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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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あさきゆめみし*大和和紀

asakiyumemisi.jpg紫式部の 『源氏物語』 を漫画化。月刊mimi(講談社)に1979年から連載され後にmimi Excellentに移り1993年に完結。単行本 全13巻、文庫本 全7巻。累計売り上げは1700万部を超える。原作にほぼ忠実でありながら独自の解釈も加え、ビジュアルから分かりやすく源氏物語を解いた。
(大和和紀)やまとわき。1948年札幌市生まれ。北星学園大学短期大学部卒業。本名同じ。1966年 『どろぼう天使』 でデビュー。主な著書に 『はいからさんが通る』 『ヨコハマ物語』 『NY小町』 など。

2008年は源氏物語千年紀。ということで源氏物語が書かれてから(正確には写本が確かに存在すると確認されてから、らしいですが)1000年。ということでやたらにどこでも源氏物語フィーバーです。ということで私も久しぶりに読み返しました、あさきゆめみし。

以前からいつか買おうと思っている本書ですが、図書館にもあるんですよね。ということで今回も図書館にお世話になりました。初めて読んだのは高校生の時だったか?若い頃(※今も若いが、笑)読んだ時とまた印象が違い、面白かったです。

紫の上が死を間近に迎え、これまでの人生を振り返る一人語りがあるのですが、おそらくこの部分は大和氏のフィクションが多く足されていると思われますが、ここがとてもいいです。女は男に頼らなければ生きていくことができないのか?源氏の女性への誠実さは実は残酷さの象徴なのではないか?その報いが息子である夕霧と薫に時代を経て徐々に降りかかってくる様子がまた面白いですね、本当に薫の君はツライ目ばかりに合っていて…。

しかしあさきゆめみしは源氏を好意的に描いているため、夕霧や薫についても非常に同情的で、その点を捉えなおしてみるとまた違った側面が見えて面白いかもしれないです。六条院の女性方もみんな知識も常識も兼ね備えた素晴らしい女人ばかりだし。それって実際にはあり得ないでしょ(笑)。ということでそのうち源氏物語全編新約にチャレンジできるか…どうか?

評価:(5つ満点)
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本を読むわたし*華恵

honwoyomu.jpg大切な思い出は必ず本と結びついている。『小学生日記』 で鮮烈にデビューした作者が4歳から14歳までに出会った本を手掛かりにその時々の自分を振り返り描写していく、セルフ・ポートレート。15歳の少女の本に対する愛情と思い出が詰まった一冊。
(華恵)1991年アメリカ生まれ。6歳から日本に住む。10歳からファッション誌のモデル、女優として活動。2000年、2001年と全国小・中学校作文コンクール東京都審査・読売新聞社賞を連続受賞、2002年、全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を受賞。2003年にこれらをまとめた 『小学生日記』 を刊行。著書に 『本を読むわたし』 『ひとりの時間』 『キモチのかけら』 がある。

ハナエちゃんのブックトーク。一冊の本からここまでの想い出を紡ぎ出せる、その感覚が素晴らしい。

goodnightmoon.jpgグランマと読んだデュピュティ・ダンの笑えない下手な英語、マドレーヌと同じように腹膜炎の手術をしたこと、日本に来てからの小学校時代。前半は小さい頃なのでアメリカで読んだ英語の絵本、後半は日本の絵本から小説まで、ハナエちゃんの読書力は小さかったハナエちゃんが成長し、周りの世界が広がるのと同じ速度で上がっていく様子が分かります。

ilikeme.jpgハナエちゃんがキンダーの頃好きだった絵本、"Goodnight Moon” "I like me!” を探してみたらありました。 『おやすみなさい おつきさま』 『わたしとなかよし』 という邦訳です。おやすみなさい おつきさま、みたいな部屋で暮らしたい、というハナエちゃん。思い出がどれもこれも鮮やか過ぎる…と思っていたら当のハナエちゃんにとっては小学校はつい2、3年前なのでした。

評価:(5つ満点)

うさこちゃんびじゅつかんへいく

usakobijutu.jpgうさこにはまだむずかしくないかな?そんなことないわ。うさこちゃんはおとうさんとおかあさんに連れられて初めてびじゅつかんへ行きました。絵やモビール、彫刻などいろいろな作品をうさこちゃんはとても楽しく見てまわります。
(ディック・ブルーナ)Dick Bruna。1927年オランダ ユトレヒト生まれ。イラストレーター、絵本作家、デザイナー。ナインチェ・プラウス(うさこちゃん、ミッフィー)やブラック・ベアの生みの親として知られる。シンプルな作風と独自のブルーナカラーと呼ばれる赤、青、白、緑、黄色を使った作家として有名。後にブルーナカラーには象の色を付ける灰色、くまや犬を描くための茶色が付け加えられた。

