忍者ブログ

DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

そらいろのたね*中川季枝子/大村百合子

img20060205.jpgゆうじが模型飛行機と交換にきつねからもらった、そらいろのたね。庭にうめて水をかけると、小さなそらいろの家が生えてきました。そらいろの家は毎日少しずつ大きくなります。最初はひよこやねこが、そのうちゆうじや友だちや、たくさんの動物たちがやってきて仲良く家に入りました。やがて森中の動物が入れるくらいに大きくなったとき、やってきたきつねが言いました…。1964年初版のロングセラー。

子どもの頃私のお気に入りの一冊でした。そらいろのたねさえあれば、私の家の庭にもそらいろのおうちが生えてくるかも…どこに行けばそらいろのたねがあるかしら?と考えたものです。

64年初版以来読み継がれている、超ロングセラーです。中川季枝子、山脇百合子おなじみの姉妹の作品ですが、山脇百合子が独身時代であることを示す旧姓 大村で描いている作品の1つ。ここに古さを感じますね。

うちにある本は保育園で第1王子が購入していた 『ものがたり絵本36』 のうちの一冊です。第1王子が第2王子に絵本を読んでやろうと本棚を見ていて、『これにしよう』 と出してきてくれたので私も一緒に聞いていました。その 『読んであげよう』 というお兄ちゃんの気持ちが一番、嬉しいですね。

第2王子も分かっているのか、大人しく聞いていました。

評価:(親子共々)
PR

とん ことり*筒井頼子/林明子

img20060124.jpgかなえは知らない町に引っ越してきました。まだ誰にも住所を教えていないはずのかなえの家に、郵便が届きます。それはすみれの花束であったり、子どもの書いた手紙であったり…。『とん ことり』 という郵便屋さんの音(ポストに落ちる音)がいつもかなえにはしっかりと聞こえるのです。そしてその送り主とついに出会ったかなえ。
引越し先で新しい生活へ向けて不安な気持ちで過ごす幼い女の子の心情と、それを希望へと変えてゆく数々のポストに届く郵便。筒井頼子の秀逸な文章と林明子の素晴しい挿絵で贈る物語。


最近の第2王子のお気に入りで、気が付くと毎晩読まされます(苦笑)。でも第1王子は同じ位の年の頃、やはり林明子の 『あさえとちいさいいもうと』 が大好きでした。たくさんあるこどものとものうちでも、セロテープで補修があるのは 『あさえ…』 だけです。その位読み込みました。

その弟は 『とん ことり』 が大好き。やっぱり林明子の絵にはたまらない魅力があるのでしょう。

最初この本に出会った時は、お引越しをされる方に贈るのにちょうどいいな、と思っていました。実際お引越しをされた方に贈ったこともあります。でもそれだけではなく、新しい環境にとまどいそしてその中で新しい希望(楽しみ)を見つけたかなえの心情を活き活きと描いている、そこに大きな魅力があるのでしょう。

最後にかなえは郵便の送り主に出会います。
よーくよく見ると、それ以前に幼稚園見学に行った際に陰から覗いている女の子がいますが彼女はもしかして…。でも第2王子には自分で見つけて欲しいので種明かしはまだしていません。

評価:(5つ満点)

夢をかなえる人の不思議の手帳

img20060123.jpg『夢をかなえる人の不思議の手帳』 というものを去年の10月から使っています。

月毎に時間を上手にやりくりするポイントが書いてあったり、そのコンセプトに沿ったワークシートがついており、それに書き込みをすることで自分の中で自分の時間の使い方のコントロールが徐々にできるようになる、というものです。
って実際にはなかなかそんなに上手には行かないものですけどね。

でもこの手帳の題名に 『夢をかなえる』 とあります。
そこで私の夢って何だろう?と考えてしまいました。

『夢』 …よく子どもたちが使う言葉です。大概は 『大人になったらこんな大人になる』 というのが 『夢』 の大きな目標かのようですが、では大人になってしまった私はどうしたらいいのでしょう?

