『図書館の神様』 を読んだきりだが、それと比べると文章力もぐぐっと上がっていて、表現が素晴しい。『父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。』 この表現は秀逸すぎる。

佐和子の中学から高校時代を描いた本作は、大人から見ればささいな悩みにみえるものにも佐和子は一生懸命悩み、苦しみ、解決しようとする様子を描いており、その点はさすが現役中学教師の作者はよく捉えているなと思う。いつもだが兄弟愛が深いのもいいなぁ、と思う。

ラストは衝撃だが、それを佐和子は乗り越えようと思う。1人ではなく、周りの人々の支えを借りること、それが必要なことも知っている。やはり本作も再生小説なのだろう。でも作者はそれを押し付けない、それが当たり前のことで日々の暮らしなのであるということを、小説を通じて教えてくれる。生きていく上で大切なこと、必要なことをこの本は教えてくれる。

こんなにも、作者の想いを感じることができる小説はなかなかないような気がする。
瀬尾まいこの今後の著作にも期待大ですね。

評価:(必読!)

しょうぼうじどうしゃじぷた*渡辺茂男/山本忠敬

img20060124.jpgじぷたはジープを改造した消防車。ちいさいのであまりみんなに相手にされません。仲間のはしご車やポンプ車、救急車にいつもあこがれていました。そんなある日、隣町で山火事が起きて、狭い山道を登れるじぷたに活躍の場がやってきます。小さなじぷたの活躍と成長を描いたロングセラー。

じぷたはチビッコ消防車。いつも仲間のはしご車やポンプ車、救急車を見ては 『かっこいいなぁ』 とため息をつく日々。大きな火事では活躍の場はなく、仲間の活躍ぶりを見てはまたため息をつく日々でした。

そんなじぷたにも活躍の場が訪れます。狭い山道を登らなければたどり着けない山小屋で火事が起こったのです。じぷた一人(一台?)が駆けつけ、無事山火事を防ぎました。

という定番中の定番ですが、心に染みるお話です。子どもたちは多分、最初はいじけていたじぷたが活躍の場を与えられ、急に活き活きとするところに惹かれるのでしょう。もちろんじぷたはただいじけていただけではありません、いつも整備をしてもらい、そして何よりも火事があれば自分も駆けつけて消すのだ、という自覚を持っていたのです。だからこそ山小屋の火事ですぐさま出動し、張り切って仕事ができたのでしょう。

ちょっとお説教くさくなりますがそういう雰囲気は出さずに、じぷたの気持ちが子どもには伝わればいいな、と思っています。最近の第2王子のお気に入りの一冊です。

評価:(5つ満点)

静かな時間*高橋真澄

img20051008.jpg見る人に風の匂い、色彩の音色、大地への清涼なる思いと共に、ゆっくりとした時間と空間を与えてくれる、心やさしい写真集。北海道在住の著者による雄大な四季の数々。

写真集をプレゼントしようとあちこちの書店を回り、ようやく見つけた私好みの本です。プレゼントにしたのですが、私も買ってしまいました。

北海道の四季を写した写真集ですが、厳しい冬から春、夏、秋そしてまた冬へとかえって行く構成も秀逸です。湖面に映る木々の写真は日本画のようで、写真とも絵画ともつかない美しさです。

私は春から夏の花の写真が気に入って選んだのですが、うちで繰り返し見ているうちに冬の樹氷の美しさもすっかり気に入ってしまいました。

しんとした美しさ、静けさ。
『静かな時間』 が本当に人生には必要です。

評価:(お宅にも一冊どうぞ)

てがみのえほん*堀内誠一

img20051130.jpg 『こどものとも』 が200号を迎えたお祝いに世界中から12通の手紙が届きました。お菓子の家に住んでいるよい魔女グリンダ、汽車を収集している巨人国のトロル、幽霊国の透明の幽霊、月でルナシティ建設中のロボット・アルミイ、イーハトーブの動物たち…。こどものともの仲間たちも集まってお祝いします。最後のページにはこどものともおなじみのキャラクター達が勢ぞろい。堀内誠一氏が絵のスタイルも様々に描き分けた、楽しい絵本です。

福音館書店ではこどものとも(月刊絵本)の50周年フェアを開催中です。そのフェアの一環として、これまでの50年間(という歳月がすごすぎる…)毎月発行されてきたこどものともを週替わりで一挙に公開する、こどものとも50周年ブログが立ち上がっています。福音館書店のHPよりリンクがありますので気になる方はどうぞそちらからご覧下さい。

そこで知った本作。200号記念に堀内誠一氏が書いた記念作です。
堀内誠一氏は 『ぐるんぱのようちえん』 『たろうのおでかけ』 『たろうのひっこし』 で一度は見たことがある方も多いかなと思います。
こういう企画が大好きな私は店頭で確かめもせず、即オンライン書店で購入してしまいました。

最後のページ、本当に嬉しいです。おなじみのキャラクターが勢ぞろい。
そして今年はなんと、こどものともは600号を数えました!すごい歴史ですね。我家にも数えたことはないのですが、100冊を越えるこどものともがあります。この 『こどものとも(雑誌形態)』 で廉価であるからこそ、ここまで揃えることができた、名作の数々。私と子どもたちの宝物です。