やっぱりこのうさぎさんはうさこちゃんです。石井桃子先生の 『うさこちゃん』 で育った私には、松岡先生の 『うさこちゃん』 の訳がやっぱりしっくり来てしまいます。

うさこちゃんは美術館へ行きます。オランダらしく現代アートが溢れる美術館でうさこちゃんは色々な美しいものを見ます。小さい子どもよりも大人向けに描かれた雰囲気が漂う絵本ですね。

現代アートが好きな方への贈り物に。

評価:(5つ満点)

別冊図書館戦争2*有川浩

bessatu02.jpgシリーズスピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き 『別冊 図書館戦争2』!気になるあのペアの恋の行方もついに!?(メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。『図書館戦争』 で2007年本屋大賞第5位、星雲賞日本長編作品部門受賞。主な著書に 『塩の街』 『レインツリーの国』 『阪急電車』 『クジラの彼』 など。

まず、本当にこれでシリーズ完結なのですね?と問いたいです(笑)。

元良化委員だった緒方がそちらを辞めて図書隊に入った経緯を書いた1話目は良かった、本来の図書館戦争シリーズのテーマに沿った内容で。2話目の堂上クンの過去を語る、もまぁヨシです。相変わらずバカップルのベタベタシーンが多すぎですが、それがウリのシリーズだから。

しかし3話以降の柴崎と手塚の物語ですが…ストーカーについての物語としてはとてもよくできていますが、正直シリーズのテーマとはズレているのでは?どうでしょうか。それにしてもお姫様を王子様が飛び込んで助けに行く、という構図が本当にお好きですね、ライトノベルの定石なのか?

しかし、とうとう最後まで私の懸念だった
 1) 情報部とはどういう組織なのか
 2) 柴崎には人には言えない過去があるのではないか
の2点が解明されませんでしたね…しかも柴崎なんて、フツーの家庭でフツーに育った、気立ての良いお嬢さんというラストだったし。それじゃこれまでの意味ありげな柴崎の立ち居振る舞いはなんだったのだ??

まぁみんなが幸せならば、いっか…。くれぐれも小牧さんの恋愛を主軸にした続編だけはやめてほしいけど(個人的意見ですあくまでも、小牧さんゴメンナサイ)。

評価:(5つ満点)

ハリーポッターと死の秘宝

deathlyhallows.jpgホグワーツの最終学年7年生となったハリー。だが学校へは戻らず宿敵ヴォルデモートとの戦いの旅に出ることを決意する。かつて両親と暮らし、ヴォルデモートが両親を殺した現場であるゴドリックの丘へハリーは向かう。そこで出会った真実とは。日々深刻になる戦況、魔法省は既に敵の手に陥落し味方の騎士団も苦戦を強いられている中、ハリーと行動をともにするロン、ハーマイオニーにも疲労が見えてきた。未だ謎だらけの現実にすべての真実を告げてくれなかったダンブルドアに対する複雑な思いと自分のあるべき姿を探し求め苦悩するハリー。ついに 『選ばれし者』 とヴォルデモートとの壮絶な最後の戦いが迫っていた。
(J.K.ローリング)Joanne Rowling OBE。1965年生まれ。イギリスの児童文学作家。J・K・ローリングはペンネーム。貧しいシングルマザーとして生活保護を受けながらハリー・ポッターシリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』を執筆。同作でネスレ・スマーティーズ賞、ブリティッシュ・ブック・アウォーズなど多数の文学賞を受賞。年収約1億2500万ポンドは、歴史上最も多くの報酬を得た作家とされる。

まず、やはり10年は長かったですね。このインターネット高速時代に同じシリーズで10年も待たされちゃーもう読者は待ってないでしょうね。それだけこのシリーズが長期化を許された、読者が待っていてくれたのはやはりすごいことですね。

で最終巻。若干私の読みが外れた上に、ラストまで続く暗ーい展開。辻褄は一応合っている…ようだけど?

魔法界のヒーローだったダンブルドアの影の部分が徐々に見えてきたり、スネイプの命を賭けて愛情を貫こうとするその凄まじさや、長く1年に及ぶハリー達の戦いの様子、それがすべて、正直暗すぎて気が滅入ります。もう誰もロマンスどころじゃなく、楽しいことは全くなし。そして最後の最後に 『選ばれし者』 の手に落ちるヴォルデモートですが…真のヒーローは彼だったのか!?ということなのだろうか!?

小さい頃からホグワーツであんなにハリーを悩ませてきたライバルであるマルフォイが、最終巻では霞み過ぎでちょっと可哀想。そして戦争が終わりいきなり舞台は19年後って…そんなのアリ?せめてハーマイオニーだけはホグワーツを留年して結局卒業したとか、そういう途中経過が欲しかったなぁ。あんなに学校を舞台に戦ってきたのに最後は学校のシーンはナシですか?

ホグワーツを始めとする魔法世界の不思議さ、楽しさが本シリーズの一番の魅力だと思っているので、最後まで学校とそこに暮らし成長する子ども達の目線で物語を終えて欲しかったというのは大人の読者の勝手な希望でしょうか。その他細かいフォローが全然足りないので後から外伝とか出そうですが…どうでしょうか。

評価:(結局選ばれし者って…やっぱり?)

