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DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

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金曜日の砂糖ちゃん*酒井駒子

kinyoubinosatou.jpg皆から 『金曜日の砂糖ちゃん』 と呼ばれている女の子。庭でおひるねをしていると、その可愛らしい姿を一目見ようと鳥やハチ、バッタやカマキリがやってきます。中でもカマキリは御執心で、誰かがちょっとでも砂糖ちゃんに触れようとするとカマを振り上げ大騒ぎ。小さな世界を黒と白、赤だけで描いた 『金曜日の砂糖ちゃん』、黒と緑を中心に黄色を効果的に使った 『草のオルガン』、そして同じく黒と白を中心にピンクを効果的に添えた 『夜と夜のあいだに』 の3作を収録。酒井駒子の描く幻想的な世界を表現した、B6サイズの画集のような絵本。
(酒井駒子)1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。主な作品に 『リコちゃんのおうち』 『よるくま』 『赤い蝋燭と人魚』 『ぼくおかあさんのこと…』 など。本作で第20回ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌を受賞。
(収録作品)金曜日の砂糖ちゃん/草のオルガン/夜と夜のあいだに
 

以前から気になっていた本書。ちょっと前の発行なので本屋にはないだろうと思っていたら、ありました。B6サイズの小さい本であることにまず驚き。そして色を押さえて書いてある挿画、というかむしろこちらの方がメインであり、画集のような絵本です。

お話も不思議な話が3つ。子どもには色々と秘密があるようです。
黒と白を基調に、それぞれ赤、黄色に緑、ピンクを差し色として使用しているところが素敵です。

言うまでもなく大人向けの絵本です。小さいお子さんにはあまり喜ばれないと思いますので贈る際にはご注意(笑)。大人がたまに眺めてみては、ぼんやりとあれこれ考えるのに最適な絵本です。

評価:(題が秀逸)
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からすのパンやさん*かこさとし

karasunopan.jpgいずみが森のからすのパン屋さん夫婦に4つ子の赤ちゃんが生まれました。4つ子の世話でお父さんとお母さんは大忙し。パン屋の商売が疎かになってしまい、倒産の危機。その危機を救ったのが、4つ子がいつも食べていた、売れ残りのパンでした。起死回生を遂げたパン屋さんは、美味しい、素敵な形のパンをどっさり焼きます。
(加古里子)1926年福井県生まれ。東京大学工学部卒業。民間会社の研究所に勤務しながら児童文化の研究、創作を続けた後に独立。教育文化や絵本、子どものための科学の本、放送などの分野で活躍。作品シリーズに 『だるまちゃんとてんぐちゃん』 など多数。


サンタさんが持って来るはずだった 『からすのパンやさん』 。オンライン書店が持ってきてくれました(笑)。ということで第2王子もゴキゲンです。

私も20年振り位(もっと?)に読みましたが、物語はこんなに長かったっけ…読み聞かせで 『もう1回!』 はちょっとしんどい分量です。でも私もこの色々なパンをからすのパン屋さんが工夫して作ったという見開きのページが大好きだったなぁ。懐かしいなぁ。と思いつつ読みました。

子どもの頃はよく加古里子さんの絵本を図書館で借りて読みましたが、改めて調べてみるとこんなにもたくさん子ども向けの科学や教育の絵本を書かれていたのですね。絶版のものも多いようですが、また見たいものです。

このからすのパン屋さんも我が家の本はなんと324刷でした。すごーい!

評価:(第2王子満足度)

冒険の国*桐野夏生

bouken.jpg美浜は31歳独身。同じく独身の姉と初老の両親と共に生まれ育った千葉の海浜地帯の高層マンションに暮らしている。すぐそこにはディズニーランドが見える。発展していく街並みとそこから浮いていることを自覚しながらも、どこへも行けない一家。かつて地元を離れていた美浜が両親の住む地へ戻ったのは、過去に若くして自殺した恋人 英二を忘れるためだった。ある日美浜は思いがけなく英二の兄である恵一と再会する。自分の家族、恵一の家族、マンションの隣人、勤務先の大家の暮らしを通じて美浜が考えるのは、家族の在るべき姿だろうか。
第12回 『すばる文学賞』 最終候補作(当回受賞作なし)となった原稿に加筆修正をほどこした新潮文庫オリジナル、桐野氏幻のデビュー作。
(桐野夏生)1951年金沢市生まれ。『顔に降りかかる雨』 で江戸川乱歩賞、『OUT』 で日本推理作家協会賞、『柔らかな頬』 で直木賞、『グロテスク』 で泉鏡花文学賞、『残虐記』 で柴田錬三郎賞を受賞。 また 『OUT』 で日本人初のエドガー賞候補となる。


