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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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初恋のきた道

img20060408.jpgヴェネチア国際映画祭第50回銀熊賞受賞作品。監督は 『あの子を探して』 でヴェネチア映画祭グランプリ2度目の受賞に輝き、3大映画祭を制したチャン・イーモウ。主演は本作がデビュー作であるチャン・ツィイー。この後多くの映画の主演を射とめ 『第2のコン・リー』 として目覚しい躍進を遂げる。監督によると本作は 『中国の伝統である詩的な物語。愛について家族について、そして家族の間の愛についての物語』 。現在をモノクロ、過去をカラーで撮影し、多くのカメラ技巧と音楽を駆使し物語を構築した。かつての雄大な中国の農村風景、そこで繰り広げられる日々の出来事、何気ない毎日が心を打つ。

この映画を友人に勧められたのはなんと、5年前。その頃香港へ行く予定だった私たち、『香港映画でオススメはないかね?』 と聞いた私にイチオシだと友人が言っていたのがこの映画。その後チャン・ツィイーはアクションもできるハリウッドスターとしても有名になり、この映画の存在も薄くなってきたような気がしていたが、見終わってみてそれは私の勘違いだと気付かされました。

チャン・イーモウ監督も派手さばかりを求めている監督かと思っていましたが、このような映画も撮っていたのですな。それだけでも一見の価値アリです。
本当に、化粧の薄いチャン・ツィイーの愛らしさと言ったらないです。それにこれがデビュー作なんて、なんという表現力の高さ。女優としての確かさを感じます。
そして中国の農村部というごくありふれた、豊かな生活に慣れてしまった私たち日本人から見ると何もないかのように見える場所に、確かに息づいている人々の生活と固い絆に、感動します。

原題は 『THE ROAD HOME』、『我が家への道』 と言いますが、それを 『初恋のきた道』 とした邦題がこれまた素晴しい。恋愛そのものが珍しかった時代に、後の夫となる学校の教師にひたすら恋焦がれ、彼のために食事を作り、彼をもてなし、彼も彼女へ髪留めを贈る。それを落としてしまい、必死に探し回る彼女の姿が、何とも言えない気持ちにさせられます。決して高価な物ではない髪留めを、心の底から喜び、それを失くしてしまったことに落胆し、必死で探し当てた時の彼女の表情が、本当に素晴しい。

人は、少ない物の中でこそ、豊かな感情を育てられる。と言うのは本当だと教えてくれる、映画です。

評価:(すみませんやっと観ました)
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ALWAYS三丁目の夕日

img20060328.jpg日本アカデミー賞受賞凱旋公開!特別料金1000円!とあれば行くしかないでしょう。行ってみました。なかなかの盛況ぶりでした。

昭和30年代。こんなに 『昔』 を感じさせる風景ばかりだったのでしょうか?街並みも都内を走る都電も、歩いている人々の服が洋服でなければ大正時代のようです。そして何と言っても建設途中の東京タワーの圧倒的な存在感。CGでしょうが見事な存在感です。 『途中』 なんですもの。

原作マンガを長年(…15年)読んできた私から見ても、よく出来ているなぁと思います。設定を原作と微妙に変えているところも面白い。鈴木オートの鈴木さんは原作では温厚な人だし、従業員の六さんは男の人で妹さんとアパートで暮らしており、鈴木オートには通いで来てます。

茶川先生の駄菓子屋は鈴木オートの向かいじゃないし、茶川先生は原作では初老のおじいさんです。確かに少年雑誌向けに冒険小説も書いてますが、それだけでは食べていけないのでH系雑誌にH系小説も書いており、もちろんそのことは同居の淳之介くんには内緒。ペンネームももちろん違います、そのH系小説の原稿を届けに行く時の茶川先生の怪しい変装がやたらにおかしいし。

今回の映画では思わぬ配役で楽しめます、鈴木オートのすぐ 『キレる』 熱血社長に堤真一、まだ若くて恋もする茶川先生に吉岡秀隆、いつも 『いい人』 役の多い小日向文世が嫌味な役を演じているのも面白い。そして昭和30年代の子ども達を演じきった一平君、淳之介君の演技も見事です。

惜しむらくは、鈴木オートの奥さんの薬師丸ひろ子が少し上品すぎること、あとタバコ屋のオバちゃんのもたいまさこの活かしどころがあまりないところかな。自転車で疾走し、新しモノ好きでコーラを飲むオバちゃん、もっと出て欲しかったな。

とにかくセットがスゴイ。それだけでも一見の価値アリ、です。当時の風俗と流行、そして原作の様々なエピソードを上手く組み合わせた、見事な映画です。

評価:(5つ満点)