皆さんもご自分の 『夢』 って今もありますか?そこから始めなくちゃなぁ、と苦笑いです。でもそう考えさせてくれるこの手帳にも、感謝ですね。

砂の女*安部公房

img20060128.gif砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、2人の生活を眺める部落の人々。日々砂に埋もれる寸前の家に暮らし砂を掻くだけの毎日を送る女と部落の人々に疑問を抱きつつも、徐々に変化していく男の心情が恐ろしい、SFともとれる小説。世界20数ヶ国語に翻訳された名作。

怖い話。安部公房はどれも怖いけど。

母が安部公房が好きなので、高校生の時初めて 『にんげんそっくり』 を読まされましたが、私には分からなかった。それ以来安部公房からは遠ざかっていました。夏に遊びに来てくれた友人と本の話になり、安部公房の話が出ると 『結構面白いよ、「砂の女」とか』 ということで買ってみたわけです。しかし本を開くのがすっかり遅くなりました。

今回も時代設定は昭和30年代だというのに、内容はSFそのもの。空恐ろしくなる内容です。男が主人公ですが、題名は 『砂の女』 。ここもポイントのような気がします。

私たちも日々の生活を続けるうちに、気が付かないうちにこの砂の女のように、毎日の繰り返しを仕方のないことだと感じるようになってはいないでしょうか。好奇心も失せ、向上心も失せ、ただただ与えられた仕事をこなすことで一日を終えることに、なってはいないでしょうか。

初めのうち男は何度も脱走計画を練ります、失敗を繰り返すうちに、心境の変化が生まれてきます。それが女と寝食を共にするうちに生まれてきた連帯感なのか、女の虚脱感がうつってしまったのか、判然とはしないのですが、兎にも角にも恐ろしい小説です。

心臓の弱い方は読まないほうが懸命です。なんてね。

自分は穴の中に閉じ込められている砂の女なのか、それとも穴の外から女と男を見張っている村の人々なのか、どちらなのか。と考えてしまいました。本音はどちらも、イヤです。

評価:(5つ満点)

おれは非情勤*東野圭吾

img20060124.jpgミステリ作家をめざす 『おれ』は小学校の非常勤講師。下町の学校に赴任して2日目、体育館で女性教諭の死体が発見された。傍らには謎のダイイングメッセージが!一方受け持ちのクラスにはいじめの気配がある…。盗難、自殺、脅迫、はては毒殺未遂!?まで、行く先々の学校で起こる怪事件。見事な推理を展開するクールな非常勤講師の活躍を描く、著者には珍しいジュブナイル小説。
初出は学研 『5年の学習』 『6年の学習』 他児童向け雑誌。


さて 『ジュブナイル』 とは何か?何だかよく分かっていなかったので検索してみました。

■ ジュヴナイル/juvenile
小説のジャンルの一種。本来の意味は少年期。転じて児童文学の意味で使われていたが、本来の児童文学よりはやや年齢が高い10代の中高生を主に読者対象としていることもあって、10代後半〜20代前半のいわゆるヤングアダルト文学の中でSFやミステリのようなジャンル小説の特徴を持つ一連の作品に対する呼称として用いられるようになった。ライトノベルと混同して使われることも多い。(出典:フリー百科事典 ウィキペディア/Wikipedia) 


なるほど。児童文学から転じてライトノベルのことか。ってライトノベルというのは私のイメージでは中高生向けの、私たちの世代で言えばいわゆる 『コバルト文庫』 ってやつですけど。文学のジャンルも徐々に変わりつつあるということですね。

本作も説明にある通り、小学5年生6年生に掲載されたお子さま向け小説なのです。あとがきには最初は 『殺人』 やら 『リコン』 やらが出てきてPTA総連から文句が来たとか来ないとかありました。しかしこの程度なら問題ないでしょう、という程度なのに。

第1王子があんまり本を読まないのでこれはどうだろう、と買ってみましたが、実際に読んでみると結構大人向けの内容かも?と思ったりもしました。つまり子どもにはあまり面白くないかも(東野サンごめんなさい)。
子どもの反響を聞いてみたいなぁ。

『おれ』 の人物像の描き方がやや足りないけど、お子さま向けでそこまで突っ込んじゃダメなのでしょうか?

