名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)
またしても (カタカナ) 付き。ちなみにジョリー・ロジャーというのは海賊のドクロの旗のことだそうで、棺のことじゃないです。
今年もコナン映画がやってきました。このところ毎年一緒に見に行っていた第1王子、今年は行かないそうです。お友達と遊んでいる方がいいとか。
第2王子が 『コナン、えいが、コナン、えいが!』 と張り切っていたので2人で行ってきました。
感想は…まぁまぁですかね。正直言って謎解きの仕掛けがあまり凝っておらずちょっと見応え足りませんでした。今回は伏線が全くない!のです。しかし小学生向けのアニメで複雑な伏線を求めてはいけませんね…。
せっかくの映画なのでもっと荒唐無稽な内容でも良かったのにと思います 『水平線上の陰謀(ストラテジー)』 とか 『天国へのカウントダウン』 みたいなハチャメチャ級なストーリーをやっぱり期待しちゃうんですが。今回もハチャメチャと言えばそうなのですが、ラストシーンで海底から出現!という箇所、それはありえないでしょーと思ってしまいました…ダメね大人って。
第2王子にはやや難しく、ママにはややつまらなく、でございました。ゴメンねコナンくん。
来年に、期待。
評価:(5つ満点)
『愛の期限』 ってなんだー!
映画館にまで行こうとしていた本作、テレビ放映で観ました。改めてテレビで良かったと思いました、というのも最初から泣きっぱなしなんです。私の
にハマりすぎ、やめてくれ~フジテレビドラマ的展開はっ!
本作は映画第1作 『海猿』 フジテレビ連続ドラマ 『海猿 EVOLUTION』 の続編として製作されておりますが、真ん中のドラマを見逃した方でも大丈夫なようにドラマでのエピソードはあまり出てきません。ただドラマで直属上司であった時任三郎演じる下川が出てくるので観ておくと納得できます。
ドラマでは仙崎ら潜水士の隊長であった下川、本作では海上保安庁の 『警備救難部警備救難課専門官』 というよく分からないけどエライと思われる役職で登場です。映画の宣伝だけでは下川さんは脇役だと思っていたのですが、かなりの露出度で準主役級です。時任さんファンの友人も大満足なはずですっ。
今回もスゴイ事件勃発。大型フェリーが接触事故後炎上、ついには沈没!まーたそんな船内になぜか残されちゃう仙崎とバディの吉岡、そして 『要救助者』 である2人。ドラマに次ぐドラマでありえなーい、という危機を何度も仙崎と吉岡は必死で切り抜け、要救助者をあとわずかで救出!というところでフェリー沈没!うぎゃーーー!
評価:(でも結構こういう展開もスキ)
一コマ一コマに余白を感じた作品。素晴らしかった。女性の監督らしく細やかなカメラワーク、そして見事な脚本だった。監督・脚本の西川美和氏、今後も外せない要チェックの映画監督となるでしょう。
東京でカメラマンとして華やかな生活を送る弟 猛と、故郷 山梨で家業のガソリンスタンドを継ぎ黙々と働く兄 稔。母を亡くし父と兄の2人暮らしで兄は仕事の他にも家事一切を1人で担っている。
そんな対比から兄弟の関係が描かれてゆくが、自由奔放な弟と質素で穏やかそのものだった兄の関係が、ストーリーが進むにつれて徐々に崩れていく様が凄い。
穏やかな性格だったはずの兄の豹変ぶり、激高して弟につばを吐きかける兄を演じた香川照之、さすがとしか言いようがない。役者として完全に出来上がっている。
甘えん坊で後先を考えない弟、売れっ子カメラマン時代の華やかさとその後の仕事をほされた様子、両方を見事に演じたオダギリジョーも良かった。ほされた様子をくどくど表現せず電話をする様子だけで表現する。こうした余白、観る側に考えさせる間の作り方がとても上手い。日々の暮らし、何気ない一言、そうしたものだけで表現し訴え続けた脚本とカメラワーク、心に沁みました。
誰しも心に闇を抱えて生きていること、そしてその闇に飲み込まれてしまいそうになることを正面から捉えた作品です。ラストは必見、兄 稔の表情が見事。
評価:(必見!)