確かに作品としてはまとまっていないし、結局主人公美浜の想いはどこへ向かうのかも分かりにくい終わり方だが、これがデビュー前の新人の作品ならばやはり桐野氏はスゴイと思う。

桐野氏の小説に出てくる人物は皆他人との距離感をコントロールできている人が多い中、美浜はそれがほとんどできていない。それが20歳の頃、恋人であった英二を自殺で亡くしたことに端を発しているのならば、美浜はその呪縛から永遠に逃れられないのだろうか、辛い内容である。

この作品にはいわゆる 『いい人』 が出てこない、それもまた辛い。美浜は自分達家族を 『家族の終焉の姿』 だと自嘲している、果たしてそうなのだろうか。しかし家族の在り様とは既存概念に捉われるものではなく、家族の数だけその姿があるのではないだろうか。

評価:(5つ満点)

子育てハッピーアドバイス3

happyadvice3.jpg『子育てハッピーアドバイス』 の第3弾。自己評価を育むために大切な 『子どもの自立心を育てる』 ことを中心に、思春期の対応など子どもの心の育て方をマンガやイラストで具体的にアドバイス。読者から寄せられた質問に答えるQ&Aも収録。
(明橋大二)昭和34年大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。精神科医。名古屋大学医学部附属病院精神科等を経て、現在真生会富山病院心療内科部長、児童相談所嘱託医、小学校スクールカウンセラーなどを務める。


シリーズも第3弾ともなるとやや惰性が出て来るのですが…(スミマセン)。やはり第1巻ほどの衝撃はありませんが、価格を880円と精一杯抑えていただいていることにはまず感謝です。

本書の帯には 『100万部突破のシリーズ第3弾 親が楽になると、子どもも楽になります』 とあります。早速至言です。

そうなのです、この頃の親はやたらに気を張りすぎ。 『子どもがつまづく前に歩く道の先にある石を拾ってしまう親が多すぎる』 とこの頃の親が批判されているそのまんまです、かく言う私も典型的なこういう親です…反省。

評価:(5つ満点)

yomyom

yomyom01.jpg新潮文庫から新しい季刊誌 yom yom (ヨムヨム)が創刊。年4回発行。人気作家の一番新しい作品を届けると共に、これまで読んだことのない作家との出会いを提供したいというコンセプトで作られたyom yom。『読む』 ことの好きな人たちに向けた 『読む』 楽しみをもっと拡げるための雑誌を目指す。小説はもちろんエッセイ、紀行文、オススメ本など、新鮮な文学情報を掲載。表紙には新潮文庫のキャラクターでおなじみ、Yonda?パンダが登場。表紙のみならず雑誌内の挿絵も全て100パーセントオレンジが担当、ファン必見。また新潮文庫の応募マークもyom yom裏表紙に付いていてオトク!

最近文学系雑誌を買ってきませんでした。というのもかつて私は異常な雑誌魔で、ついつい色々な雑誌を買っては、全部読まないうちに次号が発行されてしまう、という悪循環を常に繰り返していたので、ある時を境に雑誌購入を控えることにしたのです(単にお小遣いがないので…)。

文学誌は連載が多いため、買うとなると毎月買わなくてはならないし、絶対に全部は読みきれないし、まして好みではない作家の文章は読まないし、とずっと思って来ました。

しかし久々に欲しい文学誌が出ました、表紙が私の大好きな Yonda?パンダ で可愛い!っていうのがやはり一番の理由。ではなく、旬の作家の作品掲載が多いこと、そして 『これまで読んだことのない作家との出会いを読者に提供したい』 コンセプト、ここに惹かれましたね。

20世紀少年*浦沢直樹

20seiki.jpg高度成長期の真っ只中の70年代。夢と希望に満ちあふれた時代、少年たちが空想した世界。少年達は地球滅亡を目論む悪の組織が東京を巨大ロボットで破壊し尽くし、世界が混沌し滅亡に向かっていく中、それらに立ち向かい地球を救うという、正義のヒーローの物語を作って遊んでいた。『よげんの書』 と少年達が名付けた本の通りに、やがて大人になった少年達の周りで次々と事件が起こる。一連の事件に絡む謎の男 『ともだち』 の正体と目的は何か。なぜ 『よげんの書』 通りに世界は破滅へと向かうのか。『ともだち』 の自作自演の暴走をとめられるのは誰か。ケンヂと仲間達の闘いが始まった。浦沢直樹が送る長編SFサスペンス。
(浦沢直樹)1960年東京都生まれ。明星大学経済学部卒。本作で第25回講談社漫画賞、第6回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第48回小学館漫画賞受賞。代表作はやっぱり誰が言っても 『MASTERキートン』。


職場では空前(?)の浦沢直樹ブーム。それで私も無事借りちゃいました、前々から読みたかった 『20世紀少年』 。21巻まで借りましたが、今日最新巻である22巻をゲットし読み終わりました。連載は終了しているそうですが、来春に特別編を発表するとか?