評価:(5つ満点)

小説ルパン三世

img20060124.jpg人気作家5人によるオリジナル競作アンソロジー。監修:モンキー・パンチ。ルパンファンである作家たちがそれぞれ描く、ルパンファミリーの奇想天外な物語。『小説推理』 掲載を単行本化。
収録作品: 拳銃稼業もラクじゃない(大沢在昌)/バンディット・カフェ(新野剛志)/1−1=1(光原百合)/深き森は死の香り(樋口明雄)/平泉黄金を探せ(森詠)


ルパンが好きなのは私だけじゃなかった。なんて思っちゃいました。多くの作家さんたちもルパンが大好きなんですね。ってもちろん1作目が大沢在昌だったので衝動買いしてしまったのですが(笑)。

あまりにもルパンファミリーのキャラクターが完璧に出来上がっておりますので、どの作家が書いても違和感は感じないです。なかなか面白い企画だなと思います。

一番仕掛けが難しいのは 『深き森は死の香り』 で読み応えはなかなかかな。『1−1=1(いちマイナスいちイコールいち)は女性作家らしい気配りのある内容になっており、こちらもなかなかでした。荒唐無稽な設定の方が面白いと思いました、むしろ大沢先生のルパンはちょっとハードボイルド過ぎるかな?

こうして考えてみると、アニメのルパンシリーズにもこんな風に大勢の男女の企画スタッフがいるのでしょうか?きっとそうでしょう、あそこまで多くのストーリーを作成するのはとても1人2人じゃムリですもの。

読んでいてアニメ映像を浮かんでしまうほど、それくらいアニメの印象が強烈なルパン。
ちなみにルパンのアニメシリーズはパート3までありますが、最初のパート1ではジャケットの色が緑だっけ?あとパート3ではジャケットはピンクだったりします。で不二子ちゃんと五右衛門の顔がぜーんぜん違っていてすっごく違和感感じます。

とアニメルパン三世の話まで始めると終われそうもないのでこの辺で(笑)。
この本はちょっと頭のひと休み、に最適です。

評価:(ルパンファンだからオマケ1)

モモ*ミヒャエル・エンデ

img20060124.jpg町はずれの円形劇場あとに迷い込んだ不思議な少女モモ。親もいないたった1人で暮らすモモに町の人たちは親切にしてくれます。そしてみんなは困った時にはモモに話をきいてもらうと自然と解決方法が見つかり、幸福な気持ちになるのでした。ある日突然全身灰色の 『時間どろぼう』 の男達が町へやってきて、みんなの生活が変わってしまいます。人々に失われた時間を取り戻してくれた、不思議な少女の物語。時間の概念について考えさせられる、永遠のファンタジー。

また読み返してみましょう、大人になったアナタも。
子どもの頃読んだ時、モモは特別な、選ばれた存在だと思っていましたが、決してそうではなく、誰しもモモのように生きられるのだと思いました。時間と空間と宇宙と共に、生きられるのだと。

人生の花を咲かせるのは自分自身なのです。って演歌じゃないけど…(笑)。73年の作品ですが全く古さを感じさせません。私が購入した文庫は2005年に多少訳を現代風に変えた部分もあるそうですが、時間というものに対する人の思いは時を経ても普遍なのだ、と改めて感じさせてくれた作品です。

児童文学の形をとっていますが、忙しい大人の人にこそ読んで欲しいお話です。そう、時間泥棒に時間を吸い取られている、アナタのことですよ。私もそうですけど。

評価:(5つ満点)

模倣犯(文庫)*宮部みゆき

img20060127.jpg公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは快楽殺人にとり憑かれた犯人からの宣戦布告だった。類を見ない知能犯の狂気に立ち向かう第一発見者の少年と孫娘を殺された老人、2人を待ち受ける運命とは、そして真犯人の以外な素顔とは?多くの人々が事件の真相に迫る中、次々と猟奇的な事件が起こる。驚愕の結末は?
初めから真犯人の姿も描写する、かつてない手法で読者を虜にした宮部みゆき渾身の長編作。


宮部みゆき作品の中でも代表作中の代表作、模倣犯。

出版された当初はハードカバーを買った友人に貸してもらいました。
私は自他共に認める 『早読み』 ですが、この本は上下でなんと2週間もかかりました!夢中で読んだにも関わらず、です。これは最長記録です。早いときはハードカバーでも1冊1晩で読み終わる私には、本当にこれは内容が濃く長い本だなぁとしみじみ感じたものです。

これだけは文庫になったら買わなくちゃ、と思って5年位経ったのでしょうか。ついにやっと、文庫になりました。恐らくは上下では収まらないから上中下の3巻で来るだろう、と思っていたら。
カウンター
ツイッター始めました
今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
ブログ内検索
最新コメント
[10/14 菜摘]
[10/12 さつき]
[05/08 菜摘]
[05/08 小琴]
[03/19 菜摘]
アクセス解析

Copyright © DaisyAKM Archives : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]