紅の豚

kurenainobuta.jpg糸井重里のコピー 『カッコイイとは、こういうことさ。』 をよく覚えています。この映画の公開は私が大学2年か3年の頃でした。大学の教室で友人がこの 『紅の豚』 の 『紅』 の字をハサミで切り抜いていたのを、なぜかよく覚えています。

さて、友人とジブリのアニメの話をしていて何が一番好きか?という話になり、友人が上げたのがこの 『紅の豚』 。ジブリファンを自称している私ですがなぜかこれを観たことがなかったのです。

そしてやっと観ました。またまた図書館貸出(無料)ですけど(笑)。借りてきてから一週間、毎晩王子達が観ている横をチラチラと観るだけで最初から最後まで通してきちんと観ていなかったので、仕事がオフである今日わざわざ隣町の図書館のビデオ閲覧室に持参し観て来ました。

なぜそこまでするかって?家にいるとなかなか集中して観られないからですよ。あとここのビデオ閲覧室を使ってみたかった、というのもあります(笑)。

前置きはこの辺で。
『飛ばねぇブタはただのブタだ。』 の名セリフ通り、飛行機乗りとして飛ぶことに誇りと命を賭けたイタリア男達の物語。宮崎アニメの得意とする飛翔感が今回もやはり素晴しい。まだ飛行機の技術が今ほど発達しておらず、木製の飛行機にパイロットの腕だけが頼りだった時代、飛行機乗りは男の中の男だけの職業だった。
ミラノの修理工場からドブ川を通り、空へと飛び立つシーンは圧巻である。

評価:(ビデオ買おうかなぁ)

博士の愛した数式

img20060225.png大変満足、です。大人になり数学教師となったルートが博士との思い出を語りながら数字の魅力、不思議について語るという構成が、大変素晴しい。原作も良かったですがこれはこの映画脚本に軍配が上がっています。

配役も完璧。寺尾アキラ、初老の博士の役を今回も見事に演じきり、素晴しい出来です。映画ごとに深みを増しているように感じます。更にルートの子ども時代を演じる斉藤隆成。彼は今の日本を代表する名子役、というよりもはや名優と言っても過言ではない存在。ドラマ 『光とともに』 の光くん役も記憶に新しいですが、今回のルートも素晴しい出来です。というのも大人になったルート先生演じる吉岡秀隆との違和感が、全くと言ってないのです。

隆成くんを見ていると、まるで寅さんシリーズの満男か 『北の国から』 の小さい頃の純が戻って来たかのよう。そして吉岡くんもルート(隆成くん)が大きくなったらこんな感じだろうな、という雰囲気を見事に出しています。
恐らくお互いに意識し合って役作りしたのでしょう。でも吉岡くんは大人の俳優だからともかく、隆成くんがここまで演じきるとは。この部分でも必見です。

評価:(5つ満点)

クレールの刺繍

img20060211.jpgフランス映画は久しぶり。ハリウッド映画と違ってうるさいバックミュージックがほとんどないし、むしろ静か過ぎる印象。フランス語は 『ウィ』 しか分からなかったし(笑)。

事前に得た雑誌などのからの情報では、予期せぬ妊娠をして傷ついている十代の主人公、クレールに周囲の人々は優しいだけなのかと思ったら、そうではなかった。
周囲の人々もみんなそれぞれ辛い想いを抱えながら生きていて、他者を拒絶したいと思っている中、それでも人はやはり人によってでしか救われないのだということを伝えたかったのだと思うのです。

クレールは  『匿名出産』  を希望しています。フランスでは古くからあり、出産には一切の費用がかからず  『マドモアゼルXの出産』  とも言われており、生まれた子どもをすぐに養子に出すという制度だそうです。多くの迷いがある中、最後は自分の決断で子どもを養子に出すかどうかをクレールは決断します。

そこに至るまでに多くの人々との関わりが関係してくるのだけれど、それはすべてクレール自身が働きかけ、そして得た人間関係なのです。
そう、つらいからと言って自分の殻だけに閉じこもっていては、何も解決にはならないのです。

クレールは最終的に愛する刺繍職人という職を得ることができた、やはり人にとって大切なのは自分の好きなこと、信念なのだ。そしてそれが自分の人生を支えていくのだ。

生きるということと、自分の信念を持つということ。それは同義である。
ということを教えてくれる映画です。

評価:(5つ満点)

ブラックジャックふたりの黒い医者

img20060124.jpg元旦から映画。初映画はブラックジャックです。なぜだ…。しかしピノコキーホルダーという前売りのオマケに惹かれて子ども用前売り(劇場限定)を1枚買ってしまっていたので、これを使わないと丸損というワケで元旦から行ってきました。