これからも福音館書店のこどものとも、期待し続けています。
ぜひこの本も一度見てみてくださいね。

評価:(5つ満点)

ぐるんぱのようちえん*西内ミナミ/堀内誠一

img20060124.jpg大きな象のぐるんぱは、いつもひとりぼっちでめそめそ泣いてばかりいましたが、みんなに勧められて働きに出ることになりました。川でごしごし洗われて見違えるほど立派になったぐるんぱは、張り切って働きますが、ビスケット屋でもお皿作りでも、行く先々で大きな物ばかり作ってしまいうまくいきません。しょんぼりしていたぐるんぱが、忙しいお母さんに頼まれて子どもたちと遊んであげたらみんな大喜び。そしてぐるんぱは幼稚園をひらきました。1965年初版のロングセラー。大型絵本もあり。

市立図書館で大型絵本版を借りて職場で使ってみました。これは迫力ある!見やすい!そして何より子どもたちの食いつきが違います(笑)。目の当たりにするとやはり、大型絵本の魅力に取り付かれそうです。

作者の西内ミナミ氏によると、これは若かりし頃の西内氏自身を投影した物語だそうです。一生懸命仕事をしたいと思っているのに、失敗ばかり。 『ぐるんぱは、しょんぼりしょんぼり。』 がっかりしている様子のぐるんぱは本当に可哀相。
でもぐるんぱはどこでも張り切って一生懸命仕事をしているのです、ただそれがいつもちょっと雇い主の要望に合わないだけ。

でも最後にぐるんぱは自分で幼稚園を開き、自分の居場所を自分で作り出すことができたのです。ここが大事。自分の居場所は自分で作る、これに尽きます。でも子どもの頃はこの幼稚園のシーンが大好きで、じっくりこのページを眺めるのが好きだっただけなんですけどね。
そう、それが絵本の想い出としては一番大事ではないでしょうか。

どんな子どもにもお気に入りの絵本が一冊か二冊あれば、大人になった時に大いに役に立つのではと私は思っています。うちの王子達にもそういう絵本があればいいな、といつも読み聞かせをしながら思うのです。

評価:(5つ満点)

誰か*宮部みゆき

img20051106.jpg財閥会長の運転手、梶田が事故死した。遺された娘の相談に乗るよう会長である義父に頼まれた三郎は、事故の真相を突き止めようとする妹とそれを好ましく思わない姉の、それぞれ相反する思いにとまどいを感じながらも、梶田の人生をたどり直すが…。

どんな人も自分の人生を生きるうちにある 『誰か』 に気もちを割いて生きている。それが幸せであることもあるし、不幸せであることもある。
またしても宮部みゆきの大ドンデンは秀逸である。父親の過去を探るはずが、実は姉妹の複雑な関係を露わにすることになってしまい…というストーリー。

主人公三郎の描写がいい。本当なら辛いだろうはずの彼の人生、立場を、三郎は自分の愛する 『誰か』 である妻と娘のために受け入れている。だから義父である会長はこの一件を三郎に依頼したのだろう。

古い建物である本社ビル別館の佇まいや、1階に入居している喫茶店、その他の描写はすんなりと心に入ってきて、落ち着いて読むことができた。やっぱり宮部はこういう現代刑事モノが一番だなぁー。

アナタにも、アナタの人生に大きな存在を占める 『誰か』 がいるのでは。そのアナタにオススメしたい一冊です。

(余談)カッパノベルスにしては装丁が可愛くて、私好み。それだけでも見てね。

評価:(5つ満点)

うさこちゃんとあかちゃん

img20051010.jpgもうすぐうちに赤ちゃんがやってくる!うさこちゃんに待望の弟か妹ができます。うさこちゃんはひよこの絵を描いたり、青い毛糸のねずみを作ったりして、赤ちゃんが生まれるのを楽しみに待っています。うさこちゃんにきょうだいが生まれるお話 『うさこちゃんとあかちゃん』 と、はたけをつくるお話 『うさこちゃんのはたけ』 うさこちゃん生誕50年の記念作として出版された2冊のうちの1冊。

うさこちゃんが生誕50年!うさこちゃんが50歳!
最近は 『うさこちゃん』 じゃなくて 『ミッフィー』 と呼ばれているようですが、私の中では永遠にこのうさぎさんは 『うさこちゃん』 です。生誕50周年作でもやっぱりうさこちゃん、だし。結構ホッとしました(笑)。

おとうさんとおかあさんはやっぱり 『ふわふわさん』 『ふわおくさん』 。やっぱりこうでなくっちゃあ!長年(50年…)1人っ子だったうさこちゃんにもついにきょうだいができる、感慨深いですねぇ。ノンタンにも妹ができたし、兄弟ブームですかね(違います)。

赤ちゃんが生まれるってどういうこと?という小さなお兄ちゃん、お姉ちゃんになる方へ、お贈りしたい一冊です。もちろん長年の 『うさこちゃんファン』 である皆さまへもオススメです。

評価:(5つ満点)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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