つつみがみっつ*土屋耕一/たざわしげる

tutumiga.jpg留守にする。軽い機敏な子猫何匹いるか。この子どこの子?このみ君三年三組の子。関係ないケンカ。シナモンパンもレモンパンもなし。羊羹買うよ。造花も買うぞ。手伝つて。手伝うよ何度もどんな用だつて。前から読んでも後ろから読んでも同じ文の絵本。1975年 福音館書店。只今絶版中(涙)。
(土屋耕一)1930年東京都生まれ。コピーライター。回文で有名。

絶版。でもどうしても欲しい。のがこの 『つつみがみっつ』 です。福音館書店の50周年ブログでも多くの方が再販を求めていた本作、我が家でも兄と私はしょっちゅう母に読んでもらっていました。今回国際子ども図書館で実物を見た時の感動?と言ったら。旧知の友に会ったような気持ちです。

1975年発刊。私と3つしか違わないじゃん(笑)。古いわけです。このレトロな絵のたざわしげる氏も気になりますが、他に絵本の著書が見つからずどのような方か分かりませんでした。画家の田澤茂氏?という個人のブログの意見もありますが、推測の範囲を出ません。

国際子ども図書館で数ページコピーをしてもらいました。コピーは著作権保護のため本全体をコピーすることはできません。総ページ数の半分まで、という規定があります。カラーコピーが一枚210円!ということで白黒コピーをしてきましたが、やっぱりカラーで2ページくらいしてもらえば良かったかも…と手元にあるコピーを見て思ったり。

私の記憶の中では 『このみくん三年二組の子』 だったのですがそれじゃ回文になってなかったですね。このみ君は三年 『三組』 だったんだ…。 『手伝うよ何度もどんな用だつて』 と我が家の王子達にも言ってもらいたいものです。

あ~やっぱり手元に欲しい!求む再版!!!

評価:(絶版だと余計に欲しいのは人間のサガ?)

試着室*金原ひとみ

yomyom6th.jpgショッピングはいい。ショッピングをしている間、私は色んな事を忘れられている。初めて彼とショッピングに行った時、彼の無機質な張り付いたような微笑みが印象的だった。この違和感は年齢差からくるものだろうか。たった六つの差。それだけの事のはずだ。孤独を埋めるために買い物をする女と若い恋人の物語。yomyom6号掲載。
(金原ひとみ)1983年東京都生まれ。文化学院高等課程中退。児童文学研究家、翻訳家の金原瑞人を父にもつ。『蛇にピアス』 ですばる文学賞、芥川賞を受賞。主な著書に 『アッシュベイビー』『オートフィクション』 『AMEBIC』など。

『蛇にピアス』 以降なかなか衝撃的な設定の小説が多く、手にしてませんでしたがやはりこれを読んでも思うのは、金原ひとみ氏は文章が上手い。ということですね。

哀しさをただ悲しさとして描くのではなく、主人公本人すら意識しているのかいないのか分からない客観的な視点から描くことで、その哀しみを一層際立たせているこの感じ。そうこの 『感じ』 が出せる若い作家って素晴らしい。

やっぱり金原ひとみはもっと純文学を書いてくれーーできれば私がビビらず読めそうな設定のやつ(笑)。

評価:(5つ満点)

時の滲む朝*楊逸

tokiganijimu.jpg幼なじみの梁浩遠と謝志強は1988年中国の名門大学に入学する。2人は大学で民主化運動の渦に巻き込まれ、1989年ついに天安門広場に行き着く。理想を求めて更新した日々と隔離してゆく思想、運動で挫折を味わい大学を退学させられた2人はそれぞれの道を歩み始める。浩遠は結婚して日本に渡りその後も同胞と民主化運動を続けてきた。浩遠の目から北京オリンピック前夜までの民主化運動の道程を天安門事件を中心に振り返る。第139回芥川賞受賞。
(楊逸)ヤン・イー。1964年中国ハルビン市生まれ。お茶の水女子大学卒業。在日中国人向けの新聞社を経て中国語教師。本作で芥川賞受賞。著書に 『ワンちゃん』。

天安門事件について少しでも理解できるだろうかと期待を持って読んだが、そこはやはり分からなかった…。民主化運動とは結局何だったのだろう。運動に参加していた当事者の浩遠ですら分からなかったことが、読者にも分かるはずはないのだった…ということだろうか?

日本に渡ってからの浩遠にも色々と辛いことはあったはずだが、あえてそこに焦点を当てずに、日本でも同胞を集めひたすらに民主化運動に固執続ける浩遠を描ききった、と言えるが…やはり前作 『ワンちゃん』 ほど感情移入はできなかった。

日本という豊かな異国で、家族を築き上げ自分の仕事をし生計を立てていてもなお、浩遠の心の中に巣くう孤独感の正体とは、一体何なのだろうか。浩遠はいつまでその孤独と戦い続けなければならないのだろうか。

評価:(5つ満点)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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