1日だから映画の日なんですね。というワケで私は1000円、第2王子は200円割引券を使用して800円を払い観てきました。
混み具合は上々…じゃなくて半分位ですかね。大人のカップルが半分、親子連れが半分と言った具合でした。

さて心配していた第2王子ですが、思っていたより大人しく、毎週月曜日テレビでブラックジャックを兄ちゃんと見ているおかげか 『ブラックジャックだね』 と最初から最後までちゃんと観られました。

今回も豪華2本立て…と言いたいですが、1本目のピノコの映画は短すぎでちょっとイマイチでしたね。なくても良かったかも…(苦笑)。

『ふたりの黒い医者』 は言わずもがな、ブラックジャックとドクターキリコです。映画前に鍼師 琵琶丸とキリコのことは第1王子にはキッチリ教えておいたので、内容把握はバッチリです。

評価:(5つ満点)

SAYURI

SAYURI.jpgまず子役が良かった。さゆりは日本の子役、姉の佐津は中国の子役だったが姉妹の絆に違和感を感じさせない。戦時下という難しい時代の花街を描いていて興味深い映画だったが…。

チャン・ツィイーは確かに美しい。私が最も好きな女優の1人ではありますが、今回の役はあまり適役でないと感じました。彼女得意のアクションもなかったし、もったいない(笑)。

工藤夕貴、ミシェル・ヨーは存在感がありとても良かった。工藤夕貴は評判通りとても良く、もしかしてチャン・ツィイーと工藤夕貴の役柄が逆だったらどうだ?と考えてみたけどそれならここまで収益出ないか。と思い直した、ゴメンね工藤さん。

渡辺謙は今回も文句ないが、もったいなかったのは役所広司。せっかくの役所広司なのにイマイチ活かしきれていないという感じ。もっと延という男の持つ執念深さ、恐ろしさを前面に出して欲しかった。あんまり恐さを感じなかったな。何かのインタビューでも役所広司が 『言葉の壁さえなければもう少し…』 と言っていたのを見て、やっぱり英語での撮影は大変だったんだなぁと思いました。となるとやっぱり渡辺謙ってスゴイ。

ストーリーは特にラストの部分が納得いかなかった、外国人から見たフシギの国ニッポン、という感じの終わり方。以上のことから−1、かな。

ただ全編を通じてテーマとして 『傘/雨』 を上手く使っている点が気に入りました。ポスターの傘をさすさゆりがまず非常に象徴的。初めて初桃を置屋からお茶屋まで送る時も、同じ雨の中姉のいる遊廓まで傘なしで走るのも、初めて会長に会ってかきごおりをもらった時に、会長と一緒にいた芸者がさしてた傘も、そして初めて舞を披露した時もさゆりは傘を使っていた。
それを考えたらオマケで5でもいいかなという気がしてきたな。

評価:(5つ満点)

ハリーポッターと炎のゴブレット

img20060124.jpg今年もハリーの時期が来ました。今回も素晴しい映像化、全てのシーンに迫力があり、クィディッチワールドカップのシーン、短すぎてもったいない!でも時間的に仕方ないのか…そんなシーンばかりでした。

ロンとハリーは今回初めて仲違いするのですが、それも割とすぐに仲直りしちゃって、これも時間的に仕方ないのか…原作ではその辺りの思春期特有の成長ぶりがいいのに。

また魔法省のクラウチ氏、森の中で殺されているのですが、これも前作で出てくる秘密の地図と関係してエエッ!とハリーがビックリするのが山場なんだけど、それも割愛…いいのかそれで?

まぁ三校対抗試合の様子はよく描けているかな、マダム・マキシームが予想と違った感じでちょっとガッカリしたけど。ハリー、ロン、ハーマイオニーの成長が観られて今回も満足。ってもはや親戚のオバちゃん状態。ハーマイオニーは本当に可愛い!この子を採用しただけでも映画化の価値があった。とまで言う。

チョウ・チャン役の女の子、アジア系ということでチャン・ツィイーのような美少女を期待していた私には、期待があまりにも大きすぎた、とだけ言っておきます(笑)。

やはりハリー映画で感じるのは 『原作ファンでなければ世界観がつかめない』 というところですね。ますます話がややこしくなっているので余計に。もはやスターウォーズと一緒、マニア向け映画?
余談ですが今回もハーマイオニーのパーカー欲しい…と思ってしまった。それなら買えばいいのに。

評価:(オマケで満点)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
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