次々と巻き起こる世紀末に人類を襲う事件が、自分達が子ども時代に遊びで描いた 『予言書』 通りなのはなぜか。その設定だけで震えが来そうな内容ですが、徐々にその謎が明らかになってきます。

それにしても今回も浦沢氏の着眼点には脱帽ですね。世紀末思想、新興宗教、政治、ロック、マンガなど、毎日の生活で誰もがいずれかに関わっているものの根底がくつがえされたらどうなるか。それでも人は自分の信念に従って生きるのだ、ということでしょうか。

評価:(ともだちはホントに誰ー?)

終末のフール*伊坂幸太郎

shuumatu.jpg『8年後に小惑星が落ちてきて地球は滅亡する』 との発表から5年。社会は秩序が崩壊し混乱し尽くした後、沈静化を保っていた。仙台市北部のとある団地に住む人々の日々の暮らしを追う。人類全体が残り3年という寿命の中で、人々はどのような選択をしいかに生きるのか。表題作の他全8編を納めた連作短編集。
(伊坂幸太郎)1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。 『オーデュボンの祈り』 で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。『アヒルと鴨のコインロッカー』 で吉川英治文学新人賞、『死神の精度』 で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。著書に 『ラッシュライフ』 『チルドレン』 『魔王』 など。
(収録作品)終末のフール/太陽のシール/篭城のビール/冬眠のガール/鋼鉄のウール/天体のヨール/演劇のオール/深海のポール


『地球滅亡』 という1つのテーマを軸に描かれた短編連作集。舞台を全て仙台郊外のとある団地とその周辺に絞って描いたことで、登場人物達が少しずつ交流をしている様子が分かるのは面白い仕掛けだが、1つ1つの短編を見てみるとイマイチ深みが足りない気がする。もう少し突っ込んで書いてみたらもうちょっと面白いのに?なんて思ってしまう。

『演劇のオール』『深海のポール』 の内容は良かった。しかしこの前読んだ 『重力ピエロ』 でも思ったけど、どうして伊坂幸太郎の小説の題って何かズレてる?と感じるのは私だけ?でも題がズレてると何となく落ち着かない。
『深海…』 私なら迷わず 『櫓(やぐら)』 という題にするけど。 『終末のフール』 って題が気に入ったからってムリして韻を踏まなくてもいいのに…。 『天体のヨール』 なんて強引過ぎるでしょ!

さてどの短編もあまり世紀末感、終末感を感じさせず、サラッと流れすぎ。登場人物達はせっかくここまで必死に生き残ったのなら、その必死な部分も描いて欲しかった。
けれど実際に政府から 『終末宣言』 が出されたらこんな感じなのかも。

最後まで草サッカーを続けている団地の人達が良かったかな。

評価:(5つ満点)

ぼくおかあさんのこと…*酒井駒子

bokuokaasan.jpgぼくはお母さんのことがキライ。テレビでマンガを見せてくれないし、すぐ怒るし、日曜日はいつまでも寝ているし、早くしなさいって言うくせに自分はゆっくりおしゃべりばかりしているし。それから、ぼくとは結婚できないって言うし!だからぼくは家を出て行くことに決めた。優しいタッチの酒井駒子の描く、ウサギの親子の物語。どこかのうちにソックリ?
(酒井駒子)1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。テキスタイルデザインを経て、現在イラストレーター。主な作品に 『よるくま』 『よるくまクリスマスのまえのよる』 『きつねのかみさま』 『こうちゃん』 など。


酒井駒子の絵は素敵。ほんわかした雰囲気の中でも、芯の強さを感じさせる絵です。絵本の挿絵を描くことが多いですが、自分で物語も書いている絵本に 『よるくま』 や本書などがあり、短い文章が多いので、より印象的です。

この絵本も、親子がまずウサギであることがいいです。初めて読んだ時 『日曜日はいつまでも寝ていて起きないし…』 のページで、ぼくは小さな声で 『おなかすいた…』 と言っていて、うぎゃーーうちのことか?と思ったことが忘れられないです(苦笑)。

そんなぼくが、一番お母さんを許せないのは、『大きくなってもぼくとは結婚できない』 って言うこと。というのが何とも言えず可愛いですね!それで怒って家出してしまいますが、その後のお母さんの表情だけを描いたページがこれまたいい。

お母さんは、そこにいるだけでいい。
そのことを教えてくれる絵本です。図書館で時々借りてましたが、そろそろ自分のために一冊買ってもいいかな、という絵本です。『よるくま』 シリーズもオススメ。

評価:(5つ満点)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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かぎ針編み プール